はじまりはじまり
初めましてトキと申します。
亀更新になるかと思いますがよろしくお願いします。
「ふぎゃぁぁぁぁぁ!!」
ある国のとある辺境にある町に赤ん坊の声が響き渡った。
「ふざけんなぁぁぁぁ!!」
私は叫んだ。
だってそりゃそうだろう!ただ歩いていただけだよ!私は!ただ学校に行っていただけだよ!私は!それなのに気が付いたら知らない空間にいて、よく分からないうちに殺された。私が何をしたっていうのよ!
兵士に剣を振り下ろされた後私は簡単には殺されなかった。
まずは足を切り裂かれ、次は腕だった。刃物を知らない私の肌は簡単に血を噴く。
全身血で赤くなった私はただ力なく地べたに倒れこむしかなかった。
倒れこんだ私を兵士が髪を掴み立たせようとする。
「まて!!」
声が聞こえ、その声が聞こえる方を向くと集団の中から一人の男が私に近づき何かを唱えた。唱え終わると私の傷は治ったわけではないが血は止まっていた。
助けてくれるのかを安堵の息が出たが、男は歪めたように笑う。
「せっかく召喚したのだ。このまま簡単に殺すな。牢にぶち込んでおけ。」
私を助けてくれたわけではなかったらしい。
男は私に言い放つ。
「お前のために舞台を用意してやろう」
命を受けた兵士たちに私は引きずるようにして牢に入れた。
牢に入れられた後、どうにか逃げなければ思ったが身体は思うように動かず、声も出せず、目を閉じることしかできなかった。
気がつくと私は牢から引き出されるところだった。
私が縋るように見上げても兵士たちは私を見ることはなく引き摺るように運び、歩くスピードを緩めることはしなかった。
連れて行かれた先に目にはいったのは、自分が出てきたであろう城とその正面にある広場、集まった人々、広場の真ん中にある――――
「……うそ。うそでしょ!!」
ここにきてはじめて声がでた。
広場にあったものはヨーロッパの中世映画にありそうなギロチンだった。
ただ映画でみたギロチンよりも生々しかった。
「……あれを私に使うわけじゃないよね?」
怯えたように呟く私に兵士が皮肉気に嗤う。
「お前の召喚に俺の家族は死んだ。無駄死にだ。俺らを守るために、白の使者を召喚するために命を差し出したのに来たのは黒の使者……。」
兵士の顔が歪む。
「よかったな。俺の父は苦しみながら干からびて死んだがお前は簡単に死ねるぞ」
「い、いや!!!」
兵士が言っていることはよくわからなかったがありありと伝わる殺意が恐かった。
私はなんとかその場に引きとどまろうと力の限り踏みとどまったが、所詮非力な子供では兵士の力に勝てるはずもなくギロチンの前に進む。
「なんで!!私なにもしてないよ!助けて!!」
ギロチンの前で私は固定された。周りに助けを求めようにも周りの人々に哀れみはなかった。
―――助けて。お父さん!お母さん!
周りの人間たちが殺せ殺せと叫んでいる。
―――恐い。恐い……私が何をしたっていうのよ。
舞台を用意するといった男が声高々に命令している。
私が最後にみたのは濁った空だった。その瞬間私はギロチンの刃であっけなく死んだ。
あぁ。私死んだのか。
ひどい、ひどい。私が何をしたっていうの?
ん?
死んだのに私何で考えることができるの?
死者の世界なのかな?ここ?と思った瞬間に頭に激痛がきた。
あまりの痛さに手や足でパタパタさせたがあまり動かない。
目を開くことはできなかったが、なにか袋のようなものに入れられているようだった。それに身体に何かが巻きついているような感じで気持ち悪い。
なに、これ?とはてなマークをだしながらも、どうにか脱出しようと動きまわった。動いているうちに頭の方に出られる隙間があるような気がして頭から動く。
なにかこの袋のようなものの外から声が聞こえた気がした。
何度も試行錯誤しようやく頭が隙間に入った。
なんだかだんだん腹がたってきた。なんで私こんなことやっているの?
よく分からないところに飛ばされ、切られ、閉じ込められ、殺された。そしてまた閉じ込められている。
―――ふざけるな。
私は隙間に固定された頭に力をいれて足をける。
隙間が開き、私は隙間から出ることができた!まぶしい!
でも私の怒りは止められない。私は叫んだ!
「ふぎゃぁぁぁぁぁ!!〈ふざけんなぁぁぁぁ!!〉」
「おめでとうございます!!」
「女の子だよ!頑張ったね!マリア!!」
あれ?