第1話 浮世の魔法使いと魔女のリアル
僕は「小川ケン」30歳、
今年でちょうど魔法使いになった。
安月給のサラリーマンで
都内、食品スーパーへの営業をしている。
繁忙期には帰宅時間が24時を過ぎる日もあるが、
基本、20時頃に帰宅する。
もちろん残業代は出ない。
ーーー
私は「大原あゆみ」30歳、
今年でちょうど魔女になってしまった。
都内のコマハラ病院で医療事務をやっており、
シフト制ではあるが、基本的に勤務時間が10時間を
超えることはない。
今日はたまたま、息子の看病という理由で欠勤があり、
病院近くに住んでる私は断ることもできず、
深夜まで働いていた。
ーーー
「はぁぁ〜〜、今日も終わった〜」
あゆみは、ポーチからスマホを取り出した。
真っ暗な廊下だと眩しすぎるjPhoneのロック画面は、
深夜2時半を表示している。
「カチッ」ロック画面を解除して、
毎週更新される、サブスクアプリの最新話をチェックする。
「うわ〜っ、カラゾンプライムの新作“叔父転生”
新エピソードもう、見ちゃってたかぁ〜」
「今日寝落ちできるアニメがっなくなった、、ファxxク!」
あゆみは夜間用出口から外に出ると、
自転車置き場に向かった。
明日の太陽がラスボスのように
控えた鈍色の空に向かって呟いた。
「つらい事の方が多いこの世の中で、
わざわざ生きる意味って何なんだろうか。」
午前3時前、誰もいない世界に
カラカラカラッと自転車のラチェット音が
気だるそうに響く。
ーーー
時、同じくして、
小川ケンは自宅ベットにて、
左手にスマホを掲げ右手にペヌスを握りしめていた。
「まあ仕方ないか、、、」
ケンは良いおかずを見つけれずにいた。
「洋モノ気分でもない、イチャラブ?母性?でもない、やはりちっぱいか??」
しかしながら、僕のバルーンアート用の風船は
空気の入れすぎで、破裂寸前となっていた。
「・・・・」 「ふぅ〜」
多少のコンディションや過程によっては違えど、
フィニッシュを迎える瞬間の快楽には限界があると感じた。
「っあ、やはりキメXクもの気分だったか、、、」
サッサッサ、ティッシュ箱から数枚のティッシュが
引き抜かれる音が部屋に冴え渡った。
「寝れねーな〜、腹が減った〜、
人間の三大欲求は満たして寝るべし」
「うわっカップ焼きそば切れてるやん、、、
コンビニいくしかか、、、」
戦いが終わった勇者ケンは、シャワーに入るのを妥協し、
渋々デスクにある、円柱型の除菌シートで両手を拭った。
「なるべく人に会わないといいなぁ、、、」
そう願いながら、ケンは玄関の扉を開いた。




