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第九話 ゴブリンから馬車を守れ

 ようやく現場に辿り着くと、馬車を囲む様に騎士が魔物と戦っていた。

 えーっと、あれはゴブリンっていう魔物じゃないかな?

 確か通勤途中のスマホの漫画で、よく似た魔物が出ていたぞ。


「「「キシャー!」」」

「馬車を守れ!」

「ゴブリンからお館様を守るぞ」

「グハァ。くそ、数が多すぎる」


 馬車を守る騎士は十人ほどだが、馬車を取り囲むゴブリンは三十体以上だ。

 これではゴブリンが弱くても、多勢に無勢だ。


「助太刀します!」

「あ、貴方は何処かで見た記憶が」

「あの犬耳少女と猫耳少女を抱きしめていた男だ!」


 あ、この人達は俺がシロとミケに抱きつかれていた所を通った馬車の護衛だぞ。

 よく見れば、馬車も俺の目の前を通った豪華な馬車だ。

 俺は思わずマジかよと思ったけど、目の前のゴブリンを倒す事が先決だ。


「とりゃ!」

「おりゃ!」

「「「グシャー」」」


 俺よりも先に現場に着いていたシロとミケは、馬車から少し離れた森から出てくるゴブリンを倒していた。

 ゴブリンの数が多いけど、シロとミケは順調にゴブリンの数を減らしていた。


「せい!」

「グボァ」


 なら、俺は騎士と協力して馬車を取り囲むゴブリンを倒すだけだ。

 次第に馬車を取り囲むゴブリンは数を減らしていく。


「これで最後だ!」

「ギュエエ」


 最後に残ったゴブリンを切り捨てると、ようやくホッと一息つけた。


「旅の者、助かった。お礼を申し上げる」

「俺達も街に向かっていた最中ですから、お互い様です」


 騎士が俺に声をかけてきたので、俺も返答した。

 どっちにしろ、俺達もゴブリンの集団に遭遇したかも知らないし、協力して倒すのは全く問題ない。


「お兄ちゃん、全部倒したよ!」

「もう、大丈夫だよ!」

「うわあ」


 問題は嬉々としてゴブリンを倒したシロとミケだろう。

 怪我はしていなそうなのだが、返り血を浴びたので血塗れになっていた。

 血塗れの状態でこちらに走ってきたので、俺も少し怖かったぞ。

 

「シロ、ミケ、生活魔法で綺麗にしような」

「「はーい」」


 俺はシロとミケの服や体を、直ぐに生活魔法で綺麗にした。

 流石に血塗れの犬っこと猫っこは、心臓に良くないぞ。


「あ、怪我人も治療します。簡単な回復魔法ですが」

「おお、それは助かる。戦いながら、ポーションを使ってしまったんだ」


 俺は騎士も生活魔法で綺麗にしつつ、回復魔法で治療する。

 この回復魔法は、シロが石に躓いて転んだ時に使える様になったものだ。

 威力は弱いけど、やらないよりかは良いだろ。

 ついでに、ゴブリンに襲われて怪我をしていた馬にも回復魔法をかけてやる。

 馬も治療を受けて、無事に歩ける様になった様だ。

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