第三十六話 スキンヘッドの上のスライム
休憩時間を利用して、俺は手紙を託したラムネとマリシャさんかガンドフさんを探す事にした。
「シロ、ミケ、俺はマリシャさんかガンドフの所に行ってくる。先に闘技場に行っていいよ」
「「はーい」」
シロとミケは、少女だけでなく他の冒険者とも仲良く話をしていた。
この分なら二人も大丈夫だと思って、俺は部屋を出た。
すると、直ぐにラムネを抱いたマリシャさんが僕を待ってくれていた。
マリシャさんは手招きをして、ギルドの隅の方に僕を呼んでいた。
「サトー、良い情報だったわ。確かにビルゴと関係者は怪しいわね。ここ数年は冒険者としての実績はなくて、初心者講習専門って感じだわ。しかし調べてみたら、ビルゴが担当した講習では、必ず誰かが行方不明になっているのよ」
「行方不明、ですか?」
「そうなの。しかも特徴があって、行方不明者は全て素行不良。もしかしたら、闇組織に繋がっている可能性もあるわ」
流石はマリシャさんだ、もうそこまでビルゴの事を調べてあるとは。
となると、事件の事も真相に迫れるかもしれないぞ。
すると、ガンドフさんもこちらにやってきた。
「ビルゴは五日間新人講習を行う。その間は講習中も監視を付けよう。どうも講習内容も適当だし、そもそも冒険者の為になってない」
「あ、それは俺も感じました。ハンドブックの中身をただ喋っているだけで、何も為になりませんでした」
「はあ、ダメダメだな。この後は実技講習だが、お前らは既に上級冒険者の力がある。という理由をつけて、俺が顔を出しておこう」
「あなた、お願いね。サトーもやりすぎない様にね」
と言うことで、急遽ガンドフさんも初心者講習に参加する事になった。
実技試験の会場となる闘技場に移動すると、シロとミケが多くの冒険者と談笑をしていた。
スライム達も、他の冒険者が連れてきている従魔と何やら話をしていた。
人種なども関係なく話をしている辺り、シロとミケのコミュニケーション能力はすごい。
そしてシロとミケのコミュニケーションが凄いので、ポツンと一人でいる少年が際立っています。
少女達が会話に参加する様に言っても、話に加わるのを頑なに拒んでいるようだ。
「おお、ビルゴ悪いな。あの領主様襲撃事件で活躍した冒険者がいるので、様子を見にきたぞ」
「これはこれは副ギルドマスターではありませんか。どうぞ、ご覧下さい」
うん、気軽な感じでガンドフさんがビルゴに声をかけるけど、ビルゴはなんだか白々しい反応だ。
そして、他の冒険者はガンドフさんの頭の上に注目していた。
「おっちゃんの頭の上にラムネちゃんが乗っている!」
「何だか、おっちゃんが可愛い!」
そう、何故かラムネがガンドフさんの頭の上に載っているのだ。
スキンヘッドの強面男の頭上にちょこんとスライムが乗っていて、とってもシュールな風景だ。
何故か、他のスライム達がずるいって俺にアピールしているぞ。
俺だって、何でラムネがガンドフさんの頭の上に乗っているのか分からないんだぞ。




