朝の『普通』
現在時刻7:30
まだ、学校に行くには早いようなきがするのだが・・・
いちいち愚痴っていたら、いつ命が狙われるか分からないのでやめておく。
俺は、1分で着替えて、2分で食事を済ませるというスキルを身につけた。これは、命の危機に陥っている時にしか発動出来ない特別な物だ。和葉は、俺を横目にテレビをのんき眺めている。おのれいつか覚えていろよ、という危ない気持ちは心の深いところに締まっておこう。
2011年12月24日金曜日これが今日の日付だ。
そう、クリスマス・イブ。
世間の子ども達は、ウキウキした気持ちで学校に通学することだろう。
俺は、朝から地獄だ・・・
まず、あいつどうやって我が家に侵入したんだ・・・ 玄関の鍵は、和葉が入ってこれないように、と言う念まで込めて閉めたはずだ。どうやって入った。窓から?いや、もしそうだったら近所の方々が確認して俺の耳か、警察に言ってくれているはずだ。
煙突?いや、我が家にはない。本人に聞く?馬鹿か俺、殺されるぞ
本人は鼻歌を歌いながらテレビを見ていた。
現在時刻7:58
『目覚ましテレビ』の『今日の占い』のコーナーを見終わった後家を出た。
鍵を閉める時、鍵変えようかな・・・、と言う思いが頭をよぎった。
女の子と二人で登校。
これは、全国の男達の夢であろう。
だが、今俺のやっている事はそんな生ぬるいものではない。
そこそこ、楽しい会話をしているのだが、いつ襲われるか分かったものではない。
なぜ、こんな事になったのだ。
俺は会話を続けながら、自分の人生を振り返った。
有田 晴紀これが俺の名前だ。通称「はる」
1996年6月2日産まれの、ふたご座
大豪東中学校(通称 東中)の今は2年4組3番もうすぐ3年だ。
和葉とは、小学校で出会った。今思えばある意味、運命の出会いだったのかもしれない。
和葉は、偶然にも家が近かっかたせいで、親同士で仲良くなり、ちょこちょこ家に遊びにくるようになった。
小学5年になった頃からだ、俺を朝起こしに来るようになったのは・・・ クラスメイトが俺を羨ましいそうにみる。お前らが思うほど好いものではないぞ、と心の中で叫んだ。
よく勘違いされやすいのだが、俺と和葉は付き合っていない。付き合えるはずがないだろ・・・
中学生になって、親同士が長期的に海外旅行をする事になった。
それから、和葉は俺の家に、自分の家のように顔を出すようになって、今に至る。
なんてついていない人生なんだ。いや、これは何か憑いている。
その時おれの頭の中に、夢ででしか出て来ない少女、操緒の姿が頭によぎった。
「ねぇ、ちょ 聞いてるの?」
「え、 あ ああ、ちゃんと聞いてる」
しまった! ぼーっとしてた!
「そ ならいいんだけど・・・ それでね、そしたら彼いきなりビックリしてさー・・・」
そんな話をしていると、後ろの方から足音が近づいている事に気づき振り返ろうとしたら、いきなり肩に手を回されて、
「よっ! ハ・ル」
と、俺と和葉の間で言った。もうちょっとましな登場の仕方はなかったのか・・・
「おはよう、樋口」
答えたのは和葉だった・・・
「おはよ! ん? お、ハル今日も死にそうな顔してるな」
樋口がニヤニヤながら言ってきた。
こいつは樋口 琢磨。俺の数少ない友達の一人だ。
俺が、夢の話を相談したのは、こいつだ。
「ああ 朝から死にそうな目にあったよ」
「いいじゃねえの 女の子に朝起こしてもらうなんて贅沢、なかなか出来ないぞ」
樋口が楽しそうに言う
「そう ハルは私に起こしてもらっているだけで贅沢できてるんだから。」
「毎朝死にそうな目にあってもか?」
「そう」
きっぱり答えた。
「それに苑宮は、結構人気あるんだぞ。俺なんか何回苑宮に告って、振られたと思ってるんだ・・・」
そう、樋口は和葉に15回告白に挑戦して、ことごとく蹴散らされているのだ・・・
「お前、まだ和葉の事好きなのか?」
「ああ そうさ俺はまだ好きなのだ」
和葉は、笑顔で答えた。
「黙れ」
16回目・・・・
出来たら感想などをよこしてもらうとうれしいです




