とある街の日常
ちょっと短めです
リール王国の東端にタフィスという要塞を含んだ大きな街がある。
タフィスはリール王国の玄関口だ。人口が多く、様々な種族が入り乱れている。
また国の玄関口という理由以外にも多くの人々が訪れる。
タフィスには様々なギルドの拠点があるのだ。
ギルド目的で多くの人間がタフィスを出這入をする。
また、国から街を代表するギルド3拠点に自治権を任されているため、街自体が自由で活発的、賑わいが絶えない。
最近タフィスではとある賭けが流行っている。
代表するギルドの一つ、オリヴルのギルドマスターの第二子について、である。
オリヴルの姫はよく泣く。赤ん坊が泣くのは当たり前なのだが他の赤ん坊とは少し違った。
オリヴルの姫は一日に何度も泣くがその時間が正確なのだ。
毎日、同じ時間帯に元気よく泣く。街の時を知らせる鐘よりも正確なのではないかと思うくらいに。
しかもなんとなく泣き声が変だ。
気付いたのはギルドの若造だった。最近の賭けの対象がなかった為遠くから聞こえる赤ん坊の泣く時間帯を賭けの対象にしたのだ。
初めのうちは気が付かなかったが時間に正確な赤ん坊の声はいい賭けの対象になった。
タフィスの人間は面白いことや賭けごとが大好きだったため、今ではギルドだけではなく街全体で赤ん坊がいつまで正確に泣くのかを賭けている―――――。
8時です。
「こんちぃあぁぁぁくしゃぁぁ!!<こんちくしょおぉぉぉ!!>」
おはようございます。高橋更紗ことサラです。
はやいもので私が赤ん坊になって3カ月がたちました。
最近ではマリアさんやライト君のことを家族だって思えるようになりました。
今度からはちゃんとお母さん、お兄ちゃんって呼ぼうと思う。(まだ喋れないけどね!)
最初は時間なんて関係なくよく泣いたけど、やはりお母さんやお兄ちゃんに迷惑をかけたくないと思って時間を考えて泣くことにしました。泣くことはやめられないので。(夜泣きはしないようにしました)
今日もだいたい朝の8時頃に目が覚めていつもと同じように悔し泣きから始まったのですが今回はいつもと違います。
いつもはすぐにお兄ちゃんが駆けつけてくれた後、お母さんがきて慰めてくれるのですが―――――
あれっ?こない?