表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生は苦労がいっぱい 〜いきなり高貴な人の面倒ごとに巻き込まれたけど、仲間と一緒に難題を解決します〜  作者: 藤なごみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

83/222

第八十三話 魔法障壁の訓練(主人公だけ)

 翌日の朝、今日も早朝から魔法の訓練です。

 馬も、当たり前の様に俺達の訓練に参加してきます。

 馬も特に暴走している訳ではないしちゃんと訓練もしているので、そのままにさせておいた。

 そして、お待ちかねの自主練の時間がやってきた。


「「お兄ちゃん、お兄ちゃん」」


 今日も今日とて、俺の元にシロとミケがやってきた。

 今日もシロとミケとの組み手になるのかなぁと想像していたが、今日は話が違った。


「お馬さんが、自分の魔法がどのくらい通用するのか試してみたいんだって」

「お兄ちゃんの魔法障壁はとても硬いから、ちょうど良いのかなって思ったの」


 つまりは俺が魔法障壁を張り、そこに馬が魔法を打ち込むという訳だ。

 俺の魔法障壁はシロとミケの打撃を防げるので、そこそこの硬さがあるのは分かっていた。


 俺は、馬二頭と対峙する形で魔法障壁を張った。

 馬の後ろには、他の人や従魔達も俺と馬の成り行きを見守っていた。


「いつでもいいぞ」

「「ブルル」」


 俺の声に、馬もやる気満々で答えた。

 そして、馬の周りに魔力が集まってきた。

 そっか、馬も魔力を溜める事を覚えたのか。

 本当にこの馬は賢いなあ。


 ズドーン、ズドーン。


「「おお、凄い凄い!」」


 馬の放つ魔法にシロとミケは喜んでいるが、シロとミケ程の打撃の威力はない。

 このくらいの威力なら、俺の魔法障壁は全然余裕だ。

 すると、俺の余裕な感じに他の人が動き始めた。


「どうやら、サトー様の魔法障壁はまだまだ余裕の様ですね!

「じゃあ、シロも魔法を放つ!」

「ミケも魔法をやるよ!」

「はっ?」


 マリリさんの一言に、シロとミケが動き出した。

 マリリさん何言ってるのと思う暇もなく、シロとミケが魔法を放ってきた。


「「えーい」」


 ドカーン、ドカーン。


「おい、シロとミケ。バーストライジングにウォーターライジングじゃないか!」


 シロとミケが放ってきた魔法は、ゴブリンを焼却するのと辺りを濡らす為に放った魔法だった。

 ゴブリンの時は十メートルはあった火柱と水柱だったが、シロとミケの魔力制御が上手くなったからかそこまでの火柱と水柱は上がらなかった。

 とはいえ、正直なところシロとミケの打撃の方がまだ威力がある。

 そんな顔をしていたら、またもやマリリさんに考えを見抜かれてしまった様だ。


「ふむ、サトー様はまだまだ余裕ですね。この際ですから、訓練も兼ねて魔法の一斉射撃を行いますか」

「よーし、やるぞー!」

「えー!」


 マリリさんのとんでもない提案に俺が抗議する前に、リーフとスライム達が魔法を放ち始めた。

 更にはエステル殿下とビアンカ殿下も、俺に向けて魔法を放ってきた。


 ズドドドドド、ちゅどーんちゅどーん。

 ズドーン、ズドーン。


「むう、お兄ちゃんの魔法障壁が硬すぎるよ」

「中々魔法障壁を破れないよ」

「当たり前だ! 魔法障壁を破られたら死ぬぞ」


 俺の叫びも虚しく、魔法は一向に止まない。

 遂には、シロとミケも本気でバーストライジングとウォーターライジングを放ち始めた。

 俺は魔力を魔法障壁に可能な限り注ぎ込んで、魔法障壁を維持する事に専念した。

 

 そして、馬が魔法を放ち始めてから五分が経った。


「はあはあはあ、本気で死ぬかと思った」

「むう、お兄ちゃんの魔法障壁を破れなかったよ」

「お兄ちゃんの魔法障壁は硬すぎるよ」

「「ブルル」」


 俺は全ての魔法攻撃を耐え切ったが、魔力をだいぶ使ってしまい地面に大の字で寝転んでいた。

 シロとミケに加えて馬も俺の魔法障壁を破れずにいて悔しがっていたが、俺は本気で死ぬかと思っていた。

 因みに穴だらけになった庭を、チョコが魔法で平らに直していた。


「サトーの魔法障壁はかなり硬いな。これは相当なものじゃ」

「膨大な魔力を全て魔法障壁に注ぎ込んでいますから。普通の魔法使いなら、最初の馬の魔法で魔法障壁を破られていましたよ」


 ビアンカ殿下とマリリさんさんが何か話をしているが、俺はもうそれどころではない。

 側で控えていたエルシーから水をもらってタオルで顔を拭いて、ようやく立ち上がる事ができた。

 そして、シロとミケと馬が俺に一言。


「「明日は絶対お兄ちゃんに負けないもん!」」

「「ヒヒーン」」

「勘弁してくれ……」

「あはは……」


 シロとミケと馬のリベンジ宣言に、俺は思わずガクッとなった。

 そんな俺の姿を見たエルシーも、空笑いするしかなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ