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H_S ~High_Spec~  作者: シキタ
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第1章 神隠し

読んでいただきありがとうございます!

作者のシキタです、読んでみて面白かったなと思って頂けたら嬉しいです!

もっとこうしたほうが良いよとかのアドバイスなどありましたら是非宜しくお願いします!!

神隠しと言うのは人間がある日忽然と消え失せる現象の事を言う。

町や里からなんの前触れも無く失踪する事を髪の仕業と捉えた概念。古来用いられていたが、現代でも唐突な失踪の事をこの名称で呼ばれることがある。



これらの被害者は皆何処へ行ったのだろうか?

どんな気持ちで旅立ったのだろう?


これはそんな不思議な旅立ちを果たす自称普通の色々とハイスペックな男子高校生の不思議な物語である。






いつもと同じ風景の高校。時刻は午後1時を少し過ぎた頃、ある教室で壮絶な戦いをして居る者がいた。


「(ねッ眠い…)」


絶賛眠気と戦っている青年は古金コガネ 八雲ヤクモ、高校2年今を生きる17歳だ。その容姿は黒髪短髪に少々目付きが悪いつり目の黒目に、それを緩和する為の度の入っていない黒縁眼鏡。身長も180cmと高い身長に加え何か武道でもしているためしっかりとした体の持ち主、さらには勉強もできてしまうスペックの持ち主。だがそんなスペックを持っていても友達と言う存在は皆無だった。それにはある理由があるのだが…


そんな彼は昼食の後の夢心地な気分に襲いかかる壮絶な眠気と戦って居るのだが。


「(少しだけ…少しだけ…)」


うつらうつらとあっさり睡魔に負け、睡魔に身を任せる。目を落として行き徐々に教師の声が遠ざかって行くのを感じて行った。


「(良い気持ちだぁ)」




数時間後のその日奇妙なニュースが報道された。


『東京都世田谷区の⚪︎⚪︎高校で今日午後男子生徒が忽然と居なくなる事件が発生しました。男子生徒の同級生によるといつの間にか椅子から消えていたと言うことで警察は__』






遠くで人のざわついた声が聞こえる。随分と長く寝ていたらしい帰りのホームルームでもしているのか。まだ重い瞼を開け半目になる。


「うっうーん」


『きゃっ!うっ動いたわよ!』『生きてるのかしら?』『何者かしら?』


ぼんやりしている頭でも八雲はこの聞こえてくる会話に違和感を感じた。さらに聞こえてくる、どの会話も女性特有の高い声が多く男性の声が聞こえない。


「(あれ?こんな女子比率多かったか?)」


そこでようやく完全に目が覚め眼鏡を押し上げながら顔を上げて周りを見渡す。すると八雲の予想通り周りには女子、それもとびきりの美少女達が見えた。だがおかしい、あまり女子と話をしない八雲でも一応顔と名前ぐらいは知っているが周りの少女は誰1人知らない。

周りを見渡したことで少女達は一層騒がしくなる。


『こっち見たわよ!!』『本当に何者!?』『黒髪黒目なんて男性いた?』


「はっ?どうなってんだ?」


いつの間にか他のクラスでも来てしまったのだろうか。美少女達の視線に居心地が悪くなった八雲は立ち上がって制服のを正して1番近くにいた金髪をロングにした美少女にここがどこのクラスか聞くことにした。


「君、ここのクラスは何組か教えてくれないか?」


近づきながら声をかける。だがなにぶん見た目が少し怖い八雲に金髪美少女は警戒して睨んでいる。あまり近づくとさらに怖がらせそうなので数歩手前で歩みを止める。


「何者ですか」


「はい?」


「何者だと聞いているんです!ここは由緒正しい聖マリエール学園ですよ!!」


「えっと…」


ズビッ!!と言う効果が聞こえて来る様な勢いで指を刺される。その間に八雲は考える。彼女の言う聖マリエール学園と言うのは彼女の中では八雲の通っている学校の事なのか

そしてよく周りを見れば彼女達は日本人にはない見慣れない色とりどりの髪色をしていた。

恐る恐る気になっていた事を聞く。


「お前ら…日本人だよな?」


「はぁ?日本人?そんな当たり前の事を聞くなど!この場に及んでまだシラを着るつもりですか!!」


「だってお前らの髪の色おかしいぞ?校則違反じゃないのか?最近じゃそんなのも流行ってるのか」


「ッ!!貴様!!私たちの髪を愚弄するか!!この色は元からだ!!」


「成る程、地毛かそれは凄いな」


顔を真っ赤にさせ睨みつけてくる。そこまでの事を言っただろうか?と内心首を傾げる。だが怒りを表しているのは金髪美少女だけでは無い、周りも視線で人が殺せるんじゃ無いかと言うくらいに八雲を睨みつけている。


「えっと気に障ったんなら悪かった。馬鹿にするつもりじゃなかったんだが」


「それよりも本当に貴様は何者なんだ!?いきなり教室に居眠りしていたなんて!!いつ侵入したんだ!!」


「いや俺は普通に教室で居眠りしてただけだが?」


居眠りしてなにが悪いと言う風に当たり前に眼鏡を少し上げて答える。


「だから!いつから寝ていたんだ!!」


「今日だけど」


「違う!いつ侵入したと聞いているんだ!!」


「侵入したもなにも学校に普通に登校しただけだし」


「「……」」


話が噛み合わない。このままでは拉致が空かないと八雲は別の質問をすることにした。


「なぁ、気になってたんだがここは東京都で間違いないんだよな?」


これだ。八雲は先ほどからずっと気になっていた事があった。まず学校名だ。八雲の住んでいる東京都において先ほど彼女の言った聖マリエール学院などと言う学校名は聞いたことが無い。もしあるとしても彼女達の様な髪色を持つ人などいたらニュースになっている筈だ。


「なんだ貴様まだそんなこと言っているのか?記憶喪失にでもなった真似か?」


「で、どうなんだ?」


「まぁ待て」


そこで生徒達を掻き分けて一人の女性が歩いてきた。生徒達が美少女ならばその女性はまさに美女だ。綺麗な赤い髪を後ろで結び凛とした雰囲気を漂わせ、スタイルも良く特に胸が女性が平均を軽く上回るくらいに大きい。これに鼻の下を伸ばさない男は居ないだろう。

男性神経回路がおかしい古金 八雲以外は。


「貴女は?」


「私はこのクラスを担当している滝里 朱理 (たきさと しゅり)。一応教員だ。君は?」


「あぁ先生でしたか。古金 八雲、18歳です。一応高校3年です」


目上の人には敬意をと言う八雲の謎のポリシーがあり知らない人でもしっかりとお辞儀をする。その行為に周りの生徒も滝里 朱理も驚く。さらに滝里はいつも男性とあった時に見られる様ないやらしい目つきを八雲がしないことに好感を持った。


「へぇ…、私の3下か。もう少し年上だと思ったんだが…ちなみにこいつは」


「シルフィ=ドーラです…」


「親しい者からはフィーと呼ばれている。古金もフィーとよ_」


「別に親しくないので却下です!」


先ほどの金髪美少女の名前が判明した。名前は日本人ぽくないが日本語を話しているあたりハーフか?と八雲は一人で思考を完結させる。


「で、滝里さん。ここは東京都で間違いないですか?」


「あぁここは東京都だ。東京都23エリア セタガヤだ。」


「ん?23エリア?23区では無いんですか?」


八雲は気になった疑問を口にする。


「23区?いや、ここは日本国政府公認特殊能力者研究機関、聖マリエール学園だ。」


「特殊、能力?」


特殊能力。またの名を超能力ともいう。現代科学でも理解出来ない現象を発生させたり行使したり出来る力の事。そんな力を国が認知している事実に八雲は違和感を感じざるえなかった。


「(ここは本当に日本なのか?だが現に日本語で話をしている…そして超能力を認知している事実)」


「古金どうした?」


「…まさか」


これらの情報から予想すると八雲はある考えに行き着いた。八雲が目を覚ました時の事をシルフィ=ドーラは『突然現れた』と言っている。もし誰かに拉致され移動させられても他の一般人ならばともかくあらゆる意味でハイスペックな八雲に触れ移動させることは不可能だ。ならば常識的な事を視野に入れて納得するしか無い。つまり_


「ここは全く別の世界か…」


異世界、はたまたはパラレルワールド、平行世界。この世界は八雲のいた世界に似た全く別の世界。

自称一般人のハイスペック高校生、古金 八雲が異世界進出した瞬間だった。


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