10【サヨウナラ】
ピチチッ!
可愛らしい雀の鳴き声が、どこからか聞こえる。
その音が耳に届いたのか、ベッドで
横になっている少女はパチリと目を開けた。
「ん、んん......」
目覚めたばかりの少女、科戸愛結華は
まだ回らない頭でゆっくりと部屋を見回す。
そして、目覚め特有のどこか掠れた声で
「......ニャル?」
そう呟くも、それに返事する者はいない。
ニャルラトホテプがダイナミックお邪魔しました。で
壊した窓ガラスも、何事もなかったかのように
優しい朝の光を運んできている。
(......もしかして、夢...、なの?)
ようやく目が覚めてきた愛結華は
再度、部屋をぐるりと見回す。
と、そこで彼女は「あっ」と小さく声を
あげた。
彼女が目を止めたのは、小学生の頃に
買ってもらった時から置いてある学習テーブル
だった。
そこに、昨日まではなかった、見慣れない物が
置いてあった。
メモ帳と、小さな紙袋だ...。
「これ...?ぁ、メモ帳......」
ガサリ、と音を立ててメモを黙読する。
そこには初めて見る、完璧な日本語が
記されていた。
『アユカへ
MPが足りなくて、完全にお前の精神病を
治すことが出来なかった。
急いで貯金しといた魔力を下ろして、
何とかドリームランドから薬品の材料を
手に入れてきた。
(ここら辺はどうせ意味が分からないだろうと
思うから飛ばして読んでくれても構わないぜ)
そこの紙袋に人間の精神病に効く薬を
1ヶ月分作っておいた。これぐらいあれば
完治するだろう。...きちんと毎日、朝起きたら
飲むように。いいな?
では、サヨウナラ。
無貌の神より』
「.........」
(めっちゃくちゃ止め、払いがしっかりしてる)
思わず、小学生のドリル並みな平仮名や漢字を
凝視してしまったが、すぐに彼女は
隣の紙袋をガサゴソする。そこには
メモ帳の言う通り、錠剤が幾つか入っていた。
「......ニャル」
愛結華は錠剤を1粒手に取って
水を求め、1階へ下りた。
1階には残念ながら両親はいない。
数日前から仕事で海外に出張に行っているからだ。
もう慣れた無音の家を歩き回り、キッチンで
水を汲むと一瞬、得体の知れない薬剤を
飲むのに躊躇したが、すぐに水で流し込んだ。
徐々に明るくなる朝日、
少しずつ聞こえてくる人の声...。
いつもの日常が着実に戻りつつあった。
もう、あの滅茶苦茶な神と会う事は無いだろう。
愛結華はホッとするような、
でもどこか心に寂しさも感じながら、
彼女は『普通』の『平凡』な毎日へと進むために
今、一歩踏み出したのだった__。
愛結華には、わざと詳しい事など
知らせずに、ここまで書きました。
信じられるか?これ、たった1日の
出来事なんだぜ...??
普通に考えたら様々な疑問が2日目に
来ると思うんで彼女はじわじわと疑問が
出てくるでしょう...(苦笑)
今日も読んでくれて有難うございます!
後書き長いのでここらで失礼っ!!




