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11話:もう一人の支配者

第3章ラストです!

ニーグルムを戻してネロで魔王城のバルコニーに降り立つと、エリシアが気付いて出迎えに来た。


「戻ったか」

「エリシアが出迎えとは珍しいな」

「フェイドに頼みがあって」

「俺に?」

「少し座って話そう。その前に、そのドラゴン、以前より強くなってないか?」


 ネロの変化に気付いたようだ。

 フェイドは倒した勇者やドラゴン二対に名付けを行ったことを話した。そのうちネロとニーグルムは強くなったことを。


「なるほど。にしても、厄災の龍がさらに強くなり、意志があるとは……」

「それも驚きだが、エリシアには話さないといけないことがある」


 二人は一室に移動し、エリシアがメイドにお茶を淹れるように言い、すぐさま持ってきて一礼して下がった。


「そうだな。俺から先に話そう。その前に、部屋に遮音の魔法をかけるがいいが?」

「聞かれたくない話か?」

「今はまだな」

「ふむ。そういうことならわかった」


 許可が下りたのでフェイドが指を鳴らすと、結界のようなものが部屋に展開された。これで外部に音が漏れることはなくなった。

 発動したことを確認したフェイドは、ニーグルムから聞いた内容を話す。


「俺が黒の支配者だということは当然だが知っているよな」


 エリシアは静かに頷いた。


「厄災の龍であるニーグルムが言うに、遥か昔、黒の支配者が世界を支配していたいう」

「なっ、それは本当か?」

「らしい。魔王と呼ばれた黒の支配者は、神に迫る力を手に入れ、それを恐れた神が勇者と支配者を使って討伐することに成功した。その後、黒の支配者が現れると殺してきたそうだ」

「つまり、本来は勇者や他の支配者は黒の支配者を倒すために存在すると?」

「そういうことになる」

「神が勇者を生み出し、魔族を苦しめているのか」


 神によって生み出された勇者が、今もこうして魔族を苦しめていることに、エリシアはギュッと拳を強く握りしめた。


「勇者は神の駒に過ぎない。勇者だけじゃない。他の支配者だって可能性がある」


 フェイドは「それに」と言葉を続ける。


「神の手のひらの上で踊らされている気がしてならない」


 だが、神にとってもこの事態は予測できていないだろうと、フェイドは読んでいた。

 死ぬはずだったフェイドが生き残り、こうやって徐々に力を蓄えている。


「だが相手は神だ。叶うわけが――」

「それでも魔王か?」

「え?」


 フェイドはエリシアの目を見る。


「気に食わなくて、神が相手だから諦めるのか?」

「そうだ。それしかないだろう」

「いいや。お前の前には誰がいる?」


 エリシアの瞳に映るのは、神にすら届きうる力を持つ黒の支配者であるフェイドだ。


「まさか、神を超えるとでも? 本気か?」

「俺がこの力を持って生まれ、覚醒して黒の支配者を得たことで神は俺を殺そうとするだろう」


 だが、何も心配することはない。

 だってそれは――。


「俺の道は誰にも邪魔させない。それが神であろうと。その神の手のひらで踊らされている程度のやつ等では、俺には勝てない」


 エリシアは思わず目を丸くさせ、数瞬の後、声を出して笑った。


「ふふふっ」

「可笑しなことを言ったか?」

「いいや」


 笑ったことで目尻に溜まった涙を袖口で拭う。


「フェイドらしい答えだと思って。そうだな。神に踊らされている程度では私達には勝てないな」

「まあ俺の話は、神が何かしらの干渉をしてくるということだ。警戒するに越したことはない」

「そうだな。今後は警戒しながら動くとしよう」


 フェイドからの話は終わる。

 エリシアの手に持つカップが置かれる音が響く。


「もうこの結界を解除しても構わない。私が話すのは外に漏れても問題ない」

「そうか」


 エリシアに言われてフェイドは展開していた遮音の結界を解除する。

 確認したエリシアはフェイドを見て告げた。


「王都から離れた場所に、支配者であろう魔族が確認された」


最後までお読みいただいてありがとうございます!

次から第4章が始まります!


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