第二十四話 初めての依頼
「ビアンカ殿下、この後何か予定はありますか?」
「妾は屋敷に戻る。公爵と話があるのでな」
「では、何か依頼ができるか見てから屋敷に戻ります」
「うむ、良い心がけじゃ。シロとミケも頑張るのじゃぞ」
「「頑張るぞ!」」
ビアンカ殿下も、冒険者ギルドでの対応は終わったという。
なら、俺達も初めての依頼をやるとしますか。
「おや? リンお姉ちゃん、手に持っているのはなあに?」
「それって、依頼書?」
すると、シロとミケがリンさんが手に持っていた紙に気がついた様だ。
確かに何かの依頼書に見えるぞ。
「これは、とある商店から出された依頼書です。お店の片付けの依頼ですね」
「おお、シロもお手伝いする!」
「ミケも手伝うよ!」
「えっ。でもこの依頼は金額が決まっていて、しかも元の依頼料も少額なのですよ」
リンさん達が選んだ依頼は、あまりお金を得られる依頼ではない様だ。
子爵家令嬢のリンさんなら、お金を気にする事なく依頼を受けるだろう。
一種のノブレスオブリージュなのかもしれない。
しかし、リンさんの話を聞いても、シロとミケに加えてスライム達も既にやる気になっていた。
「シロ達もお金は大丈夫だよ」
「お兄ちゃんがいるから、何かあっても大丈夫!」
「おい、シロにミケよ。それはどういう事だ?」
「「くすくす」」
俺のシロとミケへのツッコミに、オリガさんとリンさんまでもが苦笑しているぞ。
とはいえ、俺達もお金はあまりいらないというのも確かだ。
「シロとミケの言い訳はともかくとして、先程見て頂いたゴブリンやオークの討伐費用も入りますので俺達もお金はあまり気にしていません」
「確かにあれだけのゴブリンやオークを倒したとなると、かなりの討伐費用が入りそうですね。それでは、すみませんがよろしくお願いします」
「「よろしく!」」
という事で、初めての依頼も無事に確定した。
「それでは、妾達は屋敷に戻るぞ。おっとリンよ、今日の依頼が終わったら話がある。公爵家の屋敷まで来てくれ」
「畏まりました。ビアンカ殿下」
ビアンカ殿下と騎士団長は屋敷に戻るそうだが、帰りがけにリンさんに声をかけていた。
恐らく襲撃事件絡みでの話の様だな。
俺達はビアンカ殿下を見送ってから、ギルドの受付に向かった。
「では、こちらの依頼を受付します。カードを提出して下さい」
「「はーい」」
受付で個人カードを提出して、依頼の受付は完了。
何気にハイテクなシステムだな。
依頼現場に行く前に、ギルドの売店で掃除道具を購入しよう。
「いらっしゃい」
「初心者セットを三つと、掃除道具をお願いします。支払いは私のカードで」
「あいよ。じゃあ、掃除道具を選んできな」
「「おー!」」
売店の店員は、熊獣人だった。
若干店員の迫力に押されつつ、無事に目的の物を購入できた。
リンさん達も掃除道具を購入していた。
これで準備万端です。
早速現地に向かいます。
「うわあ、人がいっぱいだね」
「いっぱい物を売っているね」
何気に初めて街中を歩くので、シロとミケは人の多さにびっくりしています。
念の為という事で、シロとミケはスライム達を抱いています。
「シロちゃん、ミケちゃん。沢山のスライムだね。名前はついているの?」
スライムの幼生体とはいえ、これだけの数がいると珍しい様だ。
リンさんはシロとミケに質問していたけど、そういえば名前をつけていなかったな。
「もう名前はついているよ。赤いのがいちごで、青がラムネ。緑がメロンで、茶色いのがチョコだよ」
「それで、黄色がプリンで、白がおもちで、黒があんこなんだ」
「おい、いつの間に名前をつけた。しかも、全部食べ物じゃないか」
スライム達もシロとミケに呼ばれた名前に反応しているという事は、もうこの名前で決まってしまったのだろう。
覚えやすいとはいえ、全て食べ物の名前とは。
「しかし、珍しい属性のスライムもいるのですね」
「四大元素は時々見ますけど、黄色と白と黒は初めてみました」
オリガさんとマリリさんも、珍しそうにスライム達を見ていた。
確かに雷と闇と聖属性の魔法使いも珍しいから、スライムとしてもこの色は珍しいという。
空間魔法の色は出ていないから、もしかしたら更に珍しいのかもしれないぞ。




