第四十九話 宿を制圧中
「何だ何だ?」
「誰だ、お前らは!」
宿の玄関に入ると、如何にもならず者と思われる男が複数現れこちらに刃物を向けてきた。
玄関からいきなり戦闘開始ですか。
「邪魔!」
「「グハァ!」」
「「おおー!」」
すかさずエステル殿下が、飛び蹴りで刃物を持った男を蹴り飛ばした。
エステル殿下は、兵よりも先に動いていた。
思わずシロとミケが感嘆の声を上げるが、確かにエステル殿下はかなり強いな。
「シロ、ミケ、宿の中は狭いからバトルハンマーや斬馬刀は使うなよ」
「「分かった!」」
念の為にと俺はシロとミケに注意をして、早速シロとミケは両手にガントレットを装備した。
さて、宿には沢山の部屋があり、不審者以外にも一般客が宿泊している。
では、どうやって不審者が泊まっている部屋を探し当てているかというと、
「この部屋に怪しい人がいるよ」
「こっちの部屋も怪しいよ」
「よし、部屋に突入だ!」
「「はっ」」
シロとミケに加えて、タラちゃんやフランソワが怪しい人が泊まっている部屋を次々と探し当てていた。
ホワイトやスライム達にリーフも怪しい人が泊まっている部屋を指差していて、実際に部屋の中にいたのは犯罪者だった。
どうも例の闇組織とは全く関係ない犯罪者がこの宿に泊まっていて、ついでにといった感じで捕まっていた。
「「今だ!」」
ズドドドド。
「「「ぐっはぁ」」」
階が上がるごとに、ならず者の数も増えていく。
シロとミケの合図で、スライム達が圧縮した魔力をマシンガンの様に一斉掃射した。
廊下に現れたならず者は、容赦なく撃ち落とされていった。
因みに、事情聴取があるのでならず者は殺してはいません。
その辺の手加減はバッチリだと、スライム達は触手を上げてアピールしていた。
「リーフもやるの!」
ブォン、ドゴン。
「ゴヘ」
リーフ、あなたはやりすぎです。
リーフは俺の胸ポケットから手を出して、エアバレットでならず者を吹き飛ばしていた。
だけど、リーフの放ったエアバレットの威力が強すぎて、ならず者が壁にめり込んでいるぞ。
壁にめり込んだならず者は、ピクピクしているから何とか生きているみたいだ。
この宿は五階建てで、俺達は四階まで制圧できた。
俺達が奇襲の様に動いたのもあるので、ならず者達の戦闘準備ができていないのも要因の一つです。
「あっ、上の階にあいつの臭いがするよ」
「えーっと、ビ○コ!」
シロにミケよ、探しているのはビルゴだ。
美味しいお菓子の名前ではないぞ。
どうやら、尋ね人は宿の五階にいるという。
キチンと外階段も兵で固めていて、各階に突入しています。
そして五階には会議場みたいな広い部屋があり、俺達はビルゴ達をその部屋まで追い詰める事に成功した。
さあ、ここからが本番です。




