プロローグ~生の終わり~
初めまして、火神零次と申します。初めての投稿なので少しダメな部分などありますが、よろしくお願いします。
ーー冗談だろ……
彼はそう思った。
一体何故?そう考えられる。
彼の目の前には自分の家が焼け崩れているのだから。
ーー家は間違えてないはず……
今ごろになって、家の場所を間違えることなんてない。
彼の脳裏に、とあることが流れる。
ーーあいつは!?
妹が今日は部活がないからと言い、家で勉強していた。それを思い出した彼はすぐに走る。
けれども、走れない。
ーー動けよ!このポンコツ!
恐怖で動けないのだ。
妹を助けないといけないのに。恐怖で足がすくむ。
しかし、このまま動けなければ、自分も家の崩壊に巻き込まれてしまう。
生と死の境目に立っている彼は、妹を助けると決めた。
動けなくなっている足を叩き、無理矢理体を起こす。
彼は崩壊し始めている家の中へと走り、妹を探す。
ーー何処だ!
恐ろしく、熱い。
体が燃えてしまいそうなほど、ここから、出ていきたい。
それでも、助けないと意味がない。
無謀だということは分かっている。
逃げたかもしれないと思って待つことだってできる。
でも、何故か助けに行かなければいけないと、酷く嫌な予感がしていたのだ。
ーー一体何処に……
このまま探すか、逃げるのか。
徐々に、彼は焦り始めていく。
そして、次の瞬間ーー、
ーー何だ!?
彼の後ろで、崩れかけていた木が倒れてしまう。
もう退くことはできない。
彼は意を決して、妹を探す。
けれども、見つからない。見つけられない。声も発することができないほど、熱い。
ーー逃げたのか……?
その考えができたとしても、彼に生と言う道はない。退くことはできず、周りは燃えて崩れていく。
ーー……!
彼はハッとし、上を見た。上からは、天井で一番大きな木が、彼のところに落ちてきていた。
ーーしまっ……
動こうとしたときには、もう遅かった。
その木に体を貫かれ、吐血する。
ーー熱い……痛いってどころの話じゃねぇな、これ……
痛いという感覚は、燃え盛る家に入ってからとうに消えていた。
彼は諦めた。生にしがみつくということに。
だから、彼は最後に祈った。
せめて、妹や両親が無事であってほしいと。
彼は目を閉じた。もう何もできることはないのだから。
それでも、心残りがあった。
別れ言葉が言えなかったこと。でも、仕方ないと思う。
寿命で死ぬならばまだしも、事故死等のどうしようにもないことは、もう何も言うことはできない。
それに、こんな燃え盛る中に来る馬鹿は居るのかと、考えただけで笑えてくるものだ。
ーーあ~あ、こんな苦痛するより、ささっと死んだ方が早ぇな
彼はすぐに目を閉じた。もうすぐ死ぬからだろう。
そして、今ここに、彼の人生は終わりを告げた。
ただそれは、この世界の生でしかない。この世界での生が、終わった。
読んでいただき、ありがとうございます。誤字脱字等があれば指摘していただくとありがたいです。




