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勇者断罪~ギフト《闇の力》が覚醒した俺は闇の軍勢を率いて魔王と共に勇者と人類に復讐する~  作者: WING
第3章

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10話:支配者と勇者の関係

「まず、お前は死ぬ前に支配者の祝福(ギフト)について話したな?」


 ニーグルムは頷くことで肯定する。


「遥か昔、黒の支配者と竜種が闘ったことがあります。その中に私はいました」


 ニーグルムはその時を思い出すように語る。


「一人、竜種が住まう土地に来たその者は、闇の軍勢すら召喚せずに数千はいた同胞を倒し、闇の軍勢として取り込みました」


 ほとんどの竜種を倒し、闇の軍勢に加えた黒の支配者はこう告げた。


世界はいつも不平等で公平などありはしない――と。


言葉の真意は今でもわからないと、ニーグルムは言う。


「数ヵ月後、黒の支配者は世界のすべてを敵に回し数十年もの間、世界を支配しました。その黒の支配者は『魔王』と恐れられました」


 だが、その支配は唐突に終わりを告げた。


「神にすら届きうる力を得た黒の支配者に危険性を感じた神々が、勇者や他の支配者に力を与えて討伐したのです。」


 驚愕の事実にフェイドは目を丸くして驚く。

 それは聞いたことがなかったからだ。


「聞いたことがない」

「当然でしょう。神々はその歴史を闇へと葬ったのですから。それまで数人の黒の支配者が確認されましたが、力を得る前の弱い段階で倒されました」

「まさか、俺が殺されそうになったのも、神のせいだと?」

「はい。黒の支配者は、世界に存在してはならないということでしょう」


 神のせいで家族が死に、村のみんなが殺されたということになる。

 フェイドは神など信じていない。


「すべて、神の仕業だと、そう言っているのだな?」

「はい。最初の黒の支配者に何があったのかはわかりません。ですが、神が黒の支配者を世界から排除しようとしているのは事実です」

「そう、か……」


 フェイドは俯き、拳を握る力が強くなる。

 憎き相手は勇者や人類であり、その裏にいるのが神だということに。

 それでも復讐の歩みは止めない。止めることができない。

 復讐を止めてしまえば生きる意味が、戦う意味がなくなってしまうから。フェイドにとって復讐は生き意味であった。

 死んだ家族に、村のみんなに顔向けできないから。みんなの死を、意味のない死にしたくなかったから。

 だから復讐をやめない。

 もしも……。


「もしも、神が敵だというなら――殺すまでだ」


 フェイドの発言にニーグルムは驚きもしないし、止めすらしない。

 ニーグルムにとって、フェイドがすべてなのだから。


「ニーグルム。お前は以前よりも力を増しているな?」

「はい。竜種の中で、私に勝てる者は存在しないと宣言します」

「そうか。元の姿には戻れるか?」

「可能なようです」

「それだけ分かれば十分だ。最古の黒の支配者が使っていた技とかは覚えているか?」


 神が敵になるなら、今以上に強くならなければならないと理解したフェイドは、最古の黒の支配者を知っている唯一だろう存在であるニーグルムにそう尋ねた。

 その理由は、一時とはいえ、世界を支配した存在だ。それと同じ力を持っているなら、同じことができると。


「いえ。私は見ておりません。ですが、一回だけ目のあたりにしました。すべてが闇で染まり、その後には何も残っていませんでした。人も、森、街も、何もかも」

「なるほど」


 話を聞くだけでは理解できないフェイドは、何かしら広範囲の殲滅魔法を使ったのだろうと推測していた。

 本人は遥か昔に死んでおり聞くことは叶わない。


「残念だ。だが、神すら倒せる力を付けないといけないな」

「その通りかと。神は支配者や勇者が敵わないと知ると、何かしらの介入があることでしょう」

「だな」


 頷き、フェイドはさらに強くなることを決意するのだった。


最後までお読みいただいてありがとうございます!


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