おくりもの
「マサドーラ、サラは赤ちゃんなのよ。そんなこと言っても分らないわよ」
「まぁそうだな。マリアに伝えておくよ。中に入っている精霊は人工物じゃなくて天然だから。このぬいぐるみをサラから離さないでね」
「あら。天然って。よくぬいぐるみに入れられることを許したわね」
「ウルがいつの間にか契約しててな。どうやったかは分からん」
「そう……サラちゃんよかったね。お友達よ」
お母さんが嬉しそうに私にいった。
でもお母さん精霊って何ですか?なんで離さないでってマサドーラさんいうの?
私はぬいぐるみをそっと触ってみた。やっぱり温かい生きているみたいだ。しかも触った瞬間薄いピンクが黄色に変化した。ちょっと驚いてはなすとまた元のピンクに戻る。
――――おもしろーい!いやぁサラちゃん赤ん坊だからなんかこういうの大好きなんだよね。
「きゃっきゃっきゃ」
「気に入ったみたいだな」
「ふふっ。かわいいわ」
ひと通りぬいぐるみで堪能した後気が付いた。
あれっ?お兄ちゃんは?
いつも駆けつけてきてくれているお兄ちゃんがまだ来ないのはおかしい。どうしたんだろ?
お兄ちゃんもいないと寂しい。
「そういえばライトは?いつものようにサラが泣いたときすぐ走ってむかったと思ったんだけど」
「あぁライトなら今裏庭に埋まってるぞ。あいつ私を見た瞬間に悲鳴を上げたからね。教育的指導中だ」
「……だからいないのね。今頃ライト泣いてるんじゃないかしら」
「まぁ既に私にあった時点で大泣きだったからな。何時間かすれば自分から這い上がってくるんじゃないか」
「マサドーラ、ライトはまだ4歳なんだからね。ちょっとは手加減をしてあげてね」
「無理だな。私が楽しくて仕方がないから」
あぁだからお兄ちゃん来れないんだ。でも埋まっているってどういうこと?大丈夫なの?なんかマサドーラさん埋めてあたりまえって顔してるよ――――。
マサドーラさんが少し野性的にニヤって笑う。
「サラももう少し成長したら私が教育しよう。なかなか面白そうだからな」
「あらあら~サラちゃんもマサドーラに気に入られちゃったのね。可哀そう」
ちょっとまってぇぇ!なんか恐ろしい発言しているんですけど!だってお兄ちゃんがあった瞬間悲鳴を上げるくらいだよ!何をされるかわかったものじゃない!
お母さんはいつも通りにこにこしているし。触っといたぬいぐるみがすこし青に変化していた。
私は拒否の声をあげてみる。
「きゃわぁわぁぁぁ!」
「サラもうれしそうだな」
「ほんとね」
ちがうって!!!




