その愛の大きさは宇宙を超えて、彼の予算枠を超えた
「ねぇ?私の事どれくらい好き?」
「ん?どうして?」
「どうしてじゃなくて・・・どれくらいかって聞いてるのぉ」
男の六畳一間の小さなアパートの部屋で若い二人はじゃれ合っている。
「じゃぁさ、おまえはどうなんだよ?」
「え?私? うーーん・・・」
「どれくらいなんだ?」
「地球ぐらい! 地球ぐらいの大きさ!!」
女は手を広げて、その大きさを表現している。
「ほー・・・凄いな、そりゃありがたい。」
「で、どれくらいなの???」
女は上目使いで男に問う。
「そうだな・・・地球がこの部屋ぐらいの大きさだとして・・・2DKぐらいの大きさかな」
「なんか・・・嬉しくない」
「嘘言え! 地球がこの部屋ぐらいで、その倍以上だぞ!2DKだぞ?!」
「そうじゃなくて・・・なんか言い方っていうか表現が嫌」
「地球を超えてるんだぞっ?! 文句ないだろ?!もうそこは宇宙じゃないかよっ! 」
「そりゃそうだけど・・・」
女は腑に落ちない様子だ。
「じゃぁ、俺と一緒に宇宙旅行に行かないか?2DKの・・・」
「え???どういう意味??」
「いや・・・だから・・・」
「一緒に住むって事?? け・・・結婚って事??」
「あぁ・・・結婚って事で・・・」
女は俯いている。
「ごめん、そんなの嫌!!もう一回考え直して!! ねっ?お願い!!」
男は翌日、2DKを2LDKに変えてみた。
「ごめん、そこじゃなくて・・・もういい・・・うん。 こちらこそ、宜しくお願いします。」
その愛の大きさは彼の予算枠を超えていた。
恋愛ものを書こうとすると、
つい男がマヌケな設定になってしまうのは、自分自身の表れか・・・。
プロポーズシリーズ書いていこうかなぁって思いました。
ともあれ、最後まで読んでいただきありがとうございました。