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1話 脆い平和の中

混乱の政治状況。一応三大国連で秩序を維持している。

1話 脆い平和の中

 宇宙暦79年8月6日・地球・深夜・ユーロッパ・ドイツ山岳地帯(???)

 車は揺れている。今は山路で走っているから――

「……噛ませてください」

「もうすぐだ。ちょっと我慢して――」

「頼むから指を噛ませて‼︎ もう――」

 ぶつ⁉︎

 あぁ、噛んだ。恩人の腕を噛んだ

「ぐ、ぐう〜〜」

「く……クソ⁉︎ あの連中、こんな娘に……」

 そう、私はあの研究所に攫われそして――

「見えた‼︎ 国境線だ! 仲間は迎えて来る! もうあんぜ――」

 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………うん、耳が痛い、確か突然熱と衝撃が………あぁ、恩人の手だ。体と繋ぐべき部分は血が………もう死んだ。

 土と砂の匂い、肌に染み付いている……背後に光――追手のヘリが追い付いた……まだあの場所へ連れ戻す……誰が……助けて‼︎

 ぼん⁉︎

 ……ヘリが爆発した……何がはヘリを撃った。突然何をないどころで機兵が現れた。ECS……

「陸装機……P9……うん?」

遠い空から飛翔機……飛翔変形戦闘機編隊……陸装機……陸上武装戦闘機……2機では……え? まだ空では新しい機兵が………何あれ、空を飛んでいるのにブーストはない。どうやって飛んでいるの? ――ビームライフル……とはちょっと違う……あれは――

『オウ5から6へ、増援を確認した?』

『こっちはオウ6、敵さんの増援を確認、まだ交戦範囲外から先にS1を援護する』

『ここはS1、この空域の敵を掃討したが増援を確認した。速くしてくれ』

『聞いたなオウ7』

 誰が……歩いて来る?

『了解した。5分で終わる』

「………誰?」

「貴女は助けに来だ。もう大丈夫。後は俺たちは貴女を安全の場所へ連れて行く。今は暫し、お休みを」

 ぴっ

 睡眠剤………前とは違う……暖かい……これは……この人の懐……

「な、名前を……教え……て」

「……島津、島津幸介軍曹だ」

 ………島津……こうすけ……


   ○○○


 夜明・太平洋深海・傭兵組織キャリバー太平洋戦隊所属強襲揚陸潜水艦ダナン・機兵格納庫(上寺・星)

 機体を固定した後、コクピットから降りだ。オレは肩に及ぶ銀髪ボニテールと青い瞳、ファンタジーのエルフと匹敵する美貌と言われる女士官はオレ、上寺ホシという。

「お疲れ、敵の飛翔機編隊の相手はご苦労」

 この黒髪伏せた黒い片目軽いそうな成年男はこのダナン機兵隊の一人でオレの家族のひ一員・金木空三軍曹。ダナンでのコードネームはオウ6。

「増援に掴まれば苦戦は避けられないけど」

「存分楽にしているけど俺たち」

「その通りだ空三。彼女はいないと時間稼ぎすら出来ない」

 俺と同い年、黒髪黒い瞳の基準日本人顔に十文字傷跡がある。島津幸介軍曹、このキャリバーに雇われた同僚の一人、機兵隊の……全傭兵団一のパイロットだ。

「おぉ幸介、あの子は?」

「医務室だ。後は情報部を引き継ぐ」

「勿体ないな〜、うちで扱って良いのに〜」

「空三、こんな変態ような邪念を持つな」

 黒髪の中国とアメリカのハーフ成年女性、毛・李琊、俺たち機兵隊の小隊長だ。

「……毛姉さん、変態とはちょっと……」

「毎日にナンバをする野郎何を言う気」

「女性ナンバするのは男の甲斐性だよ」

「ではなぜ星ちゃんにナンバしない?」

「妹を布団まで出来るか‼︎」

「ぐちゃぐちゃ言わないで行くわよ」

「行く?」

「発令所だ。報告は新たな任務」

 ……始めるな。キャリバーは俺……日本北東と契約をする理由……


   ○○○


 夜明・太平洋深海・傭兵組織キャリバー太平洋戦隊所属強襲揚陸潜水艦ダナン・発令所(上寺・星)

「毛・李琊以下オウ5から7は到着しました」

「日本独立政府から派遣特務三佐、上寺・星も同じく」

「来たね。毛さん、幸介さん、空三さんと星さんも」

「この艦に居る限り貴女の指揮下です。デスタロード大佐」

 目の前、指揮席に座る銀髪銀瞳の可愛い青少女はこのダナンの艦長・リッサ・デスタロード大佐、この太平洋戦隊の戦隊長でもある。

「特務三佐、これで7年渡る契約を実行出来る」

 この相当古典的の威厳軍人風のおじさんはアントォレ・カレイリン少佐、この戦隊の陸上作戦補佐だ。

「はい、3年で頑張る甲斐がありました」

「まだ始まったばかりです。どうか油断しないように」

 厳格なメガネおじさんはリチャード・マテュラン中佐、この戦隊の海戦補佐だ。

「では、説明しましょう。今回はこの小隊でどある人物を裏で護衛したい」

「護衛? 政治家? それでも大企業の――」

「話は最後まで聞け、金木軍曹」

「失礼しました。中佐」

「詳細は私が説明します。護衛対象は彼女です」

少佐は幸介に資料を渡した。

「……千利……カナメ?」

「そう、この少女は革命連とドルシアに狙っている情報が入った。お前たちの任務は彼女周辺潜伏する脅威から護衛することだ。場所は日本ヒガシ東京都大宮市の陣内高等高校だ。特務少佐の口添えでもう拠点と入学の手続き、書類も用意した。全員別々のルートで東日本へ入国し、拠点で集合したのち対象の護衛に入ってもらう」

「「「エース・サー‼︎」」」

「なら特務三佐以外は出立の準備せよ」

「任務準備に取り掛かります」

 そして毛は空三と幸介を連れて発令所から出だ。

「……良いのかリッサ、あれを教えないのは……」

「今はまだ必要ないだけです。いつれ伝えます」

「分かった。彼らのフォローを引き受けます。契約があるから……」

「はい、よろしくお願いします」

 これで、切り札の一つを完成した。


   ○○○


 朝・太平洋深海・傭兵組織キャリバー太平洋戦隊所属強襲揚陸潜水艦ダナン・私物ロッカ区画(金木・空三)

「幸介、持って来たぞ」

「ありがとう、……これは今の日本高校生の日用品?」

「大体は」

「なんだ。そんな曖昧な」

 持って来たのは今日本高校生は鞄に何を入れるかと予想して集めたものだけど……これは人それぞれから適当に集めた。

「それにしても可愛い娘だな。将来は美人だ」

「これは4年前の写真だそうだ」

「今は高校生か……楽しみだな〜」

「……空三、なぜこんな裸の雑誌は必要なんだ?」

「男だから」

「意味はわかない」

「空三、お前はこれも使ったことがあるかい?」

 ……セ○○ス用ゴム……

「当然、色々と使った」

「お前は当然よく使うのね」

「自分もよく使っている」

「えぇ⁉︎」

「うわぉ⁉︎」

 ……あれ? もしかして――

「砂漠ではこれを水保存でよく使える」

「「……あ〜、」」

 やっぱりこうだったのかこのスーパー朴念仁が……

「……次は書類写真だな」

「あぁ写真用具は全部いる。さっさと撮ろ」

 毛はカメラを取って………座り込んだ?

「……姉御、他は?」

「お前はやるからな」

「あぁ〜、エース・マム」

 姉御の命令なら仕方ない。それに幸介のためでもある。

 全ての準備……整った。

「はい幸介、笑顔をして」

「笑顔……」

「命令だ」

「了解した」

「はい、チーズ」

 のちに洗い出した書類写真は……幸介の固く笑顔だ。それから俺たちは星から貰った身分証を持って別々のルートで東日本へ入国、ヒガシ東京の大宮市へ入った。


   ○○○


 宇宙暦79年8月6日・未明・東日本・ヒガシ東京都・大宮市・上寺家(上寺・星)

「星、起きろ星」

「………岩美?」

 この金髪ショットカットの20代女性は潔・岩美、オレの家族一人、軍務で忙しいオレの代わりに家の掃除と家事全般を任されている。オレの専属護衛でもある。

「そろそろ、学校へ行く時間だ」

「……ギリギリ6時間寝たか」

「もう2時間寝て欲しい。ウミコトとイノリもそう勧めだろう」

「色々で休みも削らなきゃ……」

「最近は焦ってようだな……そんなにヤバイのか?」

「……だから急いでいるの」

 身なりを学生モードへ整え、パジャマから学校女子制服を着替え、授業教本を鞄カバンに入れ、玄関で靴を履いて――

「まってまって、弁当だ」

「あぁ、ありがとう。行ってくる」

「楽しんで行けよ‼︎」

 家から出て、隣のアパートビルを入って、階層を登る時リッサから通信が入った。

「大丈夫よリッサ、3人共到着した」

『良かったです。任務は終わるまで島津さんたちは……』

「最大限のサッポートをお約束します」

『本当にお願いしますね。カレイリンさんは顔に出してないけど心配している』

「大丈夫、その点も織り込み済みから」

『は、はぁ〜、分かりました。本当にお願いしますよ?』

「はいはい、切るぞ」

 相変わらず心配性だな〜。オレは4階の401室に立って、扉に暗号のノックをして、中からの反応を待つ……

「――星ちゃん」

ここは空三たちの拠点です。

「そろそろ時間よ。準備は?」

 すぐ中へ入った。……基本の軍用通信機材と旧式テレビ……風情のない部屋だ。

「問題ありません」

「あぁ」

「モニターリンク完了。お前たちそろそろ投学しろ」

「了解した」

「では行きます。毛さん」

 オレたちは402室から出て、学校への道のりに歩いている。空三はP9の完全ステルス迷彩・ECMを発動しオレたちを尾行する。大宮駅まで徒歩し、ヒガシ東京線の西向かえの電車に乗ってヒガシ東京駅から出て、そして校門前へ到着。

「三佐――」

「学校内で苗字、或いは名前で呼んで」

「……上寺、あの階層都市は――」

 幸介は見ているのは西にある階層構造の高い都市……

「ブリタニアのトウキョウ租界」

「……要塞だな」

「えぇ、みんなは困るくらい」

『ようカップル、3時方向に我らの女神だ』

 ……見えた。要だ

 オーシャンブルーのロングヘア、末端にリボンを束っている。国立ヒガシ東京学園の女子制服を着ている美少女・千歳要。

『ふゅー〜』

「将来は大美人だな。星ちゃんほどじゃないか」

「外見的にそうだね。オレとな要も」

『『……うん?』』

「カナちゃん〜〜」

 あの活発のツインティルメガネ女子は要の友人・時川京子。

「――京子! なんなんの‼︎ 昨日の動画は⁉︎」

 このガサツの言葉遣いは要の口から出だもの。千歳要は相当の美少女だが、その性格の故に殆どの男は近寄らない。あるとしても友人以上の関係になれない。

「え? 悪かったの?」

「なぜラブロマンチストは任侠劇になるわよ!」

「えぇ⁉︎ カナちゃんは気にいると思ったけど」

「なぜそう思う? どれくらい付き合いのに……」

 この二人は相変わらずだな〜

『………俺の女神か………』

 要に穏やかを求めるのはそもそも間違いよ。

「あぁ、今日来ていたの上寺さん」

「神楽坂先生」

 学校のクラス担任・神楽坂薫先生、普通の黒髪ショットカットと地味顔と女性教師服、まともな教師だ。先生はオレの鞄を取って中を検査する……

「もう少し来た方がいいと思う。日数はヤバイですよ」

「来られたら絶対来る心構えのつもり」

「良い心構え……はい、問題なし」

「ご苦労」

「次は……見ない顔、新入生?」

「はい、島津幸介軍曹です」

「ぐ……なに?」

 あぁ……、ヤバイ。

「先生、ちょっと――」

「えぇ? どうしたの」

 ちょっと先生と耳打ちする………

「アフガニスタン⁉︎」

「彼、島津幸介は子供の頃からアフガニスタンに生きていたので、常識外れの言動も……」

「……分かった。大目に見てやる」

「ありがとうございます」

 これで少し問題はないよね。

「ではまず鞄を………うん?」

 ――なぜ本物の銃を鞄に⁉︎

「――島津くん⁉︎ 学校ではこんなオモチャを持ち込むのは禁止です‼︎」

 ……オモチャにされてよかった。

「これはオモチャじゃない。サンドファルコンの精撃式、サンドファルコンの火力を大幅ダウンしない上に射撃の精度を――」

 ……………銃の精確説明をしないで……

「うわっ、軍事オタク」

「面白い人だね〜」

早速護衛対象にマイナス印象を与えた……先は思えやがる。

 かち!

京子どさくさで幸介に写真を撮った。


   ○○○


 朝・ヒガシ東京都・東京市・国立東京高等学校・2年3組教室(島津・幸介)

「はい、転入生の島津幸介くん」

「島津幸介軍曹です」

「はぁ〜」

 なぜ特務三佐殿は嘆いている? 何を間違いだ?

「軍曹で………」

「相当の軍事オタクだな〜」

「相当本格的だ」

 軍事オタク? そんなものと一緒にしない欲しい。

「ねね〜星ちゃん、一緒に来たよね? 恋人?」

「えぇ⁉︎ 上寺の恋人⁉︎」

「嘘⁉︎」

「違います。ただ友人の知り合いだけ」

『………ほう』

「はいはい、自己紹介はまだ済んでいません」

 なぜみんなはほっとする? そんな重要なことか?

「ね、今までどこで住んだの?」

「アフガニスタン、イスラエル、アフリカ、アマゾン熱帯雨林も住んだこともある」

「全部紛争地域?」

「趣味は?」

「拳銃――」

「くく⁉︎」

 あぁ⁉︎ そうだ!

「モデルガン、そして機兵の雑誌だ」

「雑誌?」

「特に機兵探査とメカニックサーチ、そしてスパロボの連刊を特に良いだ」

「うん〜」

 あのメガネの男、なんでそんな激動の目で自分に向く?

「幸介くん、もう良いですね」

「待って、好きのアイドルがあるの?」

「………」

 アイドル⁉︎ アイドルで歌手のこと? えぇどうする? 自分は歌など気にしたことはないのに………あれ、確か毛たちはその返事を用意したようだが……あれは――

「ホールーガールと沢崎カレナです」

 これで問題ない。


   ○○○


(上寺・星)

「ね、星」

 今オレに話掛けた渦昇天頭の熱血イケメンはクラスメイトの兜金剛。この学校の裏有名人。

「アイツが言ったアイドルで……」

「大目に見てあげて」

 全部西暦時代の人だ。


   ○○○


 午後放課後・ヒガシ東京都・東京市・国立東京高等学校・クラブビル・203号部室(千歳・要)

「本当に変だよ。あの編入生は〜」

「確かに変だけど、カナちゃんは特に気にしてるのね。島津くんに」

「だて、ずっとこっちに見ているもの〜」

「何それ、嫌味かい?」

「そうじゃないだよ。授業の時、昼、そして先までずっと私の後ろに付いていたのよ。彼は上手く誤魔化したと思うけど」

「えぇ? カナ先輩の自意識過剰じゃないの?」

「ストーカーなのか?」

この二人は同じ部活の後輩、一年の杉山・隠子と一年留学生のリーナ・ハレミだ。

「カナちゃん。相当彼のことを気に掛けているね〜」

「は⁉︎ ――いやまさか‼︎ ただ鬱しいから‼︎ はは、あははははは――」

「へぇ〜、なんが怪しいな〜」

「隠子、アンダはイナホはと思う?」

「うん? 当面の目標――」

 パッ⁉︎

 ………えぇ⁉︎

 なぜアイツ……島津幸介は突然部室の扉を開いてこっちへ見ている? まだみんなと着替え中だよ?

『ぎゃあ――⁉︎』

「――⁉︎」

 えぇ⁉︎ なぜ私を引っ張れるの⁉︎ 痛え⁉︎ 突然に地面にび引っ張って伏せられないでよ‼︎ 何をしているのよ……まだモデルガン、部屋の入り口に狙っている? 何をしているのよ⁉︎

「……敵じゃないのか?」

「敵はアンダだよ⁉︎」

 とりあえずハリセンで叩く。

「痛えじゃない」

「やかましい! 何しに来たよ‼︎」

「……俺は以前からソフトボールをよくやっていた。周りのみんなは才能があると評価した」

「……それで?」

「俺に入部を許可してくれば損はさせない。一部員として必ず成績を出す」

『………………』

「だから俺の入部を許可してくれ」

 ………やれ。

『せいの‼︎』


   ○○○


 黄昏・暫定東京都・東京市・国立東京高等学校・校門(上寺・星)

「……まだ戻っていない?」

 カナメもう帰ったぞ?

『えぇ、信号は未だクラブビルに……おや、グランドに出て来た?』

ならここから見える………えぇ?

「………」

 幸介は今腕と脚は鉄椅子に縛られている。歩くことも出来ないからゆっくりと跳んでいる。

「………何これ?」

「やられた。この縛り方では脱臼も通じない。なかなかやる。お陰でトイレは大変だった」

「……解くてあげる?」

「面倒をかける」


   ○○○


 夜・ヒガシ東京都・大宮市・郊外マンションビル401室(上寺・星)

「なんだめちゃくちゃだな。お前本当に大丈夫なの?」

「問題ない」

「大アリだけど」

「そうなのか? なら至らないどころはご教授を――」

「自分で慣れなさい」

 それにオレもそんな余裕はない。

「……おい、対象は電話しているよ」

 それを聞いて、全員はイアホンを付けて、カナメの電話を盗聴している。

『そうか、いつも通りなら一番だ……あぁそうだ一つ面白いことを聞かせてね。今日うちのクラスに変な転校生は編入したの』

「……相手は?」

「弟」

『……姉さん、その変な人に対してどう思う?』

『確かに変で迷惑ばかりだけど……面白いの』

「おぉ、印象悪くないみたいだぞ」

「へぇ〜、やるじゃ」

「面白い、自分か?」

「すぐなくとも対象の好感を取った。その調子で続けて良い」

「了解しました」

 どうやら幸介の潜伏に期待出来ない……情報封鎖した方が確実だろう。


   ○○○


 深夜・ヒガシ東京都・大宮市・上寺家(上寺・星)

「へぇ〜、あの臆病者に好感を持つとは、意外に超えられじゃない空三」

「何を言っているだ岩美! 女性経験なら誰にも引き取らないつもり」

「あの毛さんの攻略中と訳だな〜」

「あのこ強張のタイプは時間は掛かるだ」

「遊びじゃなく本気で追い求めているからな。時間掛かるのは当たり前」

「星ちゃん、そんな言い方――」

「間違ってないでしょう?」

「……星ちゃんには何も隠せないな〜」

「………シオンは?」

「新聞社で泊まり、編集の手伝いと」

「海琴とリンイン、ショウヤはで全地球圏を回っている。布石とネットワークのついてね」

「そのお陰で俺は疲れるよ〜、そう言えば、鈴音たちの学校はうちコロニーのあれだな……大丈夫か」

「……確実と言えない」

 今あれを対処する手段はない。

「念のためにユウトを彼らに任せた。緊急の時自分で何とかする」

「星の見立なら問題ないだろう……ナミはまだあのコロシアムで稼ぐ算段をするの?」

「もう専属チームを成立しているよ」

「マリは?」

「アメリカの封聖要塞にスパイ活動」

「なら残るのは……租界にいる彼ら?」

「……」

「一人は俺らを裏切って――」

「空三、そんな言い方よせ」

「……ならパス、祈はルリオの傍、最後の兄妹は租界の学園だな?」

「祈が教えた。まだオレらに連絡してない」

「ブリタニアに気付かないようにか……ルリオは状態は」

「日常生活はもう問題ない、オレたちとの記憶はない。百目鬼おじさんたちとの記憶も欠損している。レーナのことも覚えてない」

「当然だな。それに限定封鎖を掛けたからな。それにあんな――」

パッパッ⁉︎

「はいはいそこまで、これ以上はメシは冷める。早く食べに」

 ……そうだな。ブリタニアの話題を続くとルーナの話に辿る……ものを食べる気も無くなるから。

「……うおっ⁉︎ 腕は上げたな〜岩美」

「長く家事に専門しているからね〜」

「以前の殺人料理は懐かしいね」

「今でも作れるよ。食べる?」

「「やめておく」」


   ○○○


 深夜・ヒガシ東京都・大宮市・上寺家(鷲羽・岩美)

「……星ちゃんは相当疲れを溜まったな」

 星はメシを終え、適当の消化運動をした後すぐ寝室へ帰った。

「仕方ないようだ。特に最近は焦っている。嫌な予測をしただろう」

「鈴音も黙っていた?」

「あくまで予測から……」

「スザクのこともあるだろう。潰すべき相手に気を使うのは疲れるしかない」

「……スザク、なぜブリタニアに……」

「星ちゃんは言ったじゃないか? あの野郎は――」

 ビビビ……ビビビ……

 私の携帯……えぇ⁉︎

「どうした?」

「……あの組織だ」

「………はぁ⁉︎」


   ○○○


 宇宙暦79年8月7日・朝・ヒガシ東京都大宮市・郊外マンションビル401室(島津・幸介)

「幸介、対象はもう行くぞ」

「……特務三佐殿は?」

『今日は来ないよ。野暮用だ』

「……そうか」

「気を付けてね〜」

 根拠地から出て、対象・千歳要に尾行し、学園の校門までに来た。

「おい、そこのそストーカー⁉︎」

 うん、この3人の一年生は? 一人はクラスメイトの兜金剛と似ている髪型をしているが、金剛より攻撃的と感じる。もう一人は相当痩せって、素早い動けると感じる。最後の一人はちょっと太っているが、動きに洗練さを感じる。

「お前だな。カナメ先輩に付き纏っていたという……」

「付き纏う? 何の話だ?」

「惚けるのも無駄だ。隼人、証拠は取ったな」

「あぁ、これを」

 スマホ……これは! 自分が先対象を尾行する写真だ。気付かないとは――

「これをネットで公表されたくなかったなら今後カナメ先輩に付けないように――」

 隙だらけだ。

 ぽん⁉︎

「「「えぇ⁉︎」」」

直接スマホを銃で破壊成功。

「――テメェ⁉︎」

「隼人の携帯は⁉︎」

「えぇ⁉︎ モデルガンじゃない!」

 何を驚いている。自己防衛の基本だろう。

「おい! 卑怯だぞ! 男なら武器を頼らず戦え⁉︎」

「武器は持たない? 何の世迷事を」

「落ち着け竜馬⁉︎」

「止めるな弁慶!」

「――島津幸介! 僕ら3人はテメェに決闘を申し込む‼︎」

 ……決闘?

「全ての武器と道具の使用はなし。全員素手でやる。僕ら3人纏めて倒したら今後テメェにちょうかい出さない。良いよな」

 …………悪くない。

「良いだろう。場所は?」

「こっち」

 自分たちは裏庭へ移動する。


   ○○○


国立東京高等学園校門(界司伊那帆)

「あれ、竜馬たちじゃない?」

「ホントウだ。連れて行かれた先輩……見ない顔だな」

「2年3組の転入生・島津幸介先輩」

「あぁ! 昨日のスケベ先輩じゃ‼︎」

「えぇ⁉︎ スケベ⁉︎」

「昨日、着替え中に部室を押し入れた」

「なに⁉︎ なんというか勇気――じゃなく変態だろう!」

「オクジョ、本音は出たぞ」

「最低……」

彼らは学校の私のクラスメイト、隠子とリーナ、そして大倉奥城とカーム

・カトーレン。リーナとカームはユニオンからの留学生、カーム・カトーレン。オクジョは基準的の日本人男性外見、平凡顔だ。カームは金髪の昇天髪と雀斑顔だ。

「あの3人組はこの辺りのチンピラすら恐れる不良だ。あの先輩はボコボコされるだろうな」

「それはどうだろう?」

「おぉ、伊那帆はどう思う?」

「引き分けだな」

「えぇ⁉︎ 竜馬たちは武術と武器を使うのは躊躇はないぞ⁉︎ あの先輩は――」

「あの先輩も同じです。あれは常識はない職業軍人だから」

『………えぇ?』

 ポンポン、ガラカラガラ、ガンガン⁉︎

 ……銃声と破壊音が交わっている。

「……先生を呼んだ方が――」

「やめましょう。先生の方が危ない」

 先生に死なせかねないよ。隠子。

「あぁ、伊那帆くん⁉︎」

「風間先輩」

 このメガネ好青年の2年先輩は風間慎二。相当の軍事オタクだ。さっきの島津先輩と千歳先輩のクラスメイトだ。

「これを見てくれ」

 風間先輩はスマホを私たちに見せる。

「何これ?」

「今日未明はNEUの新型広汎機の御披露目演習だ。僕はさっきに録画したよ」

 汎用機は陸空両方運用出来る機兵の通称。ブリタニアの騎装機と今大半の軍隊が配備した陸装機以外は、この広汎機……広範囲汎用戦闘機こそは今ブリタニア以外の先進国の主力機兵だ。

「イッナクトか」

「そうだよ。一緒に観てくれる?」

「あぁ、興味がある」

「最近激しいね。機兵の開発競争」

「宇宙からの脅威を備えためだろ。ルナブレイクからただ7年前だぞ」

「いつ戦争になるか……」

「大丈夫よ。バイス今も協調路線を取るのね」

「アセイラン・バイス・アルューシア皇女殿下かい」

「そう、あの皇女殿下がいる限りサイド3・ゲオ公国も戦争を仕掛けないさ、今俺たちの上の軌道に居るバイスの騎士たちもねぇ〜」

「オクジョ、火星人嫌いのキミにしては随分と褒めるな〜」

「お姫様は違うで」

「はいはい」

 ビンボー、ビンボー〜〜

「予鈴が⁉︎」

「走る⁉︎ 早く‼︎」

 ……火種は、バイスとゲオ……宇宙だけじゃない。3つの国連体は今でも小規模の衝突を続いている。西暦時代から核ミサイルの相互牽制平和は人類の生存圏拡大によってその効力はどんどん弱って行く。7年前のルナブレイクはその証明だ。今の平和はすごく脆い。いつ崩れるが分からない。

「風間先輩」

「伊那帆くん、もうすぐ始まるよ」

「おぉ〜、これはイッナクトか……」

先輩のスマホから今NEUの軌道エレベーター地上演習場では新型広汎機・イッナクトの模擬戦を行っている。ここは男子のカームと私、奥城だけ。

「……なんだが調子抜けだな」

「えぇなぜ? 凄く新しい――」

「奥城、この新型の性能はユニオンのフラッグと変わらない」

「……確かに、違うのは外見のみ……うん?」

「どうしたの?」

「いや……、この点……演習場に近付いている?」

「……なんだ。見た事ない外見だな……」

 世界はずっと変化する。未来は予想出来るけど正確の観測は出来ない。この平和は破裂するか、それでも強靭になるか。まだ、誰もわからない。

平和の行方は何処に?

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