36話 ドウェインたちグリフォン圧巻の攻撃
ドウェインが鳴くと、続々と集まるグリフォンたち。
『数がちょうどで良かった』
確かに。パパたちの家に行くのに、何か用事があるとかで、ぽこちゃん家族を乗せてくれているグリフォン以外にも、グルフォンが3体一緒にきていたからね。
『よし、全員よく聞け。リンが見えている黒い霧だが……』
ドウェインが黒い霧のことを説明している間、私はしっかりと黒い霧を監視していたよ。だってまたこっちへくるスピードが速くなっちゃった困るでしょう? それに他にも変な動きをされても困るし。
それからぽこちゃんパパが向こうに行ったから、ダウルには私とルーファスとぽこちゃん、子供組だけで乗っていたでしょう。だからぽこママが私たちの方へ移動してきたよ。
これから一斉攻撃をするのに、私たちはもちろんドウェインたちの後ろにいるけれど。それでもなるべく近くで、ドウェインにいろいろと伝えないといけないから、ぽこママにしっかり支えてもらうんだ。
『いい、あなたたちは、しっかりママの腕に挟まって、そして掴まっていてね。リンも、なるべく乗り出してはダメよ』
「あい!」
『はい!』
『はいじょ!!』
監視を続けながら返事をする。と、その監視をしている時だった。一瞬だったけど、ある部分が他と比べて、少し濃く見えたんだ。そう、本当に一瞬だったし、周りは月明かりがあるとはいえ、暗い中の黒い霧だからね。見間違いってことも十分にあるけど。
でも、どうにも気になる。ドウェインたちが攻撃をする前に、伝えた方が良いかも。それで何かあっても困るもんね。
ドウェインの話しはすぐに終わり、全員で並んで下に降りることに。ダウルはドウェインの後ろ、ちょっと上くらいから黒い霧を攻撃。そうすれば私は、ドウェインで前が見えないってこともないし、しっかり黒い霧が見えるから。
『よし、全員降りるぞ!!』
気をつけながら、全員で降下を始める。
「どえいん!」
『何だ、りん! 何か動きがあったか!?』
「くろいきりは、かわっちぇない! でも、おかちなことあっちゃ!!」
私は見たことをそのままドウェインに伝えた。
『なるほど、霧が濃い部分が……。場所はあのとんがり岩あたりで間違いないな!』
「うん!!」
『分かった! ちょうど私の前だからな。先ほどよりも強くしっかりと攻撃をしてみよう』
話しをしているうちに、全員が自分の持ち場へ到着。いよいよ攻撃だ。
『いいか! 私の掛け声で一斉に攻撃しろ。行くぞ!!』
一瞬静まり返る森の中。でもすぐに……。
『今だ!! 放て!!』
それは圧巻だったよ。なにしろグリフォン7体の一斉攻撃だったからね。ドウェインだけでも凄いと思っていたのに7体……。
さっきのドウェインの攻撃音ゴォォォッ!! を上回る、ドゴォォォッ!! という轟音と。あまりの勢いに、地面が揺れるているのが分かるほどの激しい風攻撃が、黒い霧へと吹きつけたんだ。
『ひょー!!』
『ひょーじょー!!』
凄い攻撃に、ルーファスとぽこちゃんから、歓声が上がる。私も何もない状態なら、同じように歓声を上げていたかも。でも今は、黒い霧を確認しなくちゃ。
風攻撃が当たった場所から、どんどん吹き飛んでいく黒い霧。ただ、最初の攻撃で、ほとんど黒い霧を消すことはできたんだけど、所々残っちゃった場所があって。
私はどこに黒い霧が残っているとか、あと少しでそこは消えるとか、みんなに伝えたよ。それで追加で攻撃をするドウェインたち。そして数十秒後……。
「あちょはみぎの、ぎじゃぎじゃきのとこ!! しょれちょ、どえいんのまえ! ちょっとうしゅいきり、のこってる!!」
『分かった!!』
ドゴォォォッ!! これが黒い霧への最後の攻撃になったよ。森に広がっていた霧は全て消え、向かってくる変なものは、何もなくなったんだ。1つだけを抜かしては。
「どえおん、おかちい!」
『何だ! ……と、リン。おかしいのは私の前方か?』
あれ? もしかしてドウェインにも見えてる? でも、私が見えている物とは、別の方を見ているし……。
「どえいん、あのね。まえ……」
『リン、周りに私たちの声が聞こえないように、なるべく小さな声で静かに話せ』
「んう? うん?」
ダウルがドウェインに近づき、私は言われた通り静かにドウェインに伝える。
「どえいんのまえのほう、しゃっきいっちゃ、ちょんがりいわのとこ。きりがなくなったら、くろいたてながのかたまりでてきちゃ」
『黒い塊? オレには見えないな』
「私にも見えないわね」
『いや、リンの言っている場所に、確かに何かある。霧が消えてから、嫌な気配が漂ってきた。もしかしたらそれが、今回の原因かもしれん。……そしてあの気配は、何か生き物のものだろう』
『生き物か、なるほど』
「あそこに生き物が……ねぇ」
『どこどこ?』
『どこにいるじょ?』
『2人とも、今リンが言った方を見てはダメよ。敵はもしかしたら、私たちが気づいていることに、気づいていないかもしれないの。だから今のうちに私たちが攻撃をすれば、敵を倒せるかもしれない。そのためにも今は、知らんぷりをするのよ』
『ふ~ん』
『ちりゃんぷりじょ?』
なるほど、だからみんな違う方を見てたのか。
『今からそれを攻撃するぞ』




