第十四話 バルガス公爵領の街に到着
腕組みをして考え込んでいるバルガス公爵様は、俺の方を向いて話を続けた。
「犯人の目星はついているが、今はまだ話せない。しかし、サトー殿は犯人に目をつけられた可能性が高い。なので、暫くはサトー殿の身の安全の為に、我が屋敷に逗留して頂きたい」
「え、良いのですか?」
異世界に来て一日目。
まさか、いきなり貴族の屋敷に泊まる事になるとは思わなかったぞ。
「それにサトーは、普通の人とは何か違う。そこで、サトーには捜査にも協力して欲しいのじゃ」
「おお、シロ頑張るよ!」
「ミケも頑張るよ!」
ビアンカ王女殿下の話に、俺が答える前にシロとミケが答えてしまった。
スライム達も、ぴょんぴょんと跳ねてやる気になっていた。
「先ずは、明日騎士団長と共に冒険者ギルドに向かって貰いたい。冒険者登録も同時に進める事ができるだろう」
「妾も同行する。ちょっと気になる事があってな」
「分かりました。私達にとっても好都合なので、とてもありがたいです。シロ、ミケ、明日は冒険者ギルドに行くよ」
「うん、分かった」
「冒険者ギルド楽しみ!」
という事で、明日の予定も決定です。
冒険者ギルドか、一体どういう所なんだろうか。
異世界に来ていきなり事件に巻き込まれたけど、ちょっとワクワクするな。
そして、馬車は無事に防壁に到着。
ようやく、ホッと一息ついた瞬間だった。
馬車は人々が並んでいる所の横をすり抜けて、貴族専用だという門へ向かっていった。
「お館様、ご無事で何よりです」
「うむ、心配をかけた。こちらにいる旅の者が手助けをしてくれたおかげだ」
どうも領主襲撃事件は既に街に伝わっており、門番もホッとした表情でバルガス公爵様を見ていた。
実際に無事だと領主が顔を見せれば、安堵するものだろう。
そして、馬車はノーチェックで門を通過していった。
「バルガス公爵様、ビアンカ王女殿下、私達は兵のチェックを受けなくていいのですか?」
「妾がサトーの身分証をチェックしている。妾の目は、兵よりも確実じゃ」
成程、王族ならではの人を見る目というものがあるのだろう。
ここはビアンカ王女殿下の言う通りに従っておこう。
「わあ、いっぱい人が歩いているね」
「ミケみたいな人もいるね」
シロとミケは、馬車の窓に張り付いてバルガス公爵領の街並みに見入っていた。
街はとても多くの人が歩いていて、とっても活気に溢れていた。
それに、人族だけでなく多くの人種が街を歩いていた。
「バルガス公爵様、街がとても活気に溢れておりますね」
「ははは、有難い事に多くの人が集まっております」
「公爵領は、全ての人種を受け入れておる。治安も良く、公爵は善良な領主として有名じゃ」
「「すごーい!」」
街の人が笑顔でいる所をみると、確かに幸せに暮らせている事が分かる。
バルガス公爵様は謙遜しているけど、良い領主であるのは間違いなさそうだ。
そして馬車は大きな通りを通って行き、段々と住宅街に入っていく。
「おお、大きなおうちだ!」
「本当だ! 大きい!」
どう見ても領主邸と思われる大きな屋敷が、目の前にドーンと現れた。
凄い、屋敷というよりも宮殿レベルの大きさだぞ。




