第百三十二話 まさかの解体決定
「王都にあるバスク子爵家御用商人を呼びますね」
「妾も王家の御用商人を呼ぶかのう」
「この際だから、建築商人も呼ぼうよ」
ここでリンさんだけでなく、ロイヤルな方も一斉に動き出しました。
そして、商人と共にこの人もやってきました。
「これは事前にチェックしておくべきだったわね」
「自分達が贅沢するだけの屋敷だったのでしょう」
「補強しつつ、部屋割りを変えましょう」
商人と共にやってきたのは、王妃様とフローラ様とライラック様です。
王妃様達も屋敷の部屋割りを見てびっくりしていました。
因みにいきなり王妃様達が現れたので、侍従達も別の意味でびっくりしています。
「うーん、これはあまり良くないですな」
「基礎もそうですが、木材が腐っていて強度が落ちています」
「壁もヒビ割れていますので、補修よりかは立て直した方が良いかと」
そして、専門家の皆さんの意見はもっと辛辣でした。
まさかの建物としてのダメ出しです。
「しょうがないわ。念の為にお隣を見に行きましょう」
「そうですわね。まだマシかもしれませんわ」
「事前に確認しておきましょう」
王妃様達の言う事に激しく同意するので、早速皆でオーカス男爵邸に向かいます。
「おや、皆様揃ってどうされましたか?」
たまたまだったのか、捜索の指揮をとっていたのは軍務卿だった。
王妃様が事情を説明すると、軍務卿も苦い顔になりました。
「まさかオーカス子爵邸がそんな事になっていたとは。オーカス男爵邸の方はまだマシだと思いますよ」
「では、捜索の邪魔にならない様に中を見させて貰いますね」
軍務卿の許可を貰ったので、俺達はオーカス男爵邸に入ります。
捜索をしていた兵は、突然現れた王妃様達を見てびっくりしながら敬礼をしていました。
「オーカス男爵邸の部屋割りは、普通の様ですね」
「流石に子爵邸より狭いけど、問題なさそうですわね」
「ざっと見ですが、基礎もしっかりとしていますので問題ないと思われます」
オーカス男爵邸は、オーカス子爵邸と比較してもかなりまともな建物だった。
侍従用の部屋も狭くないし、お風呂も問題ない。
主人の部屋も広すぎないし、ビアンカ殿下の指摘したダンスホールも小さいながらもちゃんとあった。
「軍務卿、この屋敷の捜索はいつまでかかりますか?」
「明日には終わります。ほぼ証拠品の押収も終わりましたので、建物の清掃や寝具などの取替えが終われば住む事は可能です。住みながらでも名義変更手続きは取れますので」
住める状態にするには数日あれば良いのだが、名義変更手続きに時間がかかるから陛下も屋敷が下賜されるのは一ヶ月後って言っていたのか。
「ありがとうね。それでは、寝具などは発注しましょう」
「畏まりました」
「オーカス子爵邸で使えそうな物は、こちらの屋敷に持ってきましょう」
「サトー達は、数日はバスク子爵邸で過ごして貰う事になるわ」
「ええ、大丈夫です」
まさかの家なき子になりそうだったけど、数日待てば新しい屋敷に住めそうだ。
せっかくだから、オーカス子爵邸にいる侍従は主人の部屋で住んで貰おうかなと思ったりもしたのだった。




