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今日も医療班はポジティブです

Win-Winの関係?それは、不倫なのではありませんか?違うんですか?えっ?純愛と思っているのは貴方だけ

作者: 与謝野竜胆
掲載日:2026/01/31

 王宮の中には医療室がある。医療室は欲の塊で溢れている。そこにいる人は、欲に溺れて自分を見失っている人と、それを面白おかしく噂する人がいるんです。笑えるような哀れなような。それでもポジティブに欲を発散するんです。

 ここは、王宮にある医療室です。病気に怪我に心の病、王宮で働く人のため、今日も私達、医療職員は昼夜問わず患者さんに安心安全な医療を提供するために奔走している。

 そんな私達は、平々凡々な人もいれば、破天荒な人もいる。看護師は天使じゃないし、医者は、神様じゃない。狭い世界にいるから、いつしか一般常識を見失っている。医療の世界は、社会の常識も医療の世界の常識で成り立っている!と勘違いしてるんじゃないかと思うほどにマヒしている。

 だから、今日もそんな勘違いした人が、自分の恋愛話を自慢したくて聞いて聞いてと話に来る。そして聞いたからには、黙ってるわけにはいかない!と、さぁ、次の人に話すわよぉ!!となるのである。噂好きなのはどこの世界も一緒、知りたがっている人は、たぁーくさんいますからですね。

  


 今日も彼女は、年下の彼との話を聞いて欲しくてウズウズしている。仕事を終えた私達は、彼女に話を振る。「何か変わったことがあったぁ〜?」

 彼女は、この医療班の班長だ。医療班は第一班から第六班まであり、重症度で分けられている。彼女は第三班の班長で、年は50歳のベテランだ。仕事に関しては、かなり遣り手で頭の回転もよく弁も立つ。


 そんな彼女が半年前から浮かれている。側からみても何かあったと直ぐに分かるくらい変化している。

 1つ、身だしなみに気を使うようになった。2つ、毎日化粧をするようになった。3つ、服装が変わった。

 私達、医療職の情報網は凄い。少しの変化も見逃すことなく報告しあう。報連相が大事であると学生の頃から嫌というほど、教え込まれているから。


 半年前に20代後半の文官が、壊れたベッドの入れ替えをしたいから、班長さんと相談したいです。と第三班の医療室にやって来た。彼女の目が輝いた瞬間を見逃さなかった。

 彼女は、すかさず「班長のナタリーです。」とにっこり笑って挨拶をした。「あなたのお名前は?」「総務のダニエルです。ナタリー班長ですね。新しいベッドのことでご相談があります。」

 それから毎日、ダニエルがナタリーのところに来ては、新しいベッドが何台来るとか、使えないベッドは何台あるか?とか、移動はどうするか?とか、相談の日々が続く。ナタリーは、私達からみても明らかに浮かれている。仕事よりダニエル優先。第三班のことじゃない仕事内容も相談している。頼られて嬉しいナタリーは、どんどん相談に乗る。そして、食事に誘う。仕事の時間だけじゃ足りないでしょうと。

 「ダニエル君は若いから、高級な美味しいご飯を食べさせてあげる。」そんな誘い文句で。そして、ちゃっかり連絡先も手に入れる。手が早い。要領がいい。ナタリー班長は、肉食だ。


 そして、2人は頻繁に食事に行くようになる。そうなると、ナタリーは、それを隠しておけない人だ。聞いて欲しい。幸せな若い男と食事をする私の話を。

 仕事中、記録を書いている私に話しかけてくる。「昨日もダニエル君と食事に行ったのよ。ダニエル君は、焼肉が好きだからコナーの店に行ったの。高級な焼肉を食べさせてあげたいじゃない。彼、若いからお金がないでしょう。だからね、私が食べさせてあげるの。」へぇーとかうんうんとか頷きながら先を促す。コナーの店は庶民の店ですが、黙って聞きます。

「ダニエル君が、何か奥さんのことで悩みがあるらしいのよ。奥さんが相手をしてくれないみたいなの。アチラのね。そんなこと話すなんて、私、誘われてるのかしら?うふ♡」あー、これは、いよいよかもしれませんね。聞いたら直ぐに情報共有します。職場間の。それ大事です。

 さぁー、噂が拡がります。どんどん拡がります。彼女は、聞いてほしいんです。50歳の私の魅力に落ちる若い彼の話を。聞き上手な職場のスタッフにどんどん話します。毎日のアレコレを。聞いたからにはスタッフ間で情報共有です。報連相は、大事です。


 ナタリーが、今日も話しかけてきます。いつしかダニエル君からダニエルに呼び捨てになっています。「昨日もダニエルがお肉が食べたというから食べさせてあげたのよ。最近は、お弁当も作ってあげてるの。奥さんが身体が弱いらしくて、朝はなかなか起きれないみたいなの。」

 私達は、気づいています。ダニエルは、餌付けされています。いや、反対かもしれません。ダニエルが上手かもしれません。甘えてタダでご飯を食べさせてもらえるからです。最近は、服や靴も買ってあげたようです。

 そして、ナタリーが別の街の医療室の視察に行くのにダニエルも付いて行くそうです。ナタリーがダニエルの分のお金も出すそうです。だって、ダニエルはただの旅行です。そのお金をナタリーが出すんです。あぁ、この旅行で2人は一線を越えるのだと誰もが思いました。


 視察から帰ってきたナタリーは、完全に舞い上がっていました。ハイテンションです。旅行の話を聞いて欲しくてウズウズしています。朝から仕事そっちのけで、聞き上手の1人を捕まえて話だします。

 「ダニエルが、私を求めてきたの。旅行の間、何回も。」そして、事細かに詳細に!こんなことまで話すんかーいということまで話します。そんなことは、知りたくないです!みたいな内容も話してきます。

 そして何時ものように、お昼休みには噂が飛び交います。情報共有です。ついにですか。一線を越えたのですか。旅行に行くくらいだからそうなりますよね。

 旅行の服も靴も買ってあげています。なぜ?そんなに尽くせるんですか?


 ダニエルは、遣り手なのか?中高年女性を虜にしている。貢がれている。ナタリーは、朝からお弁当を作り、夕方仕事が済んでから夕食に連れて行きます。ホテルにも連れて行きます。ナタリーのお金で賄われます。ナタリーは、満足しています。ダニエルが私を好きだと言うから♡

 ダニエルの子供の面倒もみます。お休みにダニエルとナタリーとダニエルの子供と遊びに行きます。ダニエルの奥さんは、お家でノビノビ過ごします。時々、ダニエルの家に差し入れもします。直接、作りに行ったりしてます。体調が悪から助かりますって、奥さんは喜びます。不思議な関係です。


 そして、ダニエルは次の狩りに行きました。ナタリーと同じ年のキャロルです。ナタリーとキャロルは知り合いです。手口は、ナタリーの時と同じです。職場で狩りをしているんです。

 だから、ナタリーに見つかるんです。だけど、ナタリーはダニエルを責めたりしません。彼が愛しているのは、わたしナタリーだから。

 いやいや、愛されているのか?と言う疑問は口に出しません。ただ、お話を聞くだけです。

 ナタリーは、キャロルに言います。ごめんなさいね。ダニエルが迷惑をかけてしまったみたいで。彼は私を愛しているの。だから手を引いてね。今から、もう会わないとダニエルに言ってね。私は、こっそり確認させてもらうわ。

 怖いです。こっそり覗くとか。そして、確認したことを私達に話すんです。

 

 ナタリーは、何歳になっても女性でいたいんです。ときめく恋、求められる肉体、愛されている満足感、いつまでも女でいることの証

 ダニエルは、貢がれて満足

 ナタリーは、女として満たされて満足

 Win−Winの関係が成り立っているんですね。


でも、ソレ

   不倫ですから。

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