表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

魔獣

こんにちは。著者です。

遅くなりましたが、今回が8話目となります。

それでは、お楽しみください。

 ボク達は今、青々と木々や草が茂る森を駆けている。全力で。



「ハァハァ・・・ いつまで・・・ 追ってくるんだ・・・」



 息も切れ切れに、額に汗を流しながら。

 背後にからは殺気の様な視線と木々が倒れる音。

 意識を向けると、そこにはボクの身長よりも遥かに大きい岩が追いかけてきている。

 正確に言えば、岩の様に見える程ゴツゴツと筋肉が盛り上がった猪の様な生き物だ。

 勿論、ボクが極端に小さいということでもない。


 といった感じで、1話目と似たフレーズで説明してみた。


 ボクは誰に説明しているのだろう。

 やだ、走りすぎて酸欠にでも生り始めているのかしら・・・。



「普通にこの展開はありえないでしょ・・・」


(流石はケイですね。かなりの時間走っていますが、速度が落ちていませんよ。)



 誰からも返事の来ない独り言・・・とはならず、今回はシールから返事がある。

 のん気な返事に、思わず力が抜けそう。

 あれからボクはシールを担いで結構な時間を走っている。

 その間、ずっと猪のような魔獣が追いかけてきている。

 ホントにしつこいな。


 今は少し急な斜面を下りながら走っているといった感じだ。

 これまでに何度か、撃退できないだろうかと攻撃を行ってもいた。

 拾った石を投げたり、太い木の枝で叩いてみたりといった感じに。

 だがどれも有効な攻撃にはならなかった。

 シールを担ぎ、走りながらという条件では、思った以上に力が入らないのもある。

 どうにかしないと・・・と考えている時



「うわっ!!」



 ボクは足元を何で躓かせた。

 木の根っこのようだ。

 猪のような魔獣が森の加護を操り攻撃を仕掛けるのは何度かあったが、足を引っ掛けたりするのはこれが初めてだった。少しくらいは知識があるらしい。

 斜面を走っていたので、姿勢を上手く戻せずに、そのまま倒れる。

 そして勢い良くシールを投げ飛ばしてしまった。



「くいいいぃぃぃぃぃっっっっ・・・・!!」


「しまった! ごめん、シール!」



 少し先にある、大きな木の上まで飛んでいった。

 木から落ちてこないところをみると、たぶん枝に引っかかっているんだろう。

 無事を祈りつつ、慌てて起き上がる。

 だが、背後から追いかけていた魔獣の足音が近づいていることに気付く。



「ブオォォォォォっっ!!」



 振り返ると、魔獣がすぐ近くまで来ていた。



「うわっっ」



 慌てて飛び退く。 と同時に、魔獣がボクの倒れていた所を通過していく。

 なんとか突進を回避できた。あれに突進されたら流石に怪我だけじゃすまなさそうだな・・・。


 再び魔獣がボクに襲い掛かる。

 突進しながら、口から大きく飛び出ている牙をボクに目掛けて刺してきた。



(な、なにか戦えるような武器がないと、流石に正面からじゃ太刀打ち出来ないよっ)



 突進を横にステップする形で回避を続けているが、こちらからの攻撃がまったくできない。

 走り続けていた事もあり体力が減っている状態なため、この状況も長くは保てないという自覚が内心を焦らせる。



(とりあえず、シールの方に移動しながら回避を続けて、合流しないと・・・。)




 何度も突進を回避しながらだが、シールが飛んでいった木までたどり着いた。

 木の上の方を見上げると、シールが枝にぶら下がっている。


 タイミングを見計らって魔獣の突進を回避し、シールの所まで木を登る。



「シール、大丈夫っ!?」



 反応が無い、ただの・・・ゲフンゲフン。

 気絶しているようです。

 屍になってなくてよかった・・・。



「ブオオオォォォ!!」



 木の下にいる魔獣が咆哮をあげると同時に、牙の先端が光りだした。



「げっ・・・あれって加護ってやつだよね・・・」



 慌ててシールを担ぐ。

 魔獣と逆の方向に、木から飛び降りる。

 着地して逃げ出そうとした時に、ボクは少し離れた茂みの所にあるものを見つけた。



「あれは・・・鉄の、棒・・・?」



 茂みに鉄っぽい棒のような物が刺さっていた。

 今の状況を打開できるとは思えないけど、あれが鉄だったら、攻撃するにも防御するにも木や石よりかは全然使えるに違いない。



(あれが鉄でありますようにっ!)



 木から跳び降りたため、魔獣はボク達を一瞬見失っていた。

 その隙を逃さず、茂みへ近づき、シールを横に置く。

 そして茂みに刺さっている棒状の物に触れてみる。



「あ、硬い・・・!やった!」



 硬さを確認したボクは、その棒状の物を茂みから勢い良く抜いた。

 これでなんとか撃退できないだろうかと考えながら。



「・・・・・はへ?」



 間抜けな声を出してしまった。

 ボクが棒状の物の状態を確かめようと先端を見てみると、刃が付いていたのだ。


 全長は約2メートル程。ボクの身長よりも長い。

 刃の部分はたぶん30センチくらいだと思う。

 どこから見ても槍ですね。



「ブオオオオオオオッ!!」



 ハッ!と気を取り戻す。

 魔獣がこちらに気付き、再び突進してきているのが見える。

 ボクはシールを担ごうとして・・・止めた。



「今までよくも追い回してくれたね・・・。」



 ボク、ストレスでも溜まってるのかしら。

 今まで脱げてばっかりいたボクは、初めて魔獣に向かって前進した。



(これはたぶん鉄で合ってると思う。きっと折れたりはしないはず。ボクなら大丈夫!)



 自分に言い聞かせながら、突進してくる魔獣を避けて、横腹に槍の刃を切りつけた。



「やあああああああ!!」



 刃が魔獣の横腹に深く切り込み、傷をつける。

 同時に魔獣の血液が飛び散る。



「ブオオオオオオオオ!」


「いけるっ 手ごたえがある!」



 魔獣は悲鳴の様な泣き声を上げながら、ボクと距離を開ける。

 槍での攻撃が思ったよりも大きなダメージが入った。

 ボクにとってはじめての前進で、魔獣にとってはじめての後退だ。

 

 魔獣がまた突進してくるだろうと思い、構えなおす。

 だが魔獣は突進をせずに、こちらを威嚇をするだけだった。

 魔獣もボクの攻撃を警戒しているようだ。


 そして、咆哮を上げた。

 たぶん加護で攻撃してくるのだろう。



「今度はこっちから突進してあげる!」



 牙の先端が光だし、加護での攻撃をしてきたが、それを全部無視して魔獣に突撃する。

 枝や木の葉の嵐のような攻撃を切り抜け、魔獣の目の前までボクは来た。

 そして、槍の刃を思い切り魔獣の額に突き刺そうと、振りかぶる。

 魔獣は、加護の攻撃で仕留めきれなかったことに驚いたように、大きく目を見開いていた。



「これで、終わりになれええぇぇぇえええっ!!」



 お腹の底から声を出しながら、力を思い切り籠めて、槍を突き刺した。



「ブボオオオオオオオオオオ」



 槍を刺した瞬間、魔獣が暴れだす。

 ボクは飛び退き、警戒をしながら見守る。



(これくらいじゃダメだったかな・・・。)



 暴れている魔獣だが、暫くすると地面に倒れ、動かなくなった。


 ボクはゆっくりと近づき、魔獣を突いてみる。

 どうやら息絶えたらしい。



「やった・・・。 どうにかできた・・・。」



 息絶えたのを確認すると同時に、今までの疲労が一気に襲ってきた。

 立って居られない。


 へなへなっとその場で座り込んでしまった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

戦いの描写を、文で表すのは難しいと実感している著者です。

表現に苦戦しながら、やっとのことで8話目をあげれました。


お粗末な文ではありますが、よければ今後も読んでいただけたら幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ