第十七話 皆でお風呂
「失礼します。サトー様のお部屋が準備できました」
話もひと段落した所で、侍従が応接室に入ってきて声をかけてきた。
応接室での話は一旦終わりにして、夕食時に改めて話す事になった。
俺達は応接室を後にして、侍従の後をついて行き宿泊する部屋に案内してもらった。
「こちらがサトー様がお泊まりになる部屋になります」
「「おお、広い!」」
侍従に案内されたのは、とても広い部屋だった。
部屋の中にもテーブルやソファーが並んでいて、ベッドもダブルベッドよりも大きい。
シロとミケは、スライム達と共に早速ベッドにダイブしていた。
「シロ様とミケ様のお部屋もご用意できますが、如何されますか?」
「「お兄ちゃんと一緒が良い!」」
「畏まりました」
侍従の部屋を分ける提案に、シロとミケは即座に否定していた。
シロとミケの生活能力がどれだけなのか分からないし、今日一日一緒にいて二人とも甘えん坊な性格だというのは分かった。
まあ、無理に部屋を分ける必要はないし、このままでいいか。
「お兄ちゃん」
「お風呂入ろう」
「ふふふ」
そして、この部屋には何と小さいながらも風呂部屋があったのだ。
シロとミケは早く風呂に入りたいのか、既に服を脱ぎ始めていた。
あの、まだ部屋の中に侍従がいるのですが。
侍従もシロとミケを見て、思わず笑っていたぞ。
「それでは、夕食のご用意が出来ましたらお呼びにきます」
「「はーい」」
侍従は一礼して部屋から出て行った。
シロとミケは、既に服を脱いでスッポンポンだったよ。
「「わーい」」
そして侍従が部屋を出て行ったと同時に、シロとミケはスライム達を引き連れて風呂部屋へダッシュしていった。
俺は、シロとミケが脱ぎ散らかした服を畳んでから服を脱いだ。
「「お兄ちゃん、早く!」」
「今行くよ」
俺も浴室に入ると、既にシロとミケは自分の体を洗っていた。
俺も自分の体を洗いつつ、ついでにスライムも洗ってやります。
スライムは体を洗い終わった個体から、湯船に飛び込んでいきます。
ここの風呂は高性能で、なんと魔導具によって自動でお湯が出る仕組みだ。
こういう所にお金をかける辺り、流石は公爵様の屋敷といえよう。
「「ふいー」」
俺が体を洗い終えて湯船に入ると、シロとミケも湯船に入って俺に寄りかかってきた。
シロとミケは、湯船の中で気持ちよさそうな顔で声を出していた。
俺も今日一日色々ありすぎて疲れたから、お湯がとっても心地よい。
スライム達は、それぞれ湯船の中で泳いでいた。
「お兄ちゃん、明日は冒険者ギルドに行くんだよね?」
「冒険者ギルドって、どんな所かな?」
「うーん、流石に分からないな。実際に冒険者ギルドへ行ってみないと、どんな所か把握できないな」
シロとミケが俺の方を向いて冒険者ギルドについて聞いてくるけど、流石に俺でも分からない。
よく漫画とかでは、荒くれ者が集まって名誉とお金の為に色々な依頼をこなすイメージだ。
治安なども含めて、明日確認しておこう。
「ふう、こんな感じで良いかな?」
「「おお、服が綺麗になった!」」
お風呂から出て新しい服に着替えるけど、着ていた服は生活魔法で綺麗にしておく。
本当に生活魔法は便利だな。
綺麗にした服はアイテムボックスにしまい、夕食の時間になるまで皆でベッドの上でゴロゴロしていた。




