第七十八話 頑張ったご褒美
リンさんがタラちゃん達を連れてきて、夕食の際にワース商会に潜入した結果を聞く事になった。
「ワース商会の会長は、とっても太っていたよ。それで、盗品がどうたらとか誘拐がどうたらとか言っていたよ」
「ワース商会の店員も、闇組織の構成員で間違いないですね。冒険者を闇組織に勧誘しているのを目撃しました」
タラちゃんとフランソワが報告した内容を聞いて、テリー様とビアンカ殿下は深く頷いていた。
今まで推測で話をしていた事が、確定的となったのもあるだろう。
「うむ、三名とも良くやった。明日も引き続き潜入捜査を頼むぞ」
「推測が確定的になっただけでも大きな進歩だ。三名には、夕食でご褒美をやらないとな」
「「やったー」」
おお、テリー様から調査のご褒美でタラちゃん達には美味しいご馳走が決定した。
この決定に対して、静かに闘志を燃やしているのがリーフにスライム達。
「リーフも明日は頑張るもん!」
明日防壁の監視を頑張って、夕食で美味しい物を貰おうと考えている様だ。
リーフとスライム達の背後に、いつの間にかメラメラと燃えるものが見えていた。
とはいえ、先ずは夕食です。
うちの食いしん坊達が、食欲を我慢できない様です。
因みに、ラルフ様は領内の巡回で今日は遅くなるそうです。
「「おいしー! 今日も美味しいよ」」
「あら、良かったわね。シロちゃんもミケちゃんも一杯ご飯を食べてね」
「「うん!」」
夕方の訓練もあってか、シロとミケはお肉をお代わりしながら夕食を食べていた。
小さいながらも沢山食べるシロとミケの食べっぷりに、エーファ様も目を細めていた。
「私もお代わり!」
「エステルお姉様は、遠慮というものを覚えた方が良いぞ」
「だって、私も夕方訓練したからお腹が空いたんだもん」
今日はパンでなくご飯だったのだが、エステル殿下は既に三杯目のお代わりをしている。
ビアンカ殿下も、流石に姉の行動に呆れている様だ。
因みに、シロとミケも三杯目のご飯に突入です。
「はい、頑張った人へのご褒美ですよ」
「「わーい!」」
「いーな……」
そして、本日偵察を頑張ったタラちゃん達にはサーシャさんから果物の差し入れがあった。
アルケニーのタラちゃんとフランソワは勿論の事、ネズミのホワイトも果物を堪能していた。
そんなタラちゃん達のご褒美を見て、リーフとスライム達が羨ましそうに見ていた。
「ねえ、お兄ちゃん。シロもご褒美貰えるかな?」
「ミケもご褒美欲しいな」
「うーん。そうだね、頑張ってお手伝いすればもしかしたらご褒美貰えるかも」
「おお、シロ明日は頑張る!」
「ミケもお手伝い頑張るよ!」
シロとミケも、明日はご褒美目当てに手伝いを頑張るという。
単純だけど、そこが二人の魅力でもあるな。
「むふふ、じゃあ私も明日は頑張ろう」
「エステルお姉様は、恐らくご褒美は出ないのじゃ」
「えー! なんでなんで!」
エステル殿下、もう少し大人の対応をしましょう。
ビアンカ殿下が呆れた様にエステル殿下に返答しているけど、テリー様もエーファ様もエステル殿下の事を見て苦笑しているぞ。




