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1輪の花と貴族  作者: 晴山 輝樹
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花の匂いを追いかけて

どうも!晴山です!

今回は貴族と平民の恋愛を書いてみることにしました!私は恋愛モノが好きなので、書くことが出来て凄く嬉しく思っています!

読者の皆様に、素敵な小説と思っていただけるよう、頑張ります!!

レオンは、下町を歩いていた。ローゼスの町は、のんびりとしていて、綺麗だ。それが下町でも、綺麗だとレオンは思う。最近は下水道が整備され、街に染み付く悪臭は徐々に消え失せ、世界的に珍しくも景観、匂い共に美しい下町だ。しかし、貴族街の方が綺麗なのは、他と変わりない。貴族と平民は、区切られている。貴族は下町に出ることが出来るが、平民は貴族街に行くことは許されない。レオンはここ、ローゼスの盟主の息子だが、貴族街からよく下町に行く変わり者だった。それには、訳があったのだが、彼は思い出すことが出来なかった。「女の子から花を貰った」と、いうことだけが下町の記憶の中のものだった。



時は、6年ほど前に遡る。

6年前__12歳の頃のレオンは初めて門を出て、下町に行った。12歳になると、下町へ行くことが許されるので、レオンは楽しみにしていた。今よりは少し匂いがキツかったが、町は美しかった。暫く歩いていると、ふと、悪臭の中に、いい匂いがした。気になったので走って匂いの方へ向かった。そこには、花屋があった。親子だろうか。大人の女と、当時のレオンとほぼ同年代の女の子が、花を売っていた。色とりどりの花が店内を彩り、花で作られた香水やら、シャンプーなども売られていた。その時、散歩に行くだけの予定だったので、財布などは持っていなかった。しかし、城にない、綺麗な花があったので、どうしても欲しかった。何かを売ろうか、そう思ったが、初めて下町に行くレオンにはさっぱり分からない。仕方がなく諦めよう、そう思い、店に背を向けた時だった。店から、先程の女の子が追いかけてきた。「あの…このお花、どうぞ」「お金はいいの?」「はい、大丈夫です。花なら、いくらでもありますから」そう言って、レオンに花を押し付けた。気づけば、レオンは、その少女に惚れていた。お礼を言おうとすると、城の兵隊が走ってレオンを追いかけてきた。「ほら、行きますよレオン様」レオンはおぶられ、ありがとうも言えずに城へ帰った。あの後は凄く後悔していたが、今では苦い思い出となっている。現在18歳のレオンは、本来結婚相手を探し、結婚する筈だ。しかし、あの時の少女を忘れられなくて、未だに相手を探そうとはしていなかった。父と母は、跡継ぎ問題でレオンに無理矢理お見合いさせたりしたが、レオンが結婚したい、という女性は居なかった。ある日のお見合いの事だった。平民の女が、レオンのお見合いをすることになり、レオンは『また、お見合いか』等と思っていた。あの花の匂いがする迄は。



「はじめまして、レオン様。私は、花屋を営んでいる、アンナと申します」その人は、アンナと言った。花屋を営んでいるようで、花のいい匂いがした。「こちらこそ、はじめまして。レオンです。この度はお見合いの為、態々来て下さりありがとうございます」レオンは親譲りの社交スマイルで挨拶をする。今回も、また振るつもりなのだろう。「いえいえ、とんでも御座いません。私は、貴方に‘’また”お会いできると聞いて、来ただけですから」アンナは確かに、また、と言った。レオンは、そうですか、それは良かった、と言いつつ、『何処かで、あったのだろうか』等と思っていた。「私、幼い頃から母と花屋に居まして、レオン様がお花を貰ってくださった時の事が、どうしても忘れられなくて」と、アンナは微笑んだ。『あぁ、そうだったな。あの子は、アンナと言ったのか』レオンは全てを思い出した。「12歳の頃、貴女に花を貰ったあの時の事をようやく思い出しました」レオンの社交スマイルはいつの間にか、自然な笑みとなっていた。「思い出してくださって、良かったです」アンナは微笑んだ。すると、レオンが「唐突ですが、結婚を前提に、僕と付き合いませんか」と言った。アンナは驚いて、「私でいいのですか!?」と訊く。「はい、貴女さえよければ、是非そうしたい」レオンが落ち着いた口調でそう言い終わると、アンナは、「はい、喜んで」と、了承した。「おめでとう、レオン」両親は拍手をした。やっと息子がそう言ったので、嬉しかったのだろう。そうして、レオンとアンナは結婚を前提に付き合うことになった。

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