プロローグ:魔女
まずはこの作品を読もうと思っていただき、ありがとうございます。
この話はプロローグなので、千文字弱で終わります。
次からは三千文字ぐらいで書いていくので、これからもよろしくお願いします。
街の守護団の一員であるランスは、図書館にて一冊の本を手に取った。
『この世界に生きる魔女』
そんなタイトルだ。
暇もあるし、薄い本なので今読めそうだ。
ランスは席につき、その本のページをめくった。
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魔女とは、この世界を災厄から守る役目がある。
しかしながら、この役割はあまり知られておらず、今となれば噂話だ。
魔女と悪者という、事実無根の言い伝えもある。
世界ができると同時に生まれたとされている魔女は、同一人物ではない。
しかし、容姿は変わっても髪の色は変わらない。
ずっときれいな紫だ。
そして、魔女は世界にずっと1人だけ存在する。
魔女には娘しか産めないという特徴がある。
産むと、長女が生まれ、次の魔女となる。
そして、その長女が娘を作ると、その子が次の魔女になり、これが繰り返される。
しかし、これには問題点がある。
女は上級魔術師や上級騎士にはなれない。
そんな中、娘しか産めない魔女と結ばれたい者がどこにいる。
男中心の社会だ。
女などは男を産むモノとしか見ていないのだ。
そんな魔女は近年、旅をする者が増えている。
勿論、自らがこの身分であることを隠して。
正直に言う者もいるだろうが、今、魔女は存続危機にあるのだ。
隠しながらも子孫を残すしかないのだ。
こんなことを知っていても、人々は魔女を嫌悪する。
魔女がいなければ今頃、嵐や洪水といった災厄が街を襲うというのに。
男中心の社会に魔女は合わないと言えど、誰かのためにも結ばれるということも必要ではないだろうか。
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へぇ、魔女か。
知識として入れておくのには良いだろう。
まぁ、本当にいるのかどうかは知らないが。
ランスは本をしまい、寮へと戻るのだった。
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次からは本編突入ですので、暇つぶし程度に読んでいただけると幸いです。
では、次でお会いしましょう。