第二十五話 魔導具屋のおばあさん
皆で話をしていたら、目的の店に到着。
魔導具屋だという店舗は、お客さんもいなく静まり返っていた。
そして、ドアが開いていたので中に入って呼びかけてみた。
「すみません」
「誰かいますか?」
しーん。
返ってくる声はなかった。
と、思っていたらシロとミケが店の奥に駆け出していって直ぐに戻ってきた。
どうも耳の良いシロとミケには、何か物音が聞こえた様だ。
「お兄ちゃん、大変!」
「おばあちゃんが倒れていたよ!」
「「「「えっ!」」」」
シロとミケが言った内容に、俺だけでなくリンさん達もスライム達もびっくりしていた。
俺達は、急いで店の奥に向かっていった。
「う、うう」
「まあ、おばあさま大丈夫ですか?」
「うう、腰をやってしまったのう」
店の奥に行くと、おばあさんが腰を押さえてうずくまっていた。
リンさんがおばあさんに声をかけるが、かなり腰が痛いのかおばあさんは冷や汗をかいていた。
「ともかく治療しましょう。応急処置が済むまでは、下手に動かさない方が良いですね」
「おもちちゃん、お願いね」
「おばあちゃんを助けてね」
とりあえず俺と聖属性のおもちが、おばあさんに回復魔法をかけていく。
すると、段々とおばあさんの表情が良くなってきた。
「よっこいしょっと。ふう、だいぶ楽になりました。どなたかは存じませんが、助かりました」
治療の甲斐があったのか、おばあさんは動ける様になり椅子に座った。
「おばあちゃん、大丈夫?」
「腰、痛くない?」
「ああ、だいぶ良くなったよ。ありがとうね」
シロとミケが心配そうにおばあさんに声をかけるが、まだ完治はしていないはずだ。
それでもおばあさんは、シロとミケを心配させまいと笑顔で声をかけていた。
「先ずは私からお話を。私はリンと申します。冒険者ギルドに張り出されていた依頼を受けに、こちらに参りました」
「おお、そうかいそうかい。最近腰が痛くて店の掃除ができなくてな。それでギルドに依頼をしたんじゃ」
そりゃ、うずくまる程の腰痛じゃ掃除をするどころではないだろう。
すると、マリリさんがおばあさんに話しかけた。
「おばあさま。もしかして、住居スペースも手が回っていないのではないですか?」
「まあ、ね。何とか生活できてはいるが、洗濯なども中々大変でね」
「まあ、そうなんですね。それは大変ですね」
流石はマリリさんはメイドさんだけある。
直ぐに、普段の生活も大変だという事を見抜いていた。
「ここはシロにお任せだよ」
「ミケも頑張るよ」
「おお、すまないね。可愛いお嬢ちゃん」
俄然やる気になったシロとミケに、おばあさんも少し元気になった様だ。
という事で、手分けしてお掃除をする事に。
女性宅でもあるので住居スペースはリンさん達で掃除を行い、店舗側を俺達が担当する事になった。
そして、ここでシロとミケが俺に一言。
「最初に、お兄ちゃんの魔法で綺麗にしちゃえば良いんじゃない?」
「そうすれば、お掃除する量も変わるよ」
「ふむ、それもそうだな。試しにやってみるか」
という事で、俺は魔力を集中させています。
何故か、リンさん達はこいつらは何やっているのだろうという目つきになっていた。
先ずはやってみよう。
「家の範囲を把握して、綺麗になるイメージで」
「う、嘘」
「まさか、そんな」
「建物全てに生活魔法をかけるとは」
だいぶ魔力は使ったけど、成功した様だ。
すると、俺の魔法を見たリンさん達は呆気に取られた顔をしていた。
「サトーさん。先程回復魔法まで使って、その、疲れていないのですか?」
「流石に疲労感はありますよ。まあ、倒れる程ではないですが」
「は、はあ」
リンさんは、俺の回答に納得していない感じだった。
うーん、そんなに変な事なのかな?




