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ガイアの持ち主  作者: ガイア
9/18

カメラジコン

「あなたは、ガイアの持ち主じゃないから・・・・」

音が何も聞こえなくなった・・・

そして、目の前が突然、明るくなった。

「はっ・・・!」

俺は、その明かりに向かって飛び込んだ・・・

そこには、見慣れた風景があった・・・

「お、起きたのか・・・」

リビングのソファーの上だった・・・

外では、すずめが小さく鳴いている。

ああ、そうか俺は昨日、はしゃぐだけはしゃいでここで寝てしまったのか・・・

と自己分析を終わらせて、ソファーから降りようとして、足に何か違和感があることに気づいた。

「えっ、ウソだろ・・・」

そこには、和葉がいた。正確には、眠っていたのだ・・・

ソファーにもたれかかる様にしながら、俺の足を枕にして寝ていた。

よく見ると、樋口も床の上で大の字で寝ていた。

「こいつら、何でまだこの家にいるんだ・・・?」

俺は、ため息混じりで呟いた・・・

まず、俺の足を枕にしている和葉から、どうにかしないとソファーから降りる事が出来ない・・・

和葉はサンタの姿で、気持ち良さそうに寝息をたてている。

普段、散々こき使わされているせいか、色気が感じられない・・・

まぁ、樋口だったら間違いなく襲われていただろう・・・

「おーい 和葉ー 起きろー」

と言って肩をゆすった。

いつも、乱暴に起こされているのだが、女の子相手ではそんな気にはなれない・・・

くそ 俺はなんて弱い人間なんだろう・・・ そして、なんて優しい人間なんだろう・・・

自分を悔いて、褒めた。

「んーーん おはよう それで何?ハル」

和葉が目覚めて、少し寝むたそうな目で訊いた

「お前な、人の足を枕にしといてよく訊けたな、そんな事・・・」

「えっ わぁっ」

と小さめの悲鳴を上げて、俺の足からどいた。

俺は、まだ和葉の温もりが残る足でソファから立ち上がり、

「んで お前らは結局自分の家には帰らず、俺の家で一晩過ごしたのか・・・」

「う、うん まぁ・・・」

床に座り込んだ和葉を見下げるようにして訊いた。

サンタの姿をして、床に座り込んだ和葉は、少し可愛く見える。まぁ、絶対に気のせいなんだが・・・

少し反省しているのか、小さく見える和葉に、

「まぁ 別にこの家は俺以外いないからいいんだけどな。」

と、遠まわしに、別にきにするな、と言っておいた。

「よし 次は樋口だな。」

俺は樋口の方へ歩みを寄せた。

「おい 樋口 起きろ!」

「だぁー」

起きない・・・

すると和葉がそんな俺を見て、床から立ち上がり、

「ちょっと ハル、私にもやらせて」

と言って、近づいてきた。

樋口の頭の前まで来ると、腰をかがめて、樋口の鼻をつまんだ・・・

「ん ふがっ だだぁ」

と樋口が少し苦しそうに動き始めた。

て言うか、ミニスカートのサンタの衣装でそんな座り方すると、見えてしまいそうで怖いのですが・・・

「ふ、ふが だば がっ」

樋口がもっと苦しそうに暴れ始めた。

「おい、和葉 もう、そろそろ放してやれよ」

と俺は指摘した。

だが、それはもう遅かった・・・

「んがっ ・・・・・・・・・・・」

動かなくなった・・・

そして、和葉が手を放し、少し心配そうに、

「おーい ひ、樋口 生きてる?」

そんな和葉の質問に対し、樋口は、

「・・・・・・」

答えない・・・

「か、和葉 お前・・・」

と俺は少し本気で和葉を指摘した・・・

和葉は、ちがうちがう、と言う風に首を振っている。

その時だった、

「ぶはぁ!」

樋口が飛び起きた。

生き返った・・・

そして、少し荒い呼吸で樋口が、

「お、おう ハル、苑宮 おはよ」

「お、おはよ・・・」

少し戸惑い気味で俺は返事した・・・

すると、樋口が立ち上がりながら、夢の説明をしてくれた。

「なんか、俺のいた場所がいきなり、真空になってたな、そしたらなぜか近くに、なかったはずの花畑が見えてな。不思議な夢だったよ」

・・・・・あの世寸前・・・

俺は改めてこう言った、

「お、おかえり・・・」








「ふーん で、ハルお前はどうしたい訳だ?」

樋口は、背中を向けたまま俺に訊いた。

俺はこいつに、今日見た夢の話をした。

樋口は、俺の夢の中の事を知っている、たった一人の人間だ。

「まぁ これまで見たことない夢だったし、『ガイア』ってやつも気になるし・・・」

「そんで、どうしたいんだ?」

樋口が、同じ質問をしてきた。

「俺、そこに行ってみようと思うんだけど・・・」

「行く? その夢に出てきた寺にか?」

少し驚いたようだが、まだ背中を向けたままだ・・・

「ああ まぁ、テレビとかで見た事あるし、そんな危ない所じゃないだろし・・・」

「そうだとしても、京都だぞ」

あのあと、少し調べて、俺の夢に出てきたお寺が、どこにあるかを調べ、

出てきたお寺が、京都の「闘石寺(とうせきじ)」だったのだ。

「それが、どうした」

俺は、訊き帰した

「いくらなんでも、遠いだろ。 夢を調べに、そんな所行く気か」

「ずっと、気になってんの、嫌だし」

「本気で行く気かよ・・・」

樋口が少し呆れ返っていた。

すると、何かを決めたように背中を向けながら言った、

「よし!だったら俺もついていく」

俺も少し意外だった。

「えっ 何で?」

樋口は自慢げに、

「ハル一人だったら、迷子になるかもしれないからな」

背中を向けられながら言われても、説得力がない・・・

「ていうか、お前さっきから何してんだ?」

と訊いたとたん、樋口が・・・

「よし出来た!」

何か作っていたようだ。

「何、作ってたんだよ」

と俺が樋口の背中に訊いた

そして、俺の方へと向きかえり、またもや自慢げに、

「ふふふ よくぞ訊いてくれた。そうこれは、秘密兵器・・・」

と言って俺に向かって掲げたのが、カメラと、ラジコンをガムテープでぐるぐる巻きしたものだった・・・

「カメラジコンだぁ!」

ネーミングセンスが全くない・・・

俺は改めて尋ねた、

「で それは何に使うんだ?」

すると、またもや自慢げに、

「今、苑宮がなにしてるか、知ってるよな」

「ああ、今風呂は入ってるけど・・・ まさか、お前」

そう、和葉は風呂に入りたいと言ったので、今この家の風呂に入っている・・・

樋口は鼻で笑いながら、

「このカメラジコンに搭載された通信式カメラで撮影された映像は、リアルタイムでこのモニターで見る事が出来る」

「馬鹿 そんなことしたら、お前殺されるぞ」

「ふん それがどうした。 こんなチャンスめったに来ない」

こいつ、覚悟決めてやがる。少し感心した。

だが、俺はある事に気づいた

樋口の後ろには、拳を握った、風呂上りの和葉が立っていた。

それに気がついていない、樋口は、

「これを使って、苑宮の入浴姿を撮影する。」

うわっ 言いやがった・・・

くそ 興味が無い訳ではないが今はなにも言えない。

「よし そうと決まれば、苑宮の裸をバッチシこの目に納めてやる」

と言って、樋口が振り返るとそこには和葉が立っていた。

それはもう、驚いたことだろう、言葉さえ出ていない・・・

そこに、和葉が殺意のこもった声で、

「樋口 覚悟出来ているんでしょうね・・・」

「い、いや 苑宮これは・・・・」

樋口は、とっさに言い訳を言おうとした。

こいつ、本当に覚悟出来てたのか・・・?

だが、和葉は、樋口の言い訳を聞くことなく拳を、叩き込んだ・・・

「だがぁぁぁぁぁぁーー!!」

樋口の悲鳴が、我が家に響き渡っ


樋口はネーミングセンスが無いという事でお願いいたします。

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