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木曜ばんびいの  作者: 雛 ソウスケ
7/10

第七話 私が先輩なぁのだ

 ご主人の実家にはご主人の父上様、母上様、がおられる。お二人ともとても優しいお方たちである。

 が、問題なのがこの方々と一緒に暮らしているチワワとトイプードルである。

 チワワの方は私と同じ犬種であるからして、いわば親戚のようなモノなのだから、私としては親戚付き合いとまではいかないまでも友好関係を築きたいと思っているのだが、なかなか上手くいかないのである。

 なぜ上手くいかないのか?

 とにかく吠えるのである。誰彼構わず吠えるのである。

 人はもちろん友好関係を築きたいと思っている私にも吠えるのである。

 確かに私の方がイケメンであるから嫉妬心から吠えるのかとも思っていたら、彼には辛い過去があったのだ。彼はいわゆる保護犬で、ご主人の実家に来るまでは相当虐げられていたらしく、その結果周りの如何なるモノも信じられなくなってしまったのだろう。その事情を知ると誰彼構わず吠えたくもなる気持ちも分からなくもない。

 何とか彼の悲しみや、やるせなさを和らげてあげたいと思うのだが、たまにしか会えないため未だ彼と腹を割って話せてないのは残念である。

 問題はトイプードルである。彼にはほとほと手を焼いているのである。先ずは、その体躯の大きいこと。私と彼が並んでいると、大人が生まれたての赤ん坊と並んでいるようなものなのである。そんな大きな彼が私にちょっかいを出し、果ては私の上に乗っかってくるのである。彼としては、じゃれているつもりなのかも知れないが、私としては潰されそうな恐怖を覚え、とても遊び相手になってやろうなどとは思えないのである。

 まだ、トイプードルには問題がある。

 食事のことである。

 私も彼も同じモノを食べるのであるが、私は上品な性格ゆえ、ゆっくりと食事を楽しみたいのだが、早食いのトイプードルは自分の分をサッサと食べ終えると、私の分にまで手をつけるのである。

 しかし、利発で、上品で、紳士的で、温厚ゆえに争いを好まない気の小さな私は文句など言える訳がなく【是非に及ばず】とばかりに我慢をするしかないのである。

 いわゆる『可哀相なばんびぃのちゃん』なのである。(誰も言ってくれないから自分で言うのである)

 だから、食事時になるとトイプードルの彼は実家の母上様に叱られているのである。

  (ざまぁみろ!)

 その上、先程のチワワ同様、私よりうんと年下なのに態度まで大きいのである。彼の辞書には【長幼の序】なる言葉が欠落しているのではないかと思うほど、年上を敬うという気持ちに欠けているのだ。

 私は何度も彼に

 「私が年上だぞ。私が先輩なぁのだ。」と口を酸っぱくして言っているにも関わらず、聞く耳を持たないのである。ほとほと困ったトイプードルである。

 しかし、しかしである。

 それ以外のことにおいては誠に快適である。

 特に実家の母上様ときたら、本当に優しいのである。博愛の人なのである。

 常に私のことを気にかけてくれ、バカボンのママばりの優しい口調で、

 「ばんびぃの」と呼び、

 「ばんびぃのは大人しくていい子やなぁ〜」と褒めてくれる。

 だから私は母上様が大好きなのである。大好きであるからして、夜眠る時は母上様の布団に潜り込むことにしている。母上様の横で寝ている時は安心である。何をおいても寝相がいいからなのだ。それに比べて、ご主人ときたら寝相が甚だしく悪く、ご主人の横で寝ていると何度も潰されそうになり命の危険を感じることさえある。しかもイビキと寝言の合わせ技もあるから困ったものだ。

 親子なのにここまで違うのかと思う今日この頃である。

 

 P.S.

  今回はオチがないなぁ〜。

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