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MP0(ゼロ)の邪神さま!!  作者: カノン♭
【第三章】忍び寄る影
22/24

05【腐肉喰らい】

地下トンネルは更に不気味な、異様な雰囲気を

醸し出していた。元々暗い空間なんて好きではない愛結華(あゆか)

しかも、開発途中で投げ出された地下トンネルには

電気なんてもの、通っているわけもなく...。


出入口から射し込む朧気(おぼろげ)な赤紫の光を

頼りに進むしかない愛結華(あゆか)であった。


(というか、なんで私があのナルシストの為に

こんな怖い思いしなきゃならないわけ?

そもそも今、危険を犯してまで会いに行くような

価値なんてアイツにはないじゃない...!!)


愛結華(あゆか)はピタリと足を止め、懐中電灯で

靴先を照らす。彼女の胸の中では恐怖という感情が、

ふつふつとした怒りへと変わろうとしていた。


...それはどうやら、行き場の見失った我慢出来ない

恐怖を違うものに変換させる事によって、現実から

目を背けようとする、一種の防衛本能のような

何かだったのだろう。

言うまでもなく、愛結華(あゆか)には今もこれからも気付けぬことなのだが......。


「もうやーめたっ!帰ろ帰ろ〜」


なんだか突然、何もかもどうでもよくなってきた。

わざわざ危険な橋を渡らずとも、いずれ他の

チャンスが巡ってくるはずだ。

人生とはそんなもんだ。うんうん。


愛結華(あゆか)は9割方自分に言い聞かせるように

心の奥で呟き、そして納得した。

クルリと(かかと)に重心を置いて180度、回転をする。

あっという間に愛結華(あゆか)の靴先は、入口に向いた。


向いたのだ。



____ムイテシマッタ。

__ミテシマッタ。



「____っっ!!!!!????」


そこにいたのは二足歩行の生き物だった。

...一瞬、人間という単語が脳内をかすめ去り、

すぐに『怪物』という単語がやっと落ち着き、

腰を下ろした。

そう、確かにソレは二足歩行をしていた。

しかしそれは人間と言うには、あまりにも

かけ離れた容姿である。


犬のような顔に、ヒヅメ状に割れた足。更に

不気味なのが、ゴムのような不愉快な皮膚!

ソレが1体...いや、よく見ると影から続々と

出てくるではないか!!不気味な双眼を影の中で

光らせて、何かを早口で喋っている。


「ひっ...!う、ウソ...でしょ......っ!!!」


少しでも気を抜けば、たちまち気が触れてしまいそうな、そんな恐怖に彼女は情けない声を上げることしかできなかった。


ジリジリと近づいてくるソレら。

愛結華(あゆか)はカタカタと震えながら

半歩ずつしか後退できなかった。

まるで体が言うことを聞かない。自分の体が

蝋人形にでもなったような気持ちだ。


ついには瞬きも出来ず、動きが完全に取れなく

なってしまった。カチコチに固まってしまった。

どこかで見た立像のように。

ただ、心臓だけは。いつもは静かに、動いているかも分からない心臓だけは、狂ったように

『死にたくない!死にたくない!!』と激しく

血流を体に送っていた。


怪物たちは、突然現れたご馳走に舌なめずりをする。

はじめに何処を喰おうか?この娘はまだ若いから、

腹や足は沢山肉がついてるし、脳味噌や臓器だって

最高に美味いだろう。


そんな事を個々に思いながらソレらは獲物に

飛びかかる為に後ろ足に力を込めて____。


「_______!!!!!!!」


「「「!!!??」」」


その時、言葉にも言い表せない程の不気味な、

大きな喉声を愛結華(あゆか)は確かに聞いた。

そして、バサリッという穢らわしい羽音を

僅かに耳にした直後。



ヒュゴオオオオォォォオォオォオォオオオ!!!!!!!!!


物凄い強風が愛結華(あゆか)を襲った!

髪が一瞬全て逆立つような、足に力を入れないと

風に(すく)われるような、恐ろしい強風が!


思わず目を閉じるも、その風は意外とすぐに止んだ。

そして、そろりそろりと(まぶた)を開けた。

彼女の視界いっぱいに広がったのは、巨大で、

極太の、蛇のようなシルエット。

そして__


「よお?ご馳走が沢山あるんじゃねーの。

今日はフルコースのランチと洒落こもうか!」


恐ろしいほど美しい、あの男であった。

お久しぶりです!

失踪してないよ!生きてるよ!!

なんとか書き上げた続き...!

今回も楽しんでくれると有難いです^^*

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