第4話 言いたいことがあったらすなおに言おう
ジニーとユーリは今日はなかよく手をつないでおさんぽしています。
これからどこへ行くのかな?
「今日は2人でぼくの友だちのトニーの家に行くんだ!」
「すごく楽しみ! だけど……」
ユーリは声をはずませていましたが、少し不安そうです。
ジニーは「どうしたの?」ときいてみました。
「おにいちゃん、女の子もいるの?」
「いるよ」
「わーい!」
「だから、安心してね!」
「うん!」
女の子がいるかどうか不安そうなユーリをジニーは頭をやさしくなでながら、言いました。
そのことを聞いたユーリはとてもうれしそうです。
「あともう少しでつくからね」
「はーい」
ジニーの友だちの家はあともう少しです。
そのことを知ったユーリはきんちょうしながら、ジニーのあとをついて行きました。
♡
「「こんにちはー!」」
「こんにちは、ジニー。となりにいる女の子は?」
2人を出迎えてくれたのはトニーのお母さんです。
「ぼくの妹のユーリだよ。ユーリ、トニーのお母さんにごあいさつして」
「……はじめまして……ユーリです」
「もじもじしててかわいいわねー。ユーリちゃん、よろしくね」
「う、うん」
「それじゃあ、上がって、上がって!」
「「おじゃまします」」
ジニーとユーリはトニーの家に入りました。
3人はかいだんをのぼり2かいへ行き、部屋のドアをたたきます。
「はーい」
「トニー、アリー。ジニーくんと妹のユーリちゃんがきたわよ!」
「ぼくだよ。ジニーだよ」
「やあ、まってたぞ! この子がユーリちゃん?」
「うん!」
「おれはトニー。よろしくな、ユーリちゃん」
「よろしくね、トニーくん」
「もうトニーったら、かたづけてからねって言ったのに……」
「この人はおれのねえちゃん」
「ちらかっててごめんね。わたしはアリーよ」
「ユーリです。よろしくね」
「こんな弟だけど、よろしくね。ユーリちゃん」
「はい」
ユーリはきんちょうしながら、トニーとアリーにじこしょうかいをしましたが、はずかしそうにジニーのうしろにかくれてしまいました。
♡
「なぁなぁ、みんなで何して遊ぶ?」
トニーが3人にききました。
「ぼくはかくれんぼがやりたい!」
「わたしも!」
「………………」
ジニーとアリーは「かくれんぼ」で遊びたいみたいです。
しかし、ユーリはまだきんちょうしているのか、ジニーのうしろにかくれたまま何も言いません。
「ユーリちゃん、どうしたの?」
「………………」
アリーがユーリにきき、いつまでも何もはなさないユーリにジニーはこう言いました。
「ユーリ、言いたいことがあったら、ちゃんと言ってくれないと、トニーやアリーがこまっちゃうよ?」
「…………おにいちゃん、わたし…………」
「ん?」
「どうした、ユーリちゃん?」
ジニーに言われ、ユーリはもじもじしながら、口をひらきました。
アリーとトニーはゴクリとつばをのみこみながら、ユーリが何を言うか楽しみにまっています。
「おままごと、やりたいな」
ユーリはもじもじしながらですが、ゆっくりとはっきりした声で言いました。
「おままごとか! たまにはいいな!」
「ぼくたち2人でかくれんぼやおままごとで遊んでもつまらないんだよね」
「おれも。ジニーとユーリちゃんは双子だけど、アリーとおれは年がはなれてるから、あまりおままごとで遊んだことがないんだよな」
「そうね。ジニー、トニー。今日はいつもより多いからにぎやかよ」
「そうだね!」
「うん!」
それをきいた3人はそれぞれの意見を楽しそうに言いました。
「ユーリちゃん、ありがとうね!」
「わたし、何かおかしなこと言ったかな?」
アリーがこう言うと、ユーリはきょとんとした顔をしてしています。
「ユーリちゃんはおかしなことを言ってないぞ!」
「ユーリは自分が言いたいことを言ってくれたから、アリーはうれしかったんだよね」
「そうよ。本当にありがとう!」
3人はこう言うと、ユーリの心の中はほわほわとあたたまり、えがおで「うん。どういたしまして」と答えました。
言いたいことがあったらすなおに言う。
ユーリはそのことをジニーに教えてもらったような気がしました。
そのあとは4人でかくれんぼとおままごとで楽しく遊びました。
2018/01/07 本投稿