表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
木曜ばんびいの  作者: 雛 ソウスケ
6/10

第六話 再び病院へ?

 あれは確か、ある晴れた日の昼下がりだった。日向ぼっこでもしてノンビリ過ごそうと思ってた矢先にご主人が、

 「ばんびぃの、病院に行くよ。」

  (ん?病院?)

 確かに前回は風邪をひいていたので仕方なかったが、ここんところ病気どころか風邪一つひいてないのである。

 「おいお前!いや失礼。ご主人。私は健康だぞ!」

 「私はどこも悪くはないぞ!」

 「何を寝ぼけたこと言ってるんだ⁈」

 などと最大限に抗ってみたが徒労に終わり、いつものお出掛け同様、いつ壊れてもおかしくないご主人の愛車の助手席に乗せられると無理矢理連れ出されたのである。

 ところが、ところがである。

 ご主人に連れて行かれた先は、先日の病院同様に診察台のようなモノはあったが、どうも雰囲気が違っていたのだ。

 ご主人は私をそこの店員らしき女性に預けると

 「じゃあ◯時に迎えに来まぁ〜す。」と言うとソソクサと帰ってしまったのである。

  (薄情な奴め!呪ってやる!)

 取り残された私は少々不安ではあったが、持ち前の好奇心旺盛な性格と相手が女性だということで腹を括った。

 しかし、しかしである。

 その後が大変だったのである。

 私はキッチンのシンクのような所に入れられ、訳の分からない液体をかけられ、やたらワシャワシャと体を揉まれ始めたのだ。すると、その訳の分からない液体が泡立ち始めたではないか。初めてのことなので不気味な感じではあったが、しかしその気持ちの良さと言ったら今までに味わったことのないものだったのだ。

 私は思わず

 「チョ〜気持ちいい!」

 「何も言えねェ〜」

 と、あの水泳選手の有名なフレーズを口走っていたのである。

 ワシャワシャが終わると、今度は診察台のような所に乗せられ温かい空気の出る機械を体にあてられたのだ。またまた、これも気持ちの良いものだったので、

 本日2度目の

 「チョ〜気持ちいい!」

 「何も言えねェ〜」を発してしまったのである。

 その後、ケツ、失礼、お尻の周りを何度も触られた。女性に触られてる気恥ずかしさで思わず赤面したが、私の全身は艶やかな黒毛で覆われているため、その赤面はほぼほぼ分からなかったようである。これは、お尻の近くにある穴から肛門線液なるモノを絞り出す【肛門線搾り】というらしい。これをやっておかないとダメなのだそうだ。

 その後、爪を切られたり、耳の中の掃除をされたりと様々なことされたのである。

 全てが終わると頭にリボンを付けられた。どうも可愛さをアピールさせたかったらしいが、こんなのが無くても私は充分可愛いのである。

 つまり今回は、私が【美容院】を【病院】と聞き間違えたというのがオチである。

 

 お後がよろしいようで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ