第百三十話 新しい侍従に自己紹介
「色々とお世話になりました」
「「「「ありがとうございます」」」」
「あうー」
「ええ、また遊びに来て頂戴ね」
バスク子爵邸の玄関で、リリーナ様に挨拶をします。
短い間だったけど、お世話になりました。
という事で、俺達は隣の屋敷に向かいます。
バスク子爵邸から先触れの人が行ってくれたので、侍従が玄関で僕達の事を待っているそうです。
「どんな所か楽しみだね」
「そうだね、楽しみ!」
「「ヒヒーン」」
俺達は、馬とともに移動しています。
馬も当たり前の様に、誰も手綱を持つことなくシロとミケとお喋りしていました。
そして、直ぐにお隣の屋敷に到着です。
「「「ご主人様、お待ちしておりました」」」
「「「「おおー」」」」
玄関に並んだ侍従から、一斉にご主人様コールを受けて綺麗なお辞儀をされてしまった。
うん、何だか場違いな所に来てしまった感じだぞ。
とりあえず、屋敷の中に入って自己紹介をする事に。
因みに、馬は勝手に馬房に入っていきました。
「皆さん、初めまして。一応主人になるのかな? サトーと言います。ライズ姓と法衣子爵を賜っています。抱っこしているのはコタローです」
「「「宜しくお願いします」」」
「あうー」
改めて、何だか浮世離れした感じだぞ。
この雰囲気に慣れていかなければならないのか。
「シロです。えっと、リンドウ姓と男爵になりました」
「ミケです。ダンデライオン姓と男爵です」
うん、この辺りまでは何とかなった。
侍従も、まさかこの小さい子どもも法衣貴族なのって表情だったけど。
「ふ、フェアです。名誉男爵でふ」
「レイア。名誉男爵」
まさか小さい子どもまで名誉爵位とはいえ貴族だなんて思っても見なかったのか、侍従もかなり驚いていた。
「私はお隣のバスク子爵家のリンです。私も名誉子爵ですね」
リンさんはお隣さんってのもあったので、侍従もちょっとほっとした様子だった。
「エステルです。一応王女だよ」
「ビアンカじゃ。妾も王女じゃ」
トドメになったのが、エステル殿下とビアンカ殿下の存在だ。
やべー屋敷に就職したと、侍従の表情からは手に取るように分かるぞ。
俺だって、逆の立場だったらこんな職場は嫌だもんなあ。
「あと、従魔が多いですが気にしないで下さい。妖精がリーフで、アルケニーがタラちゃんです。そしてネズミがホワイトで、実質的な従魔のリーダーです」
「後でスライム達の名前も教えるね」
「みんな、とっても良い子だよ」
とりあえず自己紹介はこの辺りにしておこう。
馬が魔法使えるとか、まだ情報を処理できないよね。




