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叩けたら

作者: タマネギ

ガタガタ、ガタガタ、風が

戸を叩いたか。

サッシしかない家なのに、

どこから聞こえるんだろうと、

音に目を向けた。


庭か……積み上げた

空のプランターが揺れているのか。

春一番、ということではなく、

今日は、風が吹いているようだ。


あなたは夕方、出かけると言った。

風があるから、寒いかもと言う。

着ていくものを迷うかもしれない。

履いてゆくものも迷うかもしれない。


好きなことをして、

好きなように暮らす。

好みはあるだろうけれど、

わかりやすい幸せとは、

そんなことだろう。


そこそこの年になった。

自分に何ができるだろう。

生きていくために、

何かできないか。


そこそこの思い出を持った。

好きなことをするにしても、

安らげるために、

何かできないか。


誰かが喜んでくれるような、

誰かが懐かしんでくれるような、

何かを捧げられたらいいのに。

何かを持ち上げられたらいいのに。


ガタガタ、ガタガタ、風が、

戸を叩くように、

誰かの少し未来を叩けたら。

あなたの少し未来も叩けたら。


行ってきます。

出かける前のあなたに声をかけた。

行ってらっしゃい。

冷たい風が吹く道に出る。


与えてもらえたように、

与えられるように、

春先の世界を見渡すのが、

歩き出す喜びと踏み出した。

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