クソスキルで最強になります。
クソスキルだと言われているスキルがある。
第1話ゲームでムキムキになります。
最近話題のゲームを買ってみた。
あたかも自分が本当にそのゲームの中にいるような感覚を味わえるらしいのだ。
現実ではぽっちゃり体型の20才加藤まゆむ。1度もダイエットに成功したことがないのだ。
どうもにも続かないのだ。
そんな自分でもゲームの中ならムキムキになれると思い買ったのだ。
ムキムキになるというのは外見もだがスキル面でもだ。
このゲームは《身体強化》というスキルがあり、そのスキルのLvを上げていくと自分のアバターの身体能力が上がるらしいのだ。
しかし、発売当初から《身体強化》はゴミスキル、ネタスキルなどといわれているのだ。
なぜなら、運営の公式サイトに【身体強化のスキルはLvを上げることで基本的な動作が強化されます】
と掲載されていたからだ。
このゲームはただでさえ覚えられるスキルの数が異様にすくない。
なのに基本的な動作の強化などという別にあってもなくてもわからないようなスキルは要らないということしい。
しかし!何事もまずは基本からと自分は思っている。
だから《身体強化》のLvを上げてゲームの中で、ムキムキになりこのスキルがどれだけすごいスキルなのか証明するのだ。
ーーーーーーいざ、ゲームの世界へーーーーーーーー
【まず始めに自分のアバター名を決めてください。】
『アユ』
【性別を選択して下さい】
男性
【これで初期設定は終了です】
「すごいな」
つい、独り言が漏れてしまう。
自分は始めたばかりのプレイヤーの拠点となる街
〈始まりの街〉にいる。
たくさんのプレイヤーで活気に溢れている。
たくさんのお店が並んでいて、武器を売っていたり料理を出していたり様々である。街並みはレンガ造りやテントのようなものを出しているところもある。
自分は早速人の居ない場所に移動し、スキル一覧を開く。スキルは全部で7つあり
《身体強化》 《火魔法》 《水魔法》
《土魔法》 《光魔法》 《闇魔法》 《剣技》
となっている。そしてこの中から最大2個まで選択する事ができる。ここで決めたスキルは後からでは変更できない。
もちろん自分は《身体強化》のみを選び、スキル一覧を閉じる。
すると後ろから
「うわ、お前アホだろそんなクソスキル選択して、しかもそれ1つって馬鹿じゃないの?まあ馬鹿じゃないとそんなことしないか」
「本当馬鹿ね」
「クソスキルでクソモンスターでもたおしとけよ」
「馬鹿はたいへんだねえ」
4人パーティーだろうか。
そんな事を後ろから言われたがキニシナイ。いつか、このスキルの本当の価値をお前らに見してやる、と思いながらその場を去るのだった。
そのスキルの真の価値を見つけ出し、最強ムキムキになる。