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ガイアの持ち主  作者: ガイア
3/18

学校の主

学校の前まで着き、俺たちを待ってたのは、西川先生 通称「鉄人」

校門の前で朝のあいさつをしている。

「鉄人」このあだ名の由来は、まずその体系だ。ムキムキのムチムチなのである。簡単に言えばゴリマッチョ!

そしてもう一つ、なぜか彼は、持って来てはいけない物を学校に持って来ている生徒を、一目で見抜いてしまう。

人はそれを、「鉄人スコープ」と呼ぶ。

そして、今日もまた「鉄人スコープ」の餌食なっている生徒が一人・・・

「ん? 貴様これは何だ!」

そう言って目の前にいる生徒のカバンに手を突っ込んだかと思うと、取り出しは、PSPである・・・

「げっ 嘘だ! いつもより慎重に隠したのに!」

本当にどうやって見抜いてるんだ?あれ・・・

「うわぁー いやだ! 生徒指導室だけはいやだぁぁぁ!」

「問答無用! ほれ、連れて行け」

そう言うと生徒会の連中が、引きずるように連れて行った・・・

可哀想に・・・  長いんだよな・・・説教

俺も以前、マンガを持って来て生徒指導室でお世話になった事がある。

「あの生徒、1時間ぶっとうしで説教なんだろうな・・・樋口」

そう言って樋口の顔を見ると、震え上っていた。

「樋口? どした? まさか、お前!」

小さく、うなずき

「俺・・・エロ本持ってきた・・・」

ここにまた、「鉄人スコープ」の餌食になる人が、また一人・・・

「ハル! 俺ヤバイよ! これで16回目だよ! 次やったら2時間だって言われてんだよ」

16回目・・・ これもか・・・

少しは学べよ・・・

「ハル頼む なんとかしてくれ」

俺は小さく首を振った。

「無理だ・・・ あれを超えた奴はいない・・・」

すまない、俺の数少ない友よ!

「そうよ樋口 男らしく立ち向かいなさい」

「くっ! そうだよな、俺には、チ○コが付いてんだもんな! よし!」

コイツいったい、なに言ってんだ?

「ハル あとは頼んだぞ!」

「なにをだ・・・」

そう言うと樋口は俺に背を向け・・・

「打倒鉄人!」

と言って・・・

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

・・・走っていった・・・

そして校門をくぐろうとしたその時・・・

「貴様! これは何だ!」

そう言うと鉄人が、樋口のカバンの中に手を入れて、エロ本を取り出した。

「ぐはぁ!」

何の効果音だ・・・

「おい! こいつを連れて行け」

そう言うと生徒会の方々が現れ連行する

「チクショーーーォォォォォォォォォ・・・・・」

樋口の声が小さくなっていく・・・

戻って来る時には、

尊敬する人、福沢諭吉  趣味、勉強

になっていなければいいのだが・・・

なぜか和葉は楽しそうに眺めていた。

・・・・・鬼だ!






結局、樋口が帰って来たのは2時間目だった。

樋口からは、生気という物が感じられない

「おい 樋口大丈夫か?」

「ん? あ、ハルか・・・ まぁな・・・」

嘘だ・・・ 2時間の説教はこれほどのものなのか・・・

「樋口! 尊敬する人はだれだ!」

いつもだと即答で、上戸彩なのだが・・・

「・・・夏目漱石だ」

「おい 樋口戻って来い!」

そう言って肩をゆすると、

はっ! と、目が覚めたようなそぶりをしてキョロキョロしている

生き返った・・・

「ハル・・・俺は何を・・・」

「樋口!」

「ハル!」

そんな事をしていると後ろから声がした、

「なに馬鹿な事してんの、もうすぐ授業始まるよ」

和葉だ・・・ 樋口にはもう気が付いているはずだ・・・

その瞬間にチャイムか鳴った。おなじみのあのチャイムだ。

そしたら先生が来た。

俺たちは、おとなしく席に戻った。

俺の席は、窓側の一番後ろのせきだ。そこそこいい席で気に入っている。

和葉の席は、俺の斜め前だ。近い・・・

樋口は、遠い・・・

授業が始まった。俺はすぐに眠りについた・・・





俺は、あそこにいた。

いつもの場所、いつもの香り。夢の中だ・・・

そして、そこには彼女もいた。

「ふーん まさかこんな時間くるとはね・・・ 予想外」

「俺はいつ寝ても、ここに来るのか?操緒」

そう操緒である・・・

「べつに今日知ったわけじゃないでしょ?」

楽しそうに答えた。

こいつは、いつも楽しそうだ。

こいつは、俺が5年生なった頃から俺の夢の中いる。

そして、俺たちと同じように成長している。

「もしかして、操緒に会いに来たの?」

「違う なんで俺がわざわざ不気味な夢の中にいる人に会いに来ないといけないんだよ」

「うわ 不気味って事は無いでしょう これは晴紀のイメージなんだから。」

イメージ・・・ こいつも俺のイメージなのか・・・

「あっ 操緒はイメージじゃないんだから」

「・・・・・」

俺が今言ようとしていたことだ・・・。先を越された。

こいつは性質がが悪い。ある意味和葉より性質がわるいかもしれない。

操緒は、誰よりも俺の事を知っている。

俺の見た物、聞いた事、話した事、感じた事全部を知っている。

俺のベッドの下にある『男のロマン集』の秘密をこの世界でたった一人知っている人物だ。

「なら、お前何なんだ? 毎日人の夢の中に入ってきて」

「操緒が晴紀の夢の中に入ってるんじゃなくて、晴紀が操緒の所に来てるんだよ」

少し真面目な顔になってそう言った。

「なら、俺が幽体離脱でもしてわざわざお前所まで、プカプカ飛んで行ってんのか?」

新しい情報だ! でも、俺が幽体離脱を本当にしてんのか? ザ○ッチでもあるまいし・・・

そんな馬鹿な事あるわけないよな。

「うーん ちょっとだけ違う」

少し当たってんのか・・・

「なら、ここは何処なんだ? さっきここは俺のイメージだとか、なんとか言ってたろ」

「うん」

あっさり答えた

「なら俺のイメージに、俺が飛んで行ってんのか」

興奮して少し早口になった

「正確に言えば、晴紀のイメージじゃなくて、晴紀のイメージの形になる所」

「意味・・・分かんない・・・」

なにがなんだか、さっぱり分からなくなってきたよ。

俺のイメージになる所? 今のこれは、今の俺のイメージじゃないって事?

じゃ、ここは何処なんだ? 迷子なのか俺?

そんな俺を、楽しそうに眺める操緒。

俺を騙した? と言う事は考えられるが、操緒はこれまで俺に嘘をついた事がない。だから多分これも本当なんだろう・・・

「操緒も黙って見てないで、何か教えろよ」

「これ以上は、晴紀も知らない方が良いよ。これからの人生もっとめちゃくちゃになるから・・・」

おい、いきなり怖いこと言うなよ。しかも、満面の笑顔で・・・ 女の子の笑顔は怖い物なのか?

それに、『もっと』って何だ? これまでの人生もめちゃくちゃだったね、みたいな言い方やめろよ・・・

それなりに、充実した人生を送って来てるんだ・・・多分・・・

「あっ そろそろ時間みたいだね」

といって上をも見上げた。

『そろそろ起こした方が良いんじゃねいか?』

音が反響しながら樋口の声が聞こえてくる

『そうよね 樋口ちょっとさがってて』

次の瞬間背中に激痛が走った・・・

操緒は笑っていた・・・

・・・・鬼だ






目が覚めた時は、背中からの激痛と、死の予感がした。

和葉は俺を起こすために、わざわざ「かかと落とし」などという大技を使っていた。

「お前・・・そこまでする事ないだろ・・・ 普通に起こしてくれ普通に・・・」

遠のく意識の中、震える声で文句を言った

そして樋口が、机に倒れこむ俺に目線を合わせて、

「ハル、喜べ」

この状況で何を喜べばいいのだ! と、心の中で叫んだ。

「昼だ」

俺はそれを喜べばいいのか・・・ て言うか俺は2時間も寝ていたのか!

「わーい お昼だーー・・・」

よし! 今俺に出来る精一杯の喜び方だ・・・

そのまま、俺は深い眠りにつこうとした時、樋口が目の覚ます一言を言った

「奴が・・・復活したそうだ」

俺はそれを聞いて目を見開いた

「その情報は確かか?」

「俺の情報網に引っかかったんだ。確かに決まってんだろ」

樋口は、クラスでも有名なくらい情報通で知られている。

この学校の事なら何でも知っている。

そして、何故かこの学校にいる女子全員のスリーサイズ全てを知っている・・・ まともな手段で手に入れたとは思えない・・・

「奴が復活したか・・・ 大変な事になるぞ・・・」

樋口が真剣な顔で答えた

「俺たちも急がないと、間に合わなくなる・・・」

そして、この会話についていけない和葉は、俺と樋口の顔を見比べている

「え ちょ、何の話 何が復活したの?」

俺と樋口は、和葉のこの質問に声を合わせて、こう答えた・・・

「「コロッケサンド」」

和葉は、はっ?、と言った顔をしていた。

「だ、だったら何が大変な事になるの?」

この質問には、樋口が答えた

「コッロケサンドは大人気商品でな、これが売られている日はいつも購買部は人であふれかえる」

そしてそこに、俺がもう一説明足し加えた

「3ヵ月前までは、毎日コロッケサンドは購買部で売られていたんだ。でもある日、コロッケサンドをめぐって、14人が怪我、

3人確信犯、30人コロッケサンド購入と言う大惨事が起きた・・・」

「確信犯って・・・」

和葉は呆れ返ったように言った

そこに樋口が、

「ハルもう時間だ。 購買部が開くぞ」

現在時刻12:15

購買部開店時間12:30

「よし!分かった 今行く」

俺が和葉を残して教室を出ようとした時、いきなり樋口が和葉に向かって叫んだ

「苑宮、安心しろ。お前の分まで買ってきてやるから」

決めポーズまで決めていやがる・・・

この調子だと、今週中にもう一回振られるな・・・

そう思いながら、俺は購買部に向かい走っていた。


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