届かぬ想
なぁ、聞こえるか?
すごい風だよな。
明日…雨だってさ。
最近さ、この部屋……無駄に広く見えるんだ。
こんなさっぱりしてたっけ? って。
お前もそう思うだろ?
やっぱ掃除のしすぎはダメなんだよ。
なぁ、教えてくれ。
さっきからこれ…何なんだ?
鬱陶しいんだ。
瞬きする度に現れてくる。
これのせいで、すごく目が熱いんだ。
風が冷たく感じるんだ。
お前なら知ってるだろ?
すごく、息が苦しいんだ…。
まだ分からないんだ。
頭の中でふわふわしてて、よく考えられなくて。
俺、病気なのかな?
答えてくれよ。
助けてくれ。
お前がいなきゃダメなんだ。
1人じゃ…生きていけないんだよ……。
俺だけが置いてけぼりだな。
みんな前に進んでるのに、俺だけここから動けなくってさ。
分かってるんだ、このままじゃ…お前に叱られるってことくらい。
だけど…だけど……。
「るか、るか、るか、るか、るか、るか…………」
バカみたいって言うんだろ?
お前の名前ばっか呼んでさ。
そう思うなら、会いに来てくれよ。
なぁ、聞こえるか?
いや…聞こえるはずないよな。
俺、決めた。
絶対言えないって思ってたけど、今度こそ言おうって。
分かってる、もう会えないんだって。
俺、お前のこと忘れない。
忘れられない。
さようなら。
愛してる。