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20話 夢の中で


 唐突に、俺は真っ暗な空間に立っていた。



 え?



 一瞬、なぜ自分がこんな所にいるのか分からなかったがそういえば文川さんをかばって腕から大量出血してたのをすぐ思い出した。


 慌てて腕を見てみると制服は破れているものの、傷のあった箇所はすっかり塞がっているようだ。


 念のため、指を握ったり肘を曲げたりするが痛みもないし、問題なく動く。



「治ってる……? うーむ、これは一体どういう……」



 あっ!! 



 急に嫌な考えが浮かんじゃったぞ!!


 俺、もしかして死んだのか!?


 出血多量とかで!!



 えええええ、マジすかあああああ!?


 それじゃここはあの世……?




 いやいやいや待て待て……。



 ええぇぇ本当にぃぃぃいい!?



 俺は困惑しつつ辺りを見回す。


 実は死んだと思わせて暗い部屋の中にいるだけじゃないかみたいな、よく漫画などである『主人公が自分を死んだとカン違いするパターン』を思い出して色々と調べてみる。


 とりあえず足元を触ってみる。


 何もない。 (さわ)れない。



 えええ!?


 

 足の下の床があるはずの部分を触ろうとするも指に何も当たらない。


 ということは足元に何もない空間に俺は立っている事になる。


 いや、立っているというか浮いてるのか?



 はい、ここがもう普通の空間じゃないことは確定的です。



 そうだ、ちょっと叫んでみよう。



「おおーーい!! 誰かいませんかぁあーーー!!」



 ……。



 特に返事も何かしらの反応もない。



 じゃあ、ちょっとどこかに向かって進んでみようかしらと歩き出そうとするが床がないので進まない自転車のペダルを空回ししてるみたいだ。


 うまく移動できずにその場でジタバタするだけになってしまう。



「こりゃ……まいったなぁ」



 10分くらい何かしてみようと色々試してみたが、何も起こらない、何も出来ない、どこにも行けない。



 これは本当に詰み、ってヤツかも知れないな。



 はぁ……。



 もしも……死んでたとして、これからどうなるんだろ……。



 死者の国とかあって楽しく過ごせるならいいけど、ずっとこんな真っ黒な空間で一人で漂ってるだけとかツラすぎるんですが?



 そういや日本の両親的には帰れなかった俺はどういう扱いになるんだろう。


 行方不明扱い?


 まぁ出来のいい兄貴が二人もいるし、その辺の悲しい感はなんとか埋め合わせ出来るだろう。


 二人とも大学で彼女作ったらしいしな。


 いつか孫でも出来て、俺の事なんてたまに思い出すくらいの懐かしの存在になってくれると気楽なんだが。



 心配なのは文川さんだなぁ。


 俺の両親には他にも家族がいるが、彼女はこの世界で一人きりだ。


 アトラスやシュペットちゃんとうまく協力して、異世界でうまくやっていってくれるといいんだが……。


 うーん、でも彼らとは知り合ったばかりだしなぁ。


 スケルトン討伐が終わって街に戻ったら、それっきりかも知れん。



 となると、早く誰か頼れるパートナーが見つかると安心なんだが。



 願わくば文川さんの事を心から大切にしてくれる男と出会って、どうか幸せになってくれ。



 文川さん……。



 文川さん。




「文川さぁああーーーん!! 好きだぁああああーーーっ!!」




 ふぅ、言ってやったぜ。



 なんか少しだけスッキリしたな……。




「っぷふぅーっ!! あははっ!!」



 え!?



 突然、後ろから笑い声が聞こえたので焦って光よりも早く振り向くと白く清楚な布の着衣をまとった美女がいた。


 真っ暗な空間の中でその身体がうっすらと光を放っている。


 とりあえずタダ者ではない何らかの存在だということは素人の俺ですら感じとれた。



「いや、あの、ごめんなさいw。私、基本ヒマなので『この人なにか面白いことやらかさないかなー』って放置してたらまさかの愛の告白www。やっちゃいましたねー、あーあwしーらないっと」


「え? えっ、ちょっとやっちゃった、って何がですか。俺は何をやっちゃったんですか!?」



 目の前に突如現れた謎の女性に、聞きたいことは山のようにあったがとりあえず自分がやらかした事がすごい気になった。



 『文川さん好き好き』発言関連で何かやらかしたとしたら場合によっては切腹ものだゾ?



 そんな焦りまくってる俺を見て愉快そうに説明してくれる美女。



「まずネタバレしちゃうと貴方は生きてますよー。お仲間さんたちに街まで運ばれてポーションで治療したのち、今は宿屋のベッドで目が覚めるのを待ち状態。あと半日も休んでいれば意識も戻るんじゃないですかねー」


「え、マジすか。やった、やりぃ!」


 とりあえず生きてたことは素直に嬉しかった。



「で、そんなことより俺は何をやらかしたんですか」


 生きてた事よりソッチの方がすげー気になるぜ。



「あ~、やっぱり気になります~? 気になっちゃいますぅ? でもでも世の中には知らない方がいいこともあると思うケドな~?」


 くそ、この人すげぇ楽しそうだな!



「くふふ。えーとですね、怖い夢とか見て夢の中で大声で叫ぶと、実際に寝てる自分も大声で叫んじゃうことってあるじゃないですか。いわゆる寝言的な」


「ああ、分かります……」


 ん?


「あっ? もしかしてさっきの……!?」



「はいっ! フミカワさん好きだー! ってバッチリきっぱり寝言で垂れ流れちゃってましたよ! そして寝てる貴方につきっきりで見守ってるメガネの女のコもバッチリしっかり聞いちゃってましたよブフゥーッwwwww」



 はい?



「め、めガねノおんなノコが文川さん好きだー発言ヲ聞いてタンでスカ?」


「そうそう! 絶ッッ対に聞いてました確実に!」



 ぐおおおおおおメガネの女のコって文川さんしかいねぇじゃないですかーーー!?




「うぉおおえええっ!? ちょ、ま!? えええ!!? お、えええええ!?」



「おちつけ少年wwwww」


 

 俺が慌てふためいていると白い布の美女はおかしくておかしくてたまらないといった感じでゲラゲラ笑いだした。



「いや、なに笑ってんですか!? あなたが俺を放置プレイしなきゃあんな世迷い言ほざかずにすんだのに!!」


「あらあら、世迷い言なんて言っちゃダメですよ? メガネのコも満更でもない表情だったのに~」


「それマジですか!?」


「ごめんなさーいウッソでぇーすwwwwwなんかねー、すっごい複雑な表情だったかなーアレはwww」


「ぐぬぬ」



 複雑な表情ってなんなんだ、どういう事なんだ、少なくとも文川さんは俺の事を嫌ってるワケじゃないとは思うが、さっきキスしそうになった時の『嫌!!』の印象が脳裏に焼き付いていた。



 もちろん俺の出血を見ての言葉だとは理解してるが……もしもう一度キスしようとした時に『嫌!!』と言われない補償はどこにもないのだ。



 ゲームやラノベの話で盛り上がるオタ友達としてはいいけれど、恋愛対象としてはまったく見れないっていう男女の話とかネットで見たことあるからな~。



 ああああああああああああああああああああああ……。



「なになに? 黙ってちゃ分からないゾ? 悩みごとがあるならお姉さんに話してみそ?」


 なんかすっげぇフレンドリーになってきたな、この人。


 30秒くらい前まで一応、丁寧語で喋ってなかったか?



「というか、お姉さんは誰なんですか?」


「ハッ……? 恋バナが楽しすぎて何もかも忘れてました」



 お姉さんは両手の指をパチンッ!! と鳴らす。



 すると



 サァアアアアアアッと足元に草原が爽やかな風とともに地平線の彼方まで広がり、天には澄みきった蒼空、太陽に照らされ光輝く白雲。


 風とともに美しい花びらが舞い散り、なんかアルプス山脈の麓みたいな大自然の中に俺はいた。



「おっめでとーございまぁあああすっ!! 初心者ミッション達成ボーナスでぇーっす!!」



 お姉さんは両手に持ってた紙吹雪をバンザイするようにパッと撒き散らしてたぶん俺を祝福してくれた。



「や、やったー」


 俺はノリに合わせてとりあえず棒読みで喜んでみる。



 でもよく分からんので正直に聞くことにした。


「あの、すみません。なに1つ分からないんですが」



「でしょうね~。でもでも大丈夫!! 今からこのガチャの女神マリアリスが懇切丁寧に説明しちゃいますよ~」


「えっ!?」



 ガチャ!? ……の女神!?


 ソシャゲだとゲーム中、課金したりボス敵を倒したりするとガチャを回すチャンスが再び巡ってくるのに、この世界では異世界に召喚された際にガチャ1回まわしてそれっきりなのかよとずっと思ってたが、やっぱりあるのか!?


 ガチャを再び回すチャンスが……!!



「えーと、とりあえずコレどうぞ」


 俺がうぉおおおっと内心、盛り上がっているとガチャの女神マリアリス様は光輝く紙切れを3枚くれた。



「これは?」


「あなたは初心者ミッションのうちの『死にかける』『魔物を1体討伐する』『ガチャ武器のレベルを1上げる』の3つをクリアしてるのでガチャチケットを3枚もプレゼントしますね」



「ガチャチケット! それって1枚で1回ガチャを回せるってヤツですよね?」


「はい、そういうヤツですよ~」



 おお! 3回もトライ出来るなら今度こそSSR武器を引き当ててやるぜ~ってそんな甘い確率じゃないんだろうな~。


 まぁせめてSR武器でも出れば御の字ってトコだろうが……。



「……アレ? でも何故このタイミングで? スライム討伐とかファイアバゼラードのレベル上げならもっと前に終わってるハズですけど……」


「それは初心者ミッション報酬配布のトリガーが『死にかける』だから、なんですね~」


 死にかけることが引金(トリガー)



「……えっと、それってつまり、どれだけ他の条件を満たそうと1回死にかけないとその初心者ミッションの報酬ってのは1つももらえないって事ですか」


「はい。実際、あなたと一緒に召喚されたお仲間の中にも魔物を討伐した方はいますが、死にかけた方はいないので誰も報酬は受け取れていません」

 

「へぇ~、じゃあ俺が初めてなんですね! なんか嬉しいな」



「具体的には、最大HPの32分の1までHPが減らないとミッション達成にはなりませんからね。普通はそこまで体力が減る前に戦線離脱するか、もしくは死亡しちゃうのでなかなか達成するのが難しいミッションなんですよ?」



「それ、もっと緩和できないんですか?」


「はぁ……私は緩和したいんですけど『上』が……その、ごにょごにょ」


 女神さまはまさしく言葉を濁した。



 ソシャゲでも、プレイヤーに無料(タダ)で強力アイテムを渡してなるものかとあの手この手でゲームの運営会社が締め付けを行うが、異世界でもその辺のガチャ事情は変わらないらしい。


 まぁ世界のパワーバランスを崩すような強力なアーティファクトをポンポンばらまきたくないって所だろうか。気持ちは分からないでもない聞き分けのいい俺氏。



「ちなみに俺がまた別のミッションを達成したらどうなるんですか?」


「貴方は一度、死にかけたのですぐ受け取れますよ。その時は今みたいに眠っている間にお渡ししますね。ミッション内容はヒミツですが、常時追加されていきますのでガンガン、ガチャチケットをゲットしちゃってくださいね」


 おお、思わぬカタチで最強への道が再び見えてきたぜ。



 いや~、でも……最強ねぇ?



 正直、死ぬってことを少し軽く考えてたが……俺が死ぬって事は文川さんをひとりぼっちにしてしまうって事なんだよな。


 この異世界でたった一人で生きていく事になってしまった彼女を仮に想像してみると、最強を目指して危険な橋を渡ることに躊躇(ためら)いを感じる。


 まぁでも当面は生活費を稼ぐために魔物と戦わなきゃならないし、強くなって損はないか。



「女神さま、それじゃ早速ガチャチケットを全弾発射したいんですけどよいですか?」


「よいですよ~」



 女神さまがササッと手をかざすとカカッと辺りが真っ白になり、光がおさまると草原の中に石柱で囲まれた古めかしい祭壇が出現した。


 そして、その真ん中には巨大で透き通った水晶がうっすら輝いている。


 俺はその水晶の輝きに見覚えがあった。



 異世界召喚されたあの日、エルファスト聖王城の儀式の間で勇者召喚ガチャを行った時に見た水晶だ。



「では、チケットを1枚ずつ(ちょう)ガチャ(せき)に押し当ててください」


 超ガチャ石……なんて頭の悪そうなネーミングなんだと内心、ディスりながら言われた通りガチャチケットを水晶に当てる。



 すると……超ガチャ石がまばゆく輝き始め、シュパァアアアアンンッ!! と一瞬、辺りが真っ白になり、目を開くと空中に光を放ちながら薄汚れた包帯みたいなのが出現した。



「なんだこりゃ?」




『R武器、大地のバンテージを手に入れた!』



 うおっ、とビックリした。


 そういや、以前ファイアバゼラードを手に入れた時も謎のアナウンスが脳内に響いたんだっけ。



「う~ん、やっぱりR武器か~。大地のバンテージ? なんか土属性武器っぽいけど……」


 ヨレヨレの包帯を(いぶか)しげに見ていると、女神さまが助言をくれる。



「土属性武器は体力上昇効果があるのでそれをセットすると武器レベルに応じて怪力になったりスタミナがついたりしますよ」


「えっ、それ結構いいじゃないすか!! ちなみに他の武器と併用できるんですか?」


「ガチャ武器は10個まで同時にセットできますよ。10個目までは自動的に武器の能力が貴方のステータスに反映されて11個目以降は貴方の頭の中で『あの武器とこの武器をセットしたい』って考えれば任意の武器をセットできます」


「へぇ~……」


 どうも話を聞いてるだけじゃピンと来ないが、ゲームもやってるうちに分かってくるもんだしな。


 とりあえずどんどんガチャを回すぜ。



「SR来いSR来いSRでいいから来い!! ……ごめんなさい本当はSSRに来てほしいです……!!」


「ちなみにSR出現確率は8%、SSRは1%でーす」


「SSR絞りすぎじゃないですかー!?」



 俺の絶叫とともにシュパァアアアアンンッ!! と登場したのはパリパリっと電撃が(ほとばし)る紫色の槍。




『R武器、紫電(しでん)の槍を手に入れた!』



 くそっ、見た目はカッコいいけどまたR武器か。


 まぁでも10個までは武器の能力が俺のステータスに反映されるっていうんだから無駄にはならないだろう。



「ちなみにその武器は光属性なのでセットすると貴方の肉体を光の粒子に変換します」


「えっ、そんな事になって俺の身体、大丈夫なのですか?」


「あまり難しく考えないでいいですよ。肉体が光に近づいた分、身体が軽くなり、物理ダメージも軽減します」


「うおっ、それまた便利だ……」


「まぁR武器ですからね。過度の期待はしちゃダメですけど」



 ですよねー。


 というか土属性R武器や光属性R武器ならクラスの連中も持ってたしな。


 アイツらがそんなにすごい能力を持ってた記憶はない。



「となると……やっぱりSSR武器を引き当てるしか!!」


 俺は最後のガチャチケットを超ガチャ石に押し当てた。


 文川さん、俺に力を与えてくれ……!!




 シュパァアアアアンンッ!!




 まばゆい光の中から現れたのは刀身が真紅に染まった炎の短剣。




『R武器、ファイアバゼラードを手に入れた!』



「かぶりじゃねーか!?」



 俺は2本目のファイアバゼラードをゲットして咆哮した。



「あらら、R武器って120種類もあるのに4回目でかぶるなんて強運ですね」


 女神さまがニヤニヤした顔でニヤニヤした。


 くそっ、ニヤニヤしすぎでしょ!!



「ハァァ……なんか悔しいけど無意味ではないんですよね? 武器10個まではステータス上がるんだから」


「というか真面目に運いいですよ? 同一武器なら限界突破できますからね~」



「限界突破!! そんなのもあるのか!!」



 限界突破というのはソシャゲでよくあるガチャかぶりの救済措置だ。


 ガチャを回していると欲しいアイテムをガチャで引き当てるまでに、いらないアイテムが何個もかぶったりする事がよくある。


 その時、かぶったアイテムを合体させることでパワーアップさせることが出来るのである。



「じゃあ、このファイアバゼラードも合体させれば強くなるんですか?」


「R武器は魔石を使ってもレベル20までしか成長しません。でも限界突破することでレベル上限を40まで引き上げることが出来ます。ちなみに限界突破してないSSR武器の上限が40なので……」


「も、もしかして俺のファイアバゼラードはSSR並みに強くなるんですか?」


「まぁ……あくまで限界突破してないSSR武器並みには、という事ですが」



 うぉおおおっ、それって凄くない!?


 というか、大地のバンテージと紫電の槍のステータスも上乗せしたら俺、風間くんより強いまである?



 ……いや。あまり調子には乗らないでおこう。


 

 風間くんより強いとしても、そもそも今にして思えば彼は正直、この世界では大した存在じゃなかったような気がする。



 風間くんより強いとしてもドラゴンなんかに勝てないし、あの森にいたウェアウルフと1対1で勝てる気もしない。



 うんうん、ここは謙虚にいこうじゃありませんか。



 俺は文川さんと平和に楽しく過ごせればそれでよいのだ。

 



「さて、渡すものも渡したしガチャも回すだけ回した事ですし、そろそろお別れですかね~」



 心なしか女神さまが寂しげに微笑んだ。


 そういえば最初に「基本、ヒマ」みたいに言ってたが俺がいなくなったら、する事なくなるんだろうか。


 楽かも知れないが、寂しい立場なのかも知れないな。ガチャの女神ってのも。



「あのー……まだちょっと分からない事があるんですけど」


「あら、説明不足な部分がありましたか? この機会になんでも聞いちゃってください!」



「……俺は目を覚ましたら、どんな態度で文川さんに接したらいいと思います?」


「えっ」



 この期に及んで、そんな質問が来るとは思っていなかったのだろうか。


 目を大きくして俺の方を見る。





 そしてガチャの女神さまは嬉しそうな顔をした。





「んん~? そうだね~。とりあえずフミカワちゃんはキミの事をすっごく心配してたのは確かだからね~。好きだの愛してるだのは置いといて、まずは元気なところを見せて安心させてほしいかな、お姉さん的には!!」


「お、おお……! 意外とマトモなアドバイス!」


「意外とは失礼な!!」



 なんか女神さまがこんなくだらない事で結構、本気のツッコミをしてきたのが妙におっかしくて俺は思わず吹き出してしまった。


 彼女も「もうっ!」と拗ねるそぶりを見せたものの、すぐにクスクスと笑いだす。



「あー楽しかった。それじゃ本当にサヨナラです! ですが、貴方にはまだまだ言いたい事があるのでまたミッション達成して会いに来てくださいね、必ずですよ!」


「了解っす!」



 そう言って女神マリアリスが手を振るのを眺めながら、俺の視界はだんだんと真っ白になり、意識が薄らいでいった。



 しかし出血多量で闇の底に落ちていった時とは違い、とても心地よい、天にも昇る気持ち……だっ……た……。

 

いつもブクマありがとうございます!

土日は忙しいので更新が滞るかも知れないですが

クリスマスとは関係なくお仕事なのでブクマ評価などよろしくお願いしまう(?)

今作は切りどころが分からず1話1話が長くなってしまう症候群です。

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