第3話 「ごめんなさい」とすなおに言おう
ユーリはかわいらしい真っ白いクマのぬいぐるみで遊んでいました。
「ユーリ、もしそのクマのぬいぐるみを使い終わったら、ぼくにかしてくれないかな?」
ジニーがそのぬいぐるみを指さしながら、ユーリに声をかけました。
「うん、いいよ!」
「ありがとう」
ユーリはジニーにぬいぐるみをかしましたが、そのあとは何日かすぎても、なかなかユーリの手元にもどってきません。
プンプンおこっているユーリはジニーの部屋にかけこみ、こう言いました。
「おにいちゃん、わたしのクマのぬいぐるみは?」
「………………」
ジニーはだまったまま、なにも答えてくれません。
ユーリはジニーの本たなの上にぬいぐるみがちょこんとおいてありました。
「あったじゃない」
そのぬいぐるみを取ったユーリの足元にぬいぐるみの手がぽろっと落ちました。
「…………」
「ユーリ?」
ジニーはユーリに声をかけたとたん、ユーリはなきだしてしまいました。
「うわーん! おにいちゃんなんかだいきらい!」
「ユーリ!」
それを見かけたお母さんが「あらあら」とユーリをぎゅっとだきしめました。
「ユーリ、どうしたの?」
「おにいちゃんがわたしのクマのぬいぐるみをこわしたのー」
「ジニー? どうしてユーリのぬいぐるみをこわしたの?」
「……」
「だまっていたら、何もわからないわよ?」
「……ごめんなさい……ぼくのおもちゃでこわしちゃった……」
「ユーリにもあやまりなさい」
「ごめんなさい」
「いいよ」
2人のお母さんはユーリのぬいぐるみを直しました。
2017/12/31 本投稿
2018/01/07 改稿