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異世界転生は苦労がいっぱい 〜いきなり高貴な人の面倒ごとに巻き込まれたけど、仲間と一緒に難題を解決します〜  作者: 藤なごみ


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第百二十二話 急遽教会前での無料治療を行うことに

 そして謁見の日の前日、俺達は何故か王都にある大教会の前に集まっていました。

 いきなりバスク子爵邸から王城からの馬車に乗せられて、気がついたら王妃様達の前にいました。

 王妃様の他にはフローラ様とライラック様がいます。

 更には、エステル殿下とビアンカ殿下とフローレンスさんとヘレーネさんも来ていました。

 

「王妃様、俺達はこれから何をするんですか?」

「住民向けの無料治療をおこなうわ」


 うん、俺達を連れて行く前にその情報を教えて欲しかったよ。

 そういう理由なら断らないですよ。

 先ずは教会の偉い人に挨拶しましょう。

 という事で、教会の中に入ります。


「初めまして、サトーと申します」

「儂は王都を担当している枢機卿じゃ。王妃様より、サトーは優秀な治癒師と聞いておるぞ」


 シスターも沢山いる中、白髪で髭のある老人が挨拶をしてきた。

 うーん、教会のトップクラスの人に遭遇するとは。

 そして王妃様、俺に対する枢機卿の期待値を上げないで下さい。

 因みに、シロとミケ達はシスターとキャッキャしていました。


「では、役割分担しましょう」

「「「はい」」」


 王妃様の掛け声で、俺達は分担していきます。

 治療班には、俺とフェアとレイアにビアンカ殿下とヘレーネさんがいます。

 何故かリーフに加えてホワイトとおもちを抱きしめたコタローも、治療班として参加しています。

 この治療班に、王妃様とライラック様が加わります。


「お母さん、私達は教会中の掃除?」

「そうよ。綺麗にしてね」


 残りの人は、フローラ様指導で教会内の掃除です。

 おもち以外のスライム軍団とタラちゃんも、雑巾を手にやる気満々です。


「おお、いつもと違う兄ちゃんがいるのう」

「めんこい子もいますねえ」


 街の人も教会内に入ってきたので、俺達は治療開始です。

 

「どーですか?」

「痛くない?」

「すっかり良くなったよ。有難うね」

「「えへへ」」


 フェアとレイアは、今日もコンビを組んでおばあちゃんの治療をしています。

 治療の度に頭をナデナデされるので、フェアもレイアも思わずニンマリです。


「あらあら、ちっちゃくて可愛いわね」

「あうー」

「あそこにいる男の子が保護している子なのよ。治療はスライムとネズミがおこなうわ」


 いつの間にかライラック様に抱っこされていたコタローは、訪れた人に頭をナデナデされていました。

 おもちとホワイトは、別の椅子に座って訪れた人の治療を行なっています。

 スライムとネズミが治療するとあって、珍しいと思った子どもも多く並んでいます。


「あんちゃんも良い腕をしているな。男の治癒師がいて助かったぞ」

「ど、どうも」


 俺はというと、多くの冒険者を治療していた。

 どうも、いつもは治癒師が女性ばっかりなので治療を受けるのを躊躇しているらしい。

 とはいえ、俺もムキムキの冒険者ばかりを治療しているとちょっとげんなりしてしまいます。

 因みに、何故かリーフの所にもムキムキの冒険者が並んでいます。

 もしかして、男の冒険者は恥ずかしがり屋さんが多い?


「わー、スライムが天井を掃除しているよ」

「雑巾を持って拭き拭きしているよ。可愛いな」


 一方の掃除部隊ですが、スライム軍団が雑巾を手にして壁や天井も拭き掃除しています。

 タラちゃんやエステル殿下の従魔のショコラも教会内の高いところを掃除していて、教会内にいる子ども達は大興奮です。


「はあ、サトーの生活魔法なら一発で綺麗になるんだけどなあ」

「それじゃあ、奉仕の精神にならないでしょうが。手を動かしなさい」

「あたっ、お母さん痛いよ」


 ショコラの主人であるエステル殿下は、余計な事を言ってフローラ様にどつかれていた。

 俺だって、この大きな大教会を生活魔法で綺麗にするのは勘弁ですよ。

 という事で、午前中一杯かけて無料治療と大教会内の清掃は完了です。


「お母さん、これで終わり?」

「何言ってるの。この後は炊き出しを行うわよ」

「えー!」


 あの、フローラ様?

 俺も叫びたくなりそうなんですけど。

 朝も言いましたけど、重要な事は先に言って下さい。

 エステル殿下と違って逃げたりしませんから。

 わざと逃げられない様にしているかもしれないぞ。

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