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木曜ばんびいの  作者: 雛 ソウスケ
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プロローグ

 朝から激しい雨音で目が覚めた。そろそろ堕栗ついり花の時期らしい。私のご主人は昨夜も遅くまで机にむかっていたらしく、激しい雨音をモノともせず、ササヤカな幸せを感じるが如く惰眠を貪っている。間も無く昼。腹も減ってきたし、水の入れ物も空っぽ。早くご主人に起きてもらわないと空腹で倒れそうだ。

 「オッ!」

 ご主人がお目覚めのようだ。

 「おはよ〜」

 と、まるで爆発でもしたかのような寝癖頭をゴシゴシ掻きながら、いつものように階段をギシギシ鳴らして二階から降りてきた。そして、これまた、いつものように私を抱き上げると目覚めの頬擦り。

 「ったく!男同士の頬擦りなんて気持ち悪いよ!」

 と言ってはみるものの、お互いに言語が違うから通じない。そう!私は犬でご主人は人間なのである。お互いにお互いの言葉は話せないのだ。頬擦りの後は、いつものように私の朝食である。これまた、十四年間変わらないドライフード。以前、一度だけ値段の高いドッグフードを食べさせてもらったことがあるのだか、その時はあまりの美味しさに私の胃腸が驚いたらしく、お腹をこわしてしまったため、結局安いドライフードに落ち着いたのである。あの時、もしお腹をこわしていなければ、今もあの美味しい朝食をたべられているのかもしれないと思うと、自分の胃腸に腹立たしささえ感じる時もあるが、今となっては後の祭りである。そして、ご主人は私がドライフードにがっついてる横でコーヒーという黒い液体を旨そうに飲んでいる。我々犬族には分からないが、このコーヒーという黒い液体は相当旨いらしい。一度、飲んでみたいものである。

 とまあ、こんな感じで二人?の生活を文章にしたいと思い始めたのである。

 昔、文京区の千駄木辺りに住んでた黒猫が小説を書いてたらしいのだが、私には小説などというものを書く才がないから、ツラツラと日記のようなモノを綴っていこうと思っているのである。あっ!最近はブログなどと言うらしいのだが…。因みに、千駄木の黒猫のご主人は中学校の英語の先生だったらしい。でもって、私のご主人は売れない役者である。とまあ一人と一匹の呑気なユル〜イ生活を綴っていこう思っているのである。

 そうそう、千駄木の黒猫には名前がなかったが、私には洒落た名前がある。

 私の名前は、「ばんびぃの!」



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