起:少女の序幕
はじめまして、もしくはご無沙汰しております。
二次要素は出来る限り取り除きましたが、どこかに残っているかもしれません…あと駄文ですみません。
満月の夜、少女は手を引かれて家の中を走っていた。聞こえてくるのは悲鳴に叫び声。
少女は見たこともない化け物に追われる中、女性に手を引かれて走っていた。
少女には狐の耳と尻尾があり、とても綺麗だったと思われる尻尾は今や煤と灰で汚れていた。女性の方は少女と同じ耳をしていたが、少女と同じ尻尾が九本生えていた。
つまり九尾狐だ。
「こっちよ」女性は少女をいつもの倉庫に連れてゆき急いで扉を閉めて、扉に結界術を唱えた。
女性の得意とする結界術は誰一人通すことない強い結界であるが…今や弱っている女性の体では長い事は持たなかった。
女性は大きな荷物を押しのけると床下倉庫みたいな入り口が現れ、入口を開けると人一人は入れる大きさ隙間があった。元々は漬物を入れておく場所だが…女性は少女をその中に抱きかかえるように入れて言った
「いい?助けが来るまでずっとここにいるのよ」
「母上は?」少女は聞いた。
「私は大丈夫よ、だから安心して隠れてなさい」母上と呼ばれた九尾狐の女性は答えた。
だが結界を張られた扉の向こうは今でも化け物が入ってこようとしている中大丈夫なはずがない事は子供の少女には一目瞭然だった。
「いやです!私も戦います!」少女は床下から出ようとしたが
「聞き分けのない子は、ッメ!よ?」少女の母親は少女のおでこを人差し指で触れると、少女に急な眠気が襲いかかる。
「貴女は生きて頂戴…大丈夫、貴女は母上がいなくてもいろんな仲間たちが貴女を支えてくれる…」と母親は言葉を少女に残し、そこで少女の意識が途切れた。
「…なさい」
…
「…きなさい」
…
「起きなさい!」
「はい!!」いきよいよく目を開けた少女は周りを見渡す。
少女は狐の耳と尻尾があり、怖い夢を見たのか、垂れ下がっていた。
ここは…草むらの中?…目の前にいるのは…
「ハル?」狐の少女は自分を起こした人物の確認を取った。
「作戦中に居眠りなんて…何やっているの?」ハルと呼ばれた少女は呆れたように言う。
「…ごめん」
「いいのよ、まだ敵は…おっと来たわ…準備しなさい」ハルは望遠鏡を取り出し、現れた敵を確認する。
「やはり来たわね、こちらベータ2S、敵確認、準備せよ」
ハルは無線に呼び掛けると、返事が返ってきた。
(こちらアロファリーダとオールアロファより、了解)
今回の彼女達の任務は巨大石像の討伐、あの石像一つだけでこの世界の生態バランスが崩れてしまう為一刻も早く倒す必要がある。
その巨大な石像は見た所ただの巨大な石の石像だ、今彼女達がいる世界に魔法は存在せず中世規模科学程度しかない。その為この世界の住民は、その地域の宗教的な何かを想像し、石像に神か悪魔が宿り暴れているのだと思っている。それらを倒す私達はこの世界の場所によっては歓迎されては迫害しているわけである。
そして、彼女達はその石像が何で動いているかはわかっていない。装甲を石で偽造した機械兵器なのか、それとも魔力で動いているのか…調べようにも倒せば塵となり消えていくし、捕獲しようとしても、まるで意思があるのか、それとも操られているのか…自決する。
ただわかっているのはこの世界に存在しないエネルギーを放出しながら行動している…それだけだった。
巨大石像はあるポイントに移動すると、地面が沈み始める。
「かかったわ」巨大石像は地面に沈んだのではなく、落とし穴に引っ掛かり、身動きが出来なくなった。
その時を待っていましたと言わんばかりに「てぇー!!」と言う指示が出ると、大量の矢が、空を埋め、巨大石像に襲いかかった。
矢には火薬が使われており、現代技術を御応用で当たれば爆発する仕組みだ。
巨大石像は暴れ、落とし穴から這い上がろうとするが、周りに設置された爆弾の爆発で登ろうとしては落ちると言う状況が繰り返され、ついに巨大石像は動かなくなる。
動かなくなった事を確認したハルは無線で「撃ち方やめぇー!」と指示を出した。
矢が止み、ハルは望遠鏡で巨大石像を監視する。
巨大石像は粉になり、霧のようにバラバラに崩れて言った。
それを確認したハルは「敵撃破を確認…皆様お疲れでした!」と無線に呼び掛けると
「やっとシャワーあびれる~!!」
「良い汗かいたわね」
「おい野口、帰って飯食おうぜ」
「そうだな、大味なレーションじゃ腹ふくれね~もんな」
と彼女達の仲間が草村むらから現れ、一か所に集まり始めた。
「おつかれ」
「お疲れハル」
「さて、帰還しますか…全員転送開始!」
全員、その場から白い光と共に消えていなくなる。
転送先は、この世界にはない場所…いやどの世界にもない、世界と世界の狭間に作られた空間。
それは、魔法、科学…その他いろんな力で生み出された世界。
転送完了後ハルと別れた狐の少女は部屋に戻り自分の尻尾手入れをする。
彼女の尻尾は母がいつも綺麗と言ってくれた尻尾で毎日欠かさず手入れしている。とそんな時…自分の上司の士官室に呼ばれた。手入れの途中だが彼女はブラシを投げ捨て士官室に向かった。
士官室に到着し何かと思えば「入隊命令?」
「と言うより新たに作られる部隊に入隊してほしい」
新しい部隊ね…確かに一年前に私の部隊が解散になって以来どこの部隊に所属していませんが…。
「で、どの部隊ですか?」
すると上司は難しい顔して言った。
「ない」
「へ?」
「だからまだないのだ」
話によれば彼女が今から入る部隊は遊撃部隊でまだ名前もメンバーも決まっていない。
しかも今作ってばっかりだ。
上司に案内されるまま狐の少女は、ある部屋まで行かされた。
ドアを開けたその先は…何これ?
個性ある人ばっかりだった。
普通部隊は同じ種族の集まりが多いがこの部隊は…。
白い羽根…天族?
黒い羽根…蝙蝠の羽根ね、魔族かな?
頭が鳥もいた、鳥人はちょっと珍しい。
黒猫耳…白猫耳。
全身鎧、重たくないのかな?
変な格好…いや、彼女の世界の文化を馬鹿にしてはいけないわね…。
長い耳…エルフと呼ばれる種族ね。
あとは…ウサギ、犬に…人間
そして…変態だ!それもきわめて特殊な変態がいる!!
いやいや…きっと文化の違い!そうだ!そう決まっている!でも…そんな文化あってたまるか!!
と自分に言い聞かせる狐の少女はさら周りを見渡すと…一つ思った。
「って!!なによこの部隊!!共通点が全くないじゃない!!」
個性溢れる前代未聞の部隊に入れられた彼女は、これからどうなるか…頭を抱えて悩んだ。
「そう言えば君の名前はなんて言ったかな?」上司が聞いた。
狐の少女は胸を張り誇らしげに名乗る。
「私は、長き五千年の歴史を持つ偉大なる九尾狐の家系、セルビス・ジョイ・シュナムル
!…まだ一尾ですが…」
読んでいただきありがとうございます。
特に言うことはございませんが、途中で修正がかかるかもしれませんのですみません…。