第11話 商業ギルド/セシリア/ドラゴンに攫われた
魔道具店から少し歩き商業ギルドについた。
商業ギルドは街の中枢にある。中級層エリア。
冒険者ギルドは、街のひとつしかない門の近くにある、いわゆる下級層エリア。
孤児院も下級層エリアにある、孤児院はスラム街に近い。
商業ギルドの看板のマークは、コイン。
商業ギルドは、冒険者ギルドよりも2倍はありそうな敷地面積。
商人が訪れることが多いからかな?
荷馬車を停めるためにそれ用の庭がある。駐車場みたいな感じ。
そして、冒険者ギルドでは、窓は木製の扉の開閉式だったにもかかわらず、商業ギルドは中が見えるガラス製。
商業ギルドは、にぎわっていた。
冒険者ギルドと違って、汗臭いというか、むさくるしくない感じ。
商人を待たせない配慮か分からないが、窓口もたくさんある。
時は金なりということかな?
冒険者ギルドは、酒場が入っていたけど商業ギルドは喫茶店。
丸い木のテーブルが10はある。
そのテーブル席に腰かけ、紅茶を飲んでいる者たちがいる。
喫茶店のメニューに、コーヒーがあった。
お値段は、1杯1500円(J)。
日本で1杯2000円(J)のコーヒーがメニューにのっていたら、さぞかし美味しい豆なのだろうとか、 マスターが特選した豆なのだろうとか、メイド喫茶のコーヒーとか考えるけど、此処は異世界。
コーヒーを飲んでいる人の近くを通ってみたが、香りは大したことなかった。
わたしの好みでないだけかもしれないけど……
【メニューのみもの】
みず 『100J』
ストレートティー 『600J』
ミルクティー 『600J』
コーヒー 『2000J』
カフェラテ 『2500J』
【メニューたべもの】
クッキー 『400J』
サンドイッチ 『600J』
サンドイッチを食べている人を見たけど、小さなパンにレタスとトマトを挟んだものだった。
「すみません。商人として登録したいのですが」
受付窓口まで進んだ。
「どうぞ、おかけください」
話しかけるとお姉さんが、優しい笑顔でイスをすすめてくれた。
冒険者ギルドでも思ったけど、受付の女性ってあこがれるよね。
大人の女性って感じがして好き。
冒険者ギルドに受付窓口の前にイスなど置いていない。
行った時に思ったけど、冒険者ギルドは循環率が良い。
受付の女性ギルド員を口説いている人とかアピールしたい男たちがいる場合は、循環率が著しく落ちていた。
それに加えて、商業ギルドは、イスがあるのは、長い話が多いということだろう、値切りとかするイメージ。
わたしは、喫茶店の人と少し話し、掲示板で砂糖・塩わたしの値上がりとか書かれた掲示板を見て受付窓口に向かった。
長い時間みtまわっていたんだけど、他の窓口でイスに座っていた人たちは変わっていなかった。
「今回担当させていただきますのは、私、セシリアです。よろしくお願いします」
「はい。わたしの名前はユウです。よろしくお願いします」
「こちら、商業ギルドカードへの登録の紙でございます。お名前と年齢、簡単な算数の問題がございます。ご記入ください。算数の問題で間違いがありますと、商業ギルドに登録が出来かねます」
そういって渡された紙。
【名前】ユウ・フォックス・ヨザクラ
【年齢】18歳
【算数】答えは7
「はい。算数の問題合ってます。登録させていただきますね。登録料は30000Jです」
素直に指示されたお金を渡す。
【算数の問題】
大銅貨3枚の値段の服を買いました。
銀貨で支払いました。おつりの大銅貨は何枚でしょう?
といった、小学生でもわかる問題。
幼稚園児でも分かるんじゃないかな?
要は、1000J-300J=700J
大銅貨が100Jで1枚な為、700Jだと、7枚ということになる。
因みに第7世界での買い物は、税込みである。
「ただいま、係りの者にカードの初期登録を行わせております。もし、売り物がございましたら、買い取りますがいかがしますか?因みに、商業ランク、商人としてのランクというものがありまして、はじまりはFランクです。Fランクは商業ギルドに対してしか売れず、10万Jまでの買い取りをギルドが行うまで、店を構えることができません。そして、ランクが高いと信用度が高くなり、貴族への販売などができると言った優遇処置があります。Eランク以降も同様で、商業ギルドに買い取りをしてもらった額で上がっていきます。要は高い物をギルドに売りつければ、ランクを素早く上げることができます。ギルドは需要と供給がありますので、不必要なものは買い取りいたしませんので悪しからず」
「わかりました。でしたら、これをお願いします」
デビルホールから砂糖とタオルをだす。
砂糖を出した理由は、今後サトウキビでも植えれば砂糖永続的に売れるんじゃないかな?
それを孤児院の子やスラムの人たちに仕事として任せればOKかな?と思ったから。
タオルに関しては、純粋にお金儲け。
遠くの国で仕入れたとか言えば問題ないはず。
日本っていう国なのですが?知りませんか?的な。
砂糖とタオルをカウンターの上に並べていく。
砂糖の入っている容器は、木でできている。蓋つき。
夜中にモンスターを狩りに行ったときについでに木も収納してみた。
分解できることはオークで把握していた為、どうにか木を容器にできないか試してみたところなんかできた。
その他にも、木から木剣。木刀。木の盾。木の槍。紙もできた。
いやぁ、デビルホールは、チート。
セシリアさんはカウンターに並べられたタオルを見て驚いたように目を見張る。
砂糖の入った木の容器も開けて中身を見せる。
「えっと、こっ、これはなんですか?布とは少し違いますよね?」
「タオルです。身体を拭いたりするものです。そして、木の容器に入っているのが砂糖です」
「触ってもよろしいでしょうか?」
セシリアさんは、タオルに触れる。
「ふわふわしてます。肌触りでここまで良い物を私は知りません」
「吸水性も良いですよ。えっと、水をかけてみますね」
さっき、魔道具店で購入した、『アクア』という魔道具。
単なる水色の魔工石が埋め込まれた太めの棒を手に持ち、魔核に触れ軽く力を入れる。
『ぽとぽと』
水がタオルに落ちていく。
「まぁ、素晴らしいですね」
濡れたタオルに触れたセシリアさん。
「えっと、お次はこちらですね。お砂糖ということでしたが。これは、本当に砂糖でしょうか?」
砂糖をひとつまみしていうセシリアさん。
「はい。タオルも砂糖もここから、遠い国、日本というところから仕入れてきた品です」
「なるほど、だからですね。素晴らしい品質のタオル、真っ白な砂糖。是非とも取り引きしたいものですね」
あっ、調味料店にミュウちゃんと一緒に行ったとき、砂糖真っ白じゃなかったな。
忘れていたよ。
だから、砂糖を見た時に違和感のあるような顔をされたのだろう。
「とても遠い国なので厳しいと思います。この国に来るまでに、海を渡り砂漠を進み、ドラゴンにさらわれ、今では日本がどこにあったのかもわかりません」
誇張していってみた笑
誇張どころじゃない笑笑
「タオルと砂糖は、まだたくさんお持ちでしょうか?」
ドラゴンのくだりは冗談だと思われたみたい。
こんな、子どもみたいな身長の私がドラゴンに攫われて生きているわけないよね?笑
「タオルと砂糖は、今出したものだけですね」
わざわざ、今後さとうきび栽培を行なうことを告げることはないよね?
セシリアさんとの信頼関係を築けていない。
それに商人にとって情報は大切だと、異世界物の小説ではよく聞く。