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人類滅亡!悪魔に恋を!  作者: まさおさま
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ウテナ




挿絵(By みてみん)


2016年から、2017年。

時は、確実に、進みゆく。


世界情勢を俯瞰してみる。

人類は、ゆっくり滅亡に向かっている。

このままなら、もう間もなくだろう。


概ね、予定通り。

神の計画は、滞りなく進行中。


日本は、平和だ、と、言える、そんな、世の中。


2016年の大晦日、執筆開始。


出逢ったのは、昨年の2015年。

秋から冬に季節が、変わろうとしていた時。

悪魔に出逢った。


そして、恋に堕ちた。


十年ほど前、精神的に死んでいた。

幾つかの恋を経て、復活した。


そして、探し求めていた。

理想の女性を。


大学時代、夏合宿において、聞かれた事が、ある。

まき先輩から、理想の女性は?と。

考えて考えて考え抜いてから、こう答えた。


「イイオンナ」

良い女!?善い女!?好い女!?

何とも、アバウトで、大雑把な答えをだした。


経験不足。

それ以外の何物でもない答えだ。


そして、経験を積んだ後、結婚。

相手は、普通の「いいおんな」

普通の幸福な人生を、歩み、普通に、終焉。


価値観の相違。


裁判には、至らなかった。

相手の言い分を、全て受け入れたから。

争うべき部分が、ないのだから、必要無かった。


多額の借金やら、慰謝料やら、なんやら。

全てどうでもいいことだった。


相手が、どうしたいのか?

それが、全てだった。

男として、後は、受け入れるだけ。


正しいかどうか。

男としてどうか。

正男としての生き方であり、行動原則。


結婚生活について、ただ、感謝の気持ちが、残った。


人生の終わり。

肉体は、まだ、生き続けていた。

リビングデッド、生ける屍、そんな状態。


自己破産せずに、借金返済への道程。

苦しさ、辛さ、寂しさは、感じない状態。


タクシー会社に、入り、もうすぐ10年。


入社してからも、生ける屍の状態。

トレーニングセンターで、三ヶ月。

同期の中で、売り上げは、トップであった。


伏見営業所に、配属となった。

売り上げ成績は、上から数えた方が、早かった。


早めに、出庫して時間一杯、営業。

休憩もあまりとらない。

月間拘束時間の限度まで、働いていた。


営業時間に、比例して、売り上げ数字は、変動する。

営業時間を、増やせば自然と、数字も増える。

ただ、それだけの事。


心、精神、魂が、無い状態。

言われたとおりに動く人形。

自律思考や、感情が、欠落したマシン。


ただ、会社に行って働いて、帰って休息。


バイクとの接触事故まで。


物損だった。

バイクは、転倒することも無かった。

していれば、重大な人身事故となった可能性もある。


それから、1年間何事もなく、過ごした。

もし、何かあれば、退職。

社内規定で、そう定まっていた。


それから、月日が、漫然と過ぎた。

売り上げ数字は、良くもなく悪くもなく。

中程から下程の位置へと、落ちついていた。


眠っているような、思考停止状態。

自分は、何者なのか?

何の為に、生きているのか?


ただ、借金返済するだけの存在。

そして、いずれ、やってくる肉体の死。

それを待つだけの存在。


人は、死ぬ。

人間は、いつか、必ず死ぬ。

人類も、やがて、滅亡する。


人生は、終わったのだ。

全て終わりで、後は、眠ればいいだけ。

何も考えず、安らかに、そして、永遠に。


目覚めの時は、突然やってきた。

夜勤のタクシードライバーをしていた最中。


二週間の恋。


まだ、生きているという実感。

生きる喜びを、与えてくれた奇跡。


再び、この世に、よみがえった。

復活を、とげた。

思考も、記憶も、徐々に、戻りつつあった。


だが、まだまだだ。

足りない。

全然、足り無い。


何がって?

決まっている。

「アイ」


手に入れるには、どうすればいいか?

恋をするしか無い。


恋。

生まれては、消えてなくなる運命。

無数に、生まれ、そのほとんどは、すぐに消滅。


生滅する恋に、同じものは、一つとして存在しない。


幾つかの恋を経て、自覚する。


自分が、何者だったのか、を、思い出した。

この世の王だ。

全宇宙の王。


みんなそうだ。

生きるもの全て、それぞれ、この世の王。

そうして、生まれてきた。


だけど、みんな忘れていく。

次々に、そして、全員忘れていった。


まさお、反対にすれば、おさま。

王様とよめる。

子供の言葉遊び。


まさおおさま、正王様。

正しい王とは?

王としての正しい自覚を、する者。


そして、正しい男として、生きた。

最初から、男としての意識が、あった。

男としての正しい道。


この世を、ユートピアに。

王としての成すべき事。

そして、みんなの夢でもある。


だが、どうやって?

いかにして?


中学生の頃、考えても分からなかった。

分からない原因は、情報不足。

人、人間、人類、その他についての情報不足。


人生とは、何かを、つきつめれば、経験。

人として生きる経験。

人として生きた経験。


いつまでに?

いつ?


この問いには、中学生の頃に、答えは、出ている。

第三次世界大戦までに。

第三次世界大戦前夜。


歴史の時間に、習った事だ。

第三次世界大戦が、起これば、人類は、滅亡する。


今は、もう、あの時とは、違う。


さて、ユートピア創造の為には、どうすれば良いか?

平和な革命を、起こせば良い。

革命による、人類の革新。


人々に王となってもらう。

王としての自覚を持ってもらう。

人としてのレベルを上げていけばMAXで、王だ。


仏でも良い。

生まれてくる子は、みんな仏様。

死んだらみんな仏様。


死ぬ前、みんなで、仏に。


それが、無理なら、なんでも良い。

鬼でも動物でも妖怪でも何でも良い。

それで、人類は、滅亡となる。


諸問題のほとんど全ては、これで、消える。

原因の全ては、ヒューマンエラーなのだから。


そんな訳で、探していた。

この世をユートピアにする事は、奇跡。

それが、定説だ。


必要なのは、お相手だ。


恋愛には、基本、男と女が、必要なのだから。


恋愛は、目的では無い。

恋愛は、手段だ。

この世に奇跡を起こす為の最終手段。


理想の女性を、探し求める。

探すしかなかった。

だが、条件が、厳し過ぎたのか、いない。


時間が、過ぎる。

そう、問題なのは、時間。

時間こそが、問題だった。


諦めたりは、しない。

する気も無い。

諦めたら、そこで、終了。


諦め無いのが、男だ。


時は、刻み続ける。

確実にその時に向かい続ける。


思考と行動を、繰り返す。


京都が、探索地から消える。

祇園や繁華街、神社仏閣、各種会館。

探し尽くすだけ探し回った。


家の近辺も探索し尽くした。


論理思考を、推し進めた。

結果、残された場所は、唯一。

時間もそれほど、残っては、いない。


そこで、見つからなければ、次は、無い。

最終探索地。


京阪の淀屋橋駅から、徒歩で向かった。

この駅が、京阪電車の終着駅の一つだ。

地下鉄には、乗らず周辺を、観察しながら。


途中で、そこの地図を、手に入れた。

それから、その最終探索地へ。


端から端らしき所を、歩く。

そして、中心に向かう。


この辺かな?

歩き疲れて喉が渇いている。

ちょうど、良い頃合いに、喫茶店。


お屋敷のトビラの前で、中の様子を伺う。

すると、中から、女性が、出て来てくれた。

中へと案内してくれる。


ちょうど、空いてる時間帯なのか混んでいない。

初めましての挨拶の後、彼女は、名乗った。


「アクマでメイドのウテナと申します」


会釈するその頭上には、ツノが、二つ。


「悪魔?」


「はい、悪魔です」



挿絵(By みてみん)



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