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魔法の世界

ここは剣や魔法が存在する世界。魔法世界カマドウマ・・・。

そのファンタジーの世界で俺の第二の人生が始まってもう12年が経つ。


そう、なんと俺は生まれるところからやり直して修業を行わなければならないのだ・・・!

そんな説明なかったぞ・・・!


この世界の両親は小さな村に派遣された兵士と魔術師だ。

どちらも国に所属しているが、田舎特有の住みやすさに惹かれた彼らは国と交渉し村専属の兵士として暮らしていた。

近隣の森には強くはないが多くの魔物が生息しているため、村人たちは彼らを頼った。彼らは休むことなく仕事をこなしていき、村人たちから尊敬されるようになった。

そして村で歓迎されて5年経った頃男の子が生まれる。それが俺、というわけだ。


「お前の名前はクロハだ」

父から授けられた名前はクロハ。クロハ=ロポアだ。


喋る赤ちゃんは不気味だということで捨てられてはかなわん、と思った俺は年相応の行動をとってきた。だがそうそう赤ちゃんや幼子の真似をし続けられるわけではなく、気づけば神童ともてはやされていた。


そして、それからの人生は急展開を見せた。

俺はある特定の魔法以外全く使うことができなかったのだ。そう、ここは魔法世界。父でありただの兵士である、キリ=ロポアですら魔法が使える。それに引き換え俺は下級の炎魔法も精製できなかった。


それからはひどいものだ。

村の同世代の子供たちには

「やーい!魔法使いの子なのに魔法も使えない頭でっかちー!」

とからかわれた。その度に足払いでこけさせる。

そんなことを毎日続けていると俺のあだ名は「伝説の足払い」になった。まるでどこぞの奇天烈ハンバーグ店を思いだす。


そして12歳になった今、俺は学校に通える歳になった。この世界は12歳で学校へ通いはじめ、15歳で卒業する。

もちろんそれなりのお金がないと通えない。俺の両親は村ではなく国から賃金を支給されているためそのくらいの余裕はあった。


俺はこの世界をもっと知りたかった。

村にいてもガキ共をすっころばせて遊んでいるだけだったし、何より母親も使えないような上級魔法というものを見てみたかったのだ。せっかくの魔法世界、いろいろ経験しないと損だと考えるようになっていた。


こうして俺初めて村を出た。

まず最初の目的地は隣の町である。地図をみながら歩いていると不意に声をかけられた。

「おい、クロハ。遅かったな、オレと一緒にいこうぜ!」

急な声に地図から顔を上げ、目の前にいる人物を見る。


------------名をチャー=ネバーランド

俺と同じ境遇の男だ。なにがって?ほぼ全てだ。

こいつの両親も国から俺の住む村へ派遣された魔術師である。だがこいつの場合両親ともが魔術師だ。

そうなるとこの世界の子供は少なくとも両親以上の魔法の才能を持って生まれるのが普通である。だが彼も魔法が使えなかった。


チャーと仲良くなったのは必然だ。まずクロハと同じように村の子供たちに絡まれても何とも思わない。さらに同じように撃退して遊んでいた。あだ名は「伝説の泥団子」である。何もないところから一瞬で泥団子を手のひらに出現させ、高速で投げるのだ。


伝説のコンビである俺たちはよく遊んだ。お互い友達なんていなかったからな。それにこいつは俺と同じ秘密を持っている。共通の秘密を持つ者同士、仲良くなるってもんだろ?


さて、それはさておき、こいつも学校に通うらしい。

「ああ俺も学校に通うんだ。多分お前と同じ考えだぜ、これからもよろしくな!」

新天地で新たな生活をするのだ。いくら精神年齢が30手前でも一人ではとても不安だった。その点、親友と呼べる者が付いてきてくれる。本当に心強い。


馬車が通るようなきちんと整備された道へでるには、歩いて一日ほどかかる。しばらく人の足で踏み固められただけの足場の悪い道を進む。

森とは反対方向に進んでいるので幸いなことに魔物はほとんどでない。二人共ピクニック気分だ。


ゴソゴソ・・・

「ん?今なんか草むらから音がしなかったか?」

「チャー、張り切りすぎて疲れてんだよ。お前・・・」

「いや、お前も気づいてんだろ!なんかいるぞ、気をつけろ!」

チャーは素早く腰のナイフに手をやり、草むらを睨む。


チャーは何にでも興味を持つ張り切り屋さんだ。どうせいうさぎとかそんなところだろう。俺は対して身構えもせずノーガード戦法だ!とチャーに告げる。


結果は

---------------------違った!魔物だ!ゴブリンだ!

まさかの魔物との遭遇。そりゃパニックにもなる。俺は脱兎のごとく逃げ出した。

しかし、数歩歩いたところで頭に泥団子がぶつけられる。その冷たい衝撃が俺の頭をクールにさせる。

「すまん・・・」

「冷静になったな、こいつを倒すぞ!」


俺たちは再度身構える。ゴブリンは俺たちの様子を笑って見ていたが、こちらの戦意を感じ取り、棍棒を振り上げ猛ダッシュで襲いかかってきた!


ドドドドドド・・・・・ッ!土煙を出し距離が詰まっていく!まずゴブリンが向かったのは近かったチャーだ。

そして棍棒を振り上げ-----------盛大にこけた。

ゴブリンは何につまづいたのかと焦って辺りを見回す。目の前にあったもの・・・それは、足だ!だがその足首から上には何もない。

そして気がつけば先ほど逃げようとした少年が一瞬のうちにゴブリンの上に鎮座している。

そう、これらは俺の唯一使える魔法、空間魔法だ。

自分の足先と相手の足元の空間をつなげ、引っ掛け転倒させる。せこい技だ。

そして自分の体ごと倒れたゴブリンの上にワープしたのである。


「よし!チャー、動きは封じた、とどめをさしてくれ!」

「さすがだな、ありがとよ!じゃあ俺もやってやるぜ・・・」

チャーは呪文のようなものをぶつぶつと唱えた。

「ストップ!!!」

その瞬間チャーは消え、ゴブリンの頭の前に移動していた。そしてゴブリンの顔面は殴られた跡でボコボコである。ナイフは使わなかったようだ。


ストップとは彼が唯一使える属性の魔法だ。ただ、この世界の人が一般的に使える魔法ではない。そう、彼も神に選ばれて転生した後継者だ。だが神の名は空間の神ではなく対となる時間の神だった。もちろん俺たちは幼い頃からお互いの正体を知っている。空間と時間、対になる存在同士自然とお互いのことが理解できたのだ。


俺たちはゴブリンを放置して「俺つえー!」と叫びながらまた歩みを進めた。


俺たちはそれからは何事もなく隣の町へ着いた。そして学校専用の定期便に乗り、学校へ直行した。

1週間ほど馬車に揺られ、目的地へ付いた。そして顔を上げると、そこには見たこともないくらい大きな城のような建物がそびえていた・・・

一人称と三人称の部分を統一しました。

話の後半に戦闘パートを挿入しました。

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