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モブだった僕はヒロインを救う  作者: 永井 誠
彼女との出会い
4/5

下っ端、ヒロインを家に上げる

あの後、あの場で起きるのを待っている訳にはいかないからとりあえず僕の家に上げて普段使わない来客用の布団を敷いてそこに女性を寝かしておいた、、じょ、女性を家にあげちゃったよ!、しかも寝てる女の子を!

ど、どどどうすればいい!?

なにかお菓子とかあった方がいいかな!?それとも料理とか!?いやまずはお風呂を沸かしといて

「お嬢さん、お風呂湧いてますよドヤァ」

明らかに普通じゃない上にますます警戒しそうなんだけど!?

ならどうする?

あ、そういえばこの子の服、所々破れてる

服とか用意した方がいいかな?いやその前に何か上から羽織るものの方がいいかな?

ちょうど真っ黒な上着のパーカーならあるからそれを上から着てもらえば多少は隠せると思う

え?なんで真っ黒なのかって?そりゃあ、察してくれると助かります

えーっと他には他には?


「ん、んぅ?」


ん?そろそろ目が覚めるのかな?

えーっととりあえずパーカーは被せてあるし、、しまった!ほかに何もやってない!なにか不味いことしてないことを祈ろう、そしてできるだけ不安を与えないように笑顔で、笑顔笑顔


「気が付きましたか?」

「ここは、、!!」


彼女は僕を見た瞬間にすごい勢いで後ずさった

結構離れた、、悲しいなぁ

起きたら笑顔の男性の顔なのも十分アウトか、な?


「ぁ、、貴方はさっきの」

「どうも、下っ端A的な立ち位置の者です」

「は、はぁ」


ぐ、反応が弱いな

ちょっとしたジョークで和ませようとしたのが間違いだったか


「えっと、ここはどこですか?」

「ここ?僕の家」

「!!」


それを聞いた瞬間彼女は自分の今の姿を見て

急に顔を赤くして自分の体を抱くようにしながら


「わ、私が寝てる間にな、な、なにかしたんですか!?」


と、悲鳴じみた叫びを僕にぶつけてきた

当然僕は何もしてない、、はず

まさか本当にやらかしてたりするのかな!?


「な、何もしてない!してない、、はず!」

「なんで最後の方自身がないんですか!?」

「女の子を家に挙げたことなんてないから僕の知らないところで何かやらかしてるかもしれないだろ!?」

「じゃあ質問を変えます!私の体になにかしましたか!?」

「してない!断じてしてない!」

「そ、そうですか、なら良かった」


疑いが晴れてよかったよかった

疑いが晴れた所で僕はずっと彼女を見た時から言いたかったことがある、それは


「あの!」

「な、なんですか」

「傷の手当させてください!」

「、、、え?」


いやさ、もうずーっと気になって気になって

目の前の女性が傷だらけで自分の家だから治療用の絆創膏だの色々あるのに何も出来なかった歯がゆさ、だって寝てる女性の肌に触れるとか難易度高すぎるんだよ!無理に決まってるじゃん!見るだけでも恥ずかしいんだよ!


「それは、あれですか?『君の傷を治してあげたんだから貸1つ、だぞ?』的なやつですか?」

「いやしないよ?あとそのイメージ誰?」

「すいません、つい」

「いや、きにしなくて

「つい悪役によくあるシチュを思い出してしまいました」

「僕って悪役なの!?」

「違うんですか?」

「違います!」


確かに悪の組織にはいたけど!

僕自身はもう悪じゃない!


「あ、お礼がまだでした」

「え、お礼?」

「はい、あの時は助けてくれてありがとうございます」

「いや、気にしないで僕も助けられたから」

「??えっ、、と何故?」

「うーん、とりあえず長くなるから傷の手当をしながらでいいかな?」

「は、はい」


えーっと確か救急箱はこの棚だったよな

あったあった、やり方よく知らないけどどうすればいいかな?

とか思いながら救急箱を持っていくと彼女はあたりをキョロキョロと落ち着き無く見ていた


「どうかしたの?」

「ひゃっ!」

「ひゃ?」

「な、なんでもないです」


彼女は赤面しながら僕から視線が会わないように逸らす


「まぁいいかとりあえず消毒液とかガーゼとか色々あるけどこれでいいかな?」

「は、はい」


返事は貰ったので消毒液片手に彼女の傷の場所に手を伸ばして

バッ!


彼女は少し青ざめた表情で怯えの混じった目で僕を見つめ、僕の手から逃げていた

だけどそれはほんの僅かな間だけですぐに申し訳なさそうに僕に傷ついた腕を向けてくる

僕はなぜ避けられたかが分からないわけじゃない

けれど今はあまり考えないようにしよう


「いっっつぅ」

「あ、ごめん、染みるよね」

「い、いえ大丈夫ですよ 続けてください」

「うん、わかった」


彼女の腕はとても綺麗で真っ白で細くて触っててふわっとする、それだけにこの傷が酷く目立つ

僕はその傷を絶対に跡に残さないように決心する


「あの、それで何故あなたは私に助けられたと言ったんですか?貴方はあの組織の人、私に邪魔としか思わないはずなのに」

「そうだねぇまずは僕がなぜあの組織にいたのかから教えなきゃね」


ガーゼを消毒した傷に当てながら僕はあの時の、悪の組織に入った時のことを思い出す


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