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Chapter42 謎の服装


ミカエルさんが他の大天使に話を付けるまで、また、対策は持ち越しとなった。何処にいるかわからない大天使を探しに行くと言っていた。いつになるやら……


「ぷっはぁぁ〜、ようやく気楽になったぁ……ミカエル様マジ怖かった〜これからなぁにしよっかなぁ〜。」


ナミエルは深く息を吐き、前屈みに両ひざに手を付いて、安堵の表情を見せている、


そういえばナミエルちゃんは置いて行ったんだった。

ナミエルちゃんにとってミカエルさんは本当に恐怖の対象なんだろうな。


「ナミエルちゃんは、ちょっと城下町を探索してくるよぉ〜。あー、圭ちゃん、そんな寂しそうな顔しないでよぉ〜ん!」


ナミエルちゃんは俺の顔を指差した後、抱き着くように体を密着させてきた。


「ばっ、し、してねぇだろー!」


俺は顔を赤くし、目をそらすように天井を見る。


カルミナが俺をジト目で見てくる……

俺は決してナミエルちゃんの巨にゅ……ナミエルの顔に向けて寂しそうな顔などはしていない!


「晩ごはんまでには戻ってくるからぁ〜ご馳走用意しててねぇーん! んじゃ、まったねぇ〜!」


ナミエルはペタペタと歩きながら、後ろ手を振っていた。本当にナミエルちゃんはマイペースだ。


ナミエルちゃんは、さっさと行ってしまった。

よし、とりあえず俺は着替えたい。兎にも角にも一目散に無我夢中に、まずは着替えたい!


「部屋に戻ろうぜ、カルミナ。」


俺はソワソワと、側から見ると、まるで落ち着きがない子供のようだった。


「うんっ、あ、先に戻ってていーよっ。私ちょっとヴァイスに用があるから護衛団に寄って帰るからぁ。」


カルミナは扉を開けながら、来た方とは逆を指差し、そちらへ向かって歩き出した。


俺はこの部屋を出て、王室に戻るまでに出来るだけ人目に触れたくはなかった。

だが、この城の中でもっとも見られてはいけない奴に会ってしまった。


「あー、こんな所で何してるんですか圭ぽ、ぶふぉ!」


ミサは片手を上げ、挨拶をした手で直ぐさま吹き出した口を覆った。


よりに寄って1番見られたく無いミサに…

こいつなら遠慮無く俺を笑うのは分かっていた。


「にゃはははっ、な、何なんですか、その格好は!

いーっひっ、く、苦しい〜私を笑い殺す気ですかぁ……」


ミサは笑い転げ、苦悶の表情で、のたうちまわっている。


く、くそぅ……転げ回ってるこいつを今すぐ蹴り上げてやりたいが、逆の立場なら俺も全く同じリアクションを取りそうだ……今日は堪えてやる!


「いひひひ……ち、ちょっと待って下さいよ、ブッ……

え、襟巻き短パンが走ってにゃはははっ……」


走り去る俺を見ながら、ミサはお腹を抱えゴロゴロと転がっていた。


俺は走った。ひたすら走った。

涙が溢れないように上を向いて走った。


部屋に戻り、謎の服を脱ぎ去った。そして、いつもの私服、俺が元の世界から着て来たシャツに袖を通す。

俺のシャツはこれまでに何度か破れ、いや斬られていた。

俺は1度もお願いはしなかったのだが、カルミナがそれを見つける度に、決して得意ではない裁縫で縫い合わせてくれていた。

カルミナはそれを自分からアピールする事も無かった。


「ふぃ〜、これこれ! やっぱりこのシャツが1番しっくりくるぜ。カルミナはヴァイスさんの所なんだよなぁ……俺はどうすっかな。んー、そうだ。」


俺は着慣れたシャツに袖を通し、短パンから長ズボンにジョブチェンジしたあと、ポケットに手を突っ込んで考えていた。そして閃いたように手を叩く。


俺は、この先一緒に闘う事になるであろう騎士団の人達に会いに行ってみる事にした。

顔も知らない人達といきなり一緒に闘うよりも、あらかじめ顔見知りになっていたほうが絶対にいいはず。


王室を出た俺は、騎士団の詰所に向かい歩き出す。


「えーっと、あー、ここだここ。そういえば今日非番の騎士団はどこの団なんだろう。」


俺は詰所の中を、はたから見れば不審者丸出しの表情でキョロキョロと覗き込む。


うわぁ……なんてむさ苦しい部屋なんだ……

ガチムチの男ばっかじゃねぇかよ……

えーっと、何何? 今日は第8と第10騎士団が非番みたいだなぁ〜。


「誰だ、貴様は! 騎士団を覗き見するとは不届き千万。ひっ捕らえてくれるわっ!」


1人の女騎士が背後から俺に声を掛け、その女騎士は俺の襟を掴み、顔を近づけ凄んできた。


「おわっ、ビックリしたぁ……い、いや、これから一緒に闘う騎士団さん達にご挨拶でもと……」


俺は両手を顔の付近でヒラヒラさせ、敵意が無い事を女騎士に示した。しかし、この女騎士がなかなかに美人。余りにも顔が近く、俺は顔を赤くしてしまう。


「フン……よく見たら、見た事のある顔じゃあないか。

あんた、確かカルミナ王の婚約者だな。」


女騎士は襟から手を離し、腰に手を当てこちらを睨んでいる。


お、女の騎士? よく見たら鎧も並の騎士よりも豪華だぞ。もしかして、騎士団の女団長なのか?


「私の名は、ディアン。第3騎士団団長だ。先に言っておくが、私はあんたを信用していない。仲間だと思わない事だな。」


片手は腰のまま、もう片方の手で俺の顔を指差し、俺を睨み付けたまま強い口調で言い放った。


「……いやぁ……それにしても綺麗な人だなぁ……」


あ、ヤバい。心の声が口から勝手に出ちまった。


「……ち、ちょっ/// い、いきなり何言ってんのよっ!

そ、そんな簡単な言葉なんかで私はあんたを信用なんかしないんだからねっ///」


女騎士の顔が真っ赤になり、横を向いて前屈みになりながらもチラチラとこちらを見てくる。


はい、ツンデレ属性きたーっ!


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