11話 私への挑戦か? ギザギザ木の実の殻転がし、いざ勝負!!
「るーふぁしゅ」
『ん~? りん、なぁにぃ? くるちゃん、ころころみせないの?』
「くるちゃん、しょのぎじゃぎじゃきのみが、いいみたい」
『ぎざぎざ?』
「うん」
『くるちゃん、そういった?』
「うん」
あれ? ルーファスには聞こえなかったのかな。場所は違っても、私とくるちゃんと同じくらいの距離にいたはずだから、聞こえていたと思うんだけど。
『くるちゃん、こっちのきのみがいいの?』
『うん!! ぼく、しょにょきのみがい!!』
そう言いながら、むすっとしていた顔がパッと嬉しそうな顔に変わり、何度も頷くくるちゃん。
『そか!! りあ、すごいねぇ。ぼくといっしょ?』
ん? 何が? 凄いねって、何か私したかな? 聞いたことを伝えただけだし、他は何もね?
聞こうと思ったけど、ルーファスが転がす姿勢になったから何も聞かずに、静かにルーファスとくるちゃんを見る。
『いつもれんしゅ、してるもんね。がんばろ、くるちゃん!! リンにすごいくるちゃんみてもらおう!!』
『うん!!』
『とぉ!!』
ギザギザの木の実の殻を転がすルーファス。木の実はまっすぐにくるちゃんの方へ転がり、くるちゃんが、パシッと完璧に、木の実の殻をキャッチしたよ。本当にまっすぐ、少しもずれずにね。
おお!! ナイス、コロコロ!! ナイスキャッチ!! 私は思い切り拍手する。
『こんどはくるちゃんだよ! しゅ、ころ、ぴゅー!! だよ。教えた通りにね!』
「うん!!」
ルーファスが転がした時と、同じ姿勢をするくるちゃん。ルーファスが一生懸命転がし方を教えたんだろうなぁ。まったく同じ姿勢をしているよ。だけどくるちゃんは小さい分、なんかちまちましているように見えて、それがまたなんとも可愛い。
『いきまちゅ!! ちょお!!』
シュッ、コロコロコロッ!! ピュー!! ルーファスの半分くらいのスピードで転がるギザギザ木の実の殻はまっすぐ転がって、ルーファスが完璧にキャッチしたよ。
そうしてその後、コロコロを数回繰り返したんさけど、全てまっすぐに転がし、ピタッと止めたんだ。
「おぉぉ!!」
またまた拍手。え、す凄いねくるちゃん。ぜんぜん曲がらずに転がせられるなんて。
「くるちゃん、しゅごい!! るーふぁしゅもしゅごい!!l」
『えへへへ、そう?』
『ふふふっ、しょ?』
照れ笑いまで一緒の2人。それにしても、本当に真っ直ぐ転がったな。あれだけギザギザしている木の実の殻なんだから、ギザギザのせいで予期せぬ方へ転がりそうなものだけど。
もしかして思ったほどギザギザしていない? そう見えているだけ? それともツルツル感が凄くて、ギザギザも関係なしに、ツルツル、コロコロ転がっている? う~ん、ちょっとやらせてもらおうかな?
「るーふぁしゅ、くるちゃん、あたちもやってみてい?」
『いいよぉ。でも、りあはじめてだから、ちゃんところころできるかな』
『おねえちゃ、こりょこりょできりゅ? むじゅかちいよ?』
『『クスクスクスッ』』
笑い方までそっくり。よほど仲が良いんだろう。もしかして兄弟とか? でもそれならドウェインがそう言うよね。
ルーファスからギザギザ木の実の殻を受け取り、まずはそれの確認から。うん、ギザギザの先はやっぱり尖っていなくて、触ってもぜんぜん問題なし。
次はギザギザ加減だけど……、う~ん、見た感じはけっこうギザギザしているかな。短いギザギザに長いギザギザ、それがいっぱい木の実の殻の表面に並んでいる。
ツルツル具合は? ……とってもツルツルしているわけじゃないかな。普通にスベスベって感じ、ざらざらはしていなかったよ。
『ぼくもくるちゃん、どこにころがっても、ぱぱっとつかまえるよね』
『うん!!』
『りあ、だからあんしんしてね。ぱぱのほうにころがして』
「うん!」
私はドウェインに方を見る。するとなぜか私とドウェインのちょうど真ん中くらい、左右に別れてルーファスとくるちゃんが立ったんだ。何で? と思いながらも、私はギザギザ木の実の殻を転がそうとする。
地球で働いていたとき、飼育していた動物とボール遊びをしていたからね、ボール投げにはちょっと自信があるよ! ……まぁ、木の実の殻転がしだけど。でも、ボールと同じでしょう。ここは年下の2人に負けるわけにはいかない! いざ、勝負!!
と、なぜか途中から、こういう気持ちになってしまった私。
「とぉっ!!」
地球での私のことを思い出しながら、思い切りギザギザ木の実の殻を転がすと……シュッ!! コロコロッ!!
うん、良い感じ! どんどんドウェインの方へ、少しも曲がらずに転がっていくギザギザ木の実の殻。
やっぱり、まっすぐに転がる木の実の殻だったんだ。この転がり、後で私が2人に教えてあげるかな?
なんて、そう思っていた時だった。なぜか突然、キューンと急カーブを描き、ギザギザ木の実の殻がルーファスの方へ転がって行ってしまい、そんな木の実の殻をルーファスが華麗にキャッチ。
「ん? なんできゅうに、まがっちゃの!?」
あれだけまっすぐに進んでたじゃん。私が不思議に思っていると、ルーファスとくるちゃんが、また同時にクスクスクスと笑った。
「ちょっとまつ。もいちどころがしゅ」
2人ができて、私ができないわけがない。今のはたまたまだ、たまたま! もう1度やらせてもらおう!




