第三十話 商会に到着
次の日の朝、屋敷の玄関にはビアンカ殿下とサリー様とルキアさんが冒険者スタイルで待っていた。
「ビアンカお姉ちゃん、カッコいいなあ」
「剣も二刀流だよ」
「それなりに、服装にはこだわりがあるのじゃ」
ビアンカ殿下は、和装っぽい服装だ。
大正ロマンっぽい服装で、ポニーテールにしている。
武器は小太刀を二本装備していて、なんと二刀流の使い手だという。
王族らしく、良い素材を使っている。
「サリーお姉ちゃんは、お姫様みたい」
「とっても可愛いね」
「有難う、シロちゃん、ミケちゃん」
サリー様は、ふわふわのフリルのついた服装にローブを身につけている。
こう見ると治癒師っぽく見えて、実際に聖魔法の使い手だという。
「ルキアお姉ちゃん、凄いね」
「うん、凄いね」
「昔の服が小さくなってまして……」
そしてルキアさんはというと、破壊力が物凄い。
大人しめの露出が少ない魔法使いの服装なのに、大きな胸によって全てが覆されている。
昔よりも大きくなったのは、胸しか考えられないだろう。
「うーん、シロとミケにも冒険者の服を買ってやらないとな」
シロとミケは、ワンピースを着ているだけだ。
女の子なのだから、お洒落な冒険者の服を着させてやらないといけないな。
時間がある時に、服屋で見てやらないと。
因みにこれだけのメンツが揃っているので、護衛として女性の騎士が三人ついています。
準備も出来たので、いざ冒険者ギルドへ出発です。
「サリー様、冒険者ギルドまで徒歩で向かっても良いのですか？」
「護衛がいるから大丈夫。それに、冒険者活動する時は、極力歩く様にしているの」
屋敷から冒険者ギルドまで近いとはいえ、領主の娘なのだから安全第一だと思っていた。
「サリー様だ」
「今日は冒険者活動ですか？」
「サリー様！」
流石領主の娘だけあって、サリー様の知名度は抜群。
道中も色々な人に声をかけられている。
サリー様もにこやかに返事をしているので、もしかしたらバルガス様はサリー様に街の人に顔を売るために冒険者活動をさせているのかもしれないぞ。
「皆様、おはようございます」
「「おはよう、リンお姉ちゃん」」
そして、冒険者ギルドでリンさんと合流します。
うーん、俺の周囲が美人だらけだから周りの冒険者からの視線が物凄い。
そして、俺に嫉妬の視線も浴びせている。
中には何故か泣いている冒険者もいるが、特に気にしないでおこう。
という事で、受付で手続きをしたら、さっさと冒険者ギルドを後にして目的地に向かいます。
「おはようございます、引越しのお手伝いに来ました」
「さ、サリー様？」
「えっ？ えっ？」
早速商店街の会長の商会に行ってサリー様が元気よく挨拶をしたら、昨日もいたおばあさんの孫が固まってしまった。
まさか領主の娘が、祖母の引越しの手伝いに来るとは思わないよね。
「それと、父より商店街の会長宛に書簡を預かっております」
「あ、有難う御座います」
「先ずは中にお上がり下さい」
何とかショックから再起動が完了した孫達は、俺達を商会の中に通した。
うーん、買い物客からの視線も凄いぞ。
