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夢の中だけRPG  作者: 佐賀葬送
第一章 最初の夢
6/8

6話 ポイント制

時間かかって申し訳ないです!戦闘シーンが増えてきます。楽しんでいただけると幸いです。

            6


 どうやら晴男は剣士ではなく、魔法使いらしい。俺はてっきり最初は皆剣士なのかと思っていた。晴男曰く、装備していたのは初めからこの杖で、剣など一本も持っていなかったらしい。


 初期装備に見えるは見えるのだが、なんとなく持っている杖は強そうだ。ひょっとするとモンスターを倒した戦利品かな?と思い、杖の名前を聞いてみた。


「その杖、なんて名前なの?」


「これか?これはな、サニーメイスってんだ」


 思いの他初期装備みたいな名前だった。そんな事を考えている俺をよそに、晴男は続ける。


「ウェポンmodが多くて成長させ甲斐があるからさ、モンスタードロップの片手剣もあるんだけど、使う気にはなれなくて。この片手剣、いる?」


 俺にとってなかなか良いお誘いだったが、それよりも俺はウェポンもっどというのが気になったので、聞かずにはいられなかった。


「あのさ、そのウェポンもっどってなんなんだ?」


「え、知らないのか?」


 驚いた様子を見せつつも、晴男は続ける。


「そんな所にも差異があるのか。俺は最初におじいさんから聞いたんだけどな。で、ウェポンmodってのは、剣がどれだけ成長するかを示すんだ。modはモディファイの略で、《派生》って意味だ」


 そこで晴男は一呼吸おくと、少し早口に続ける。


「で、剣を使ってると、剣、まぁ、俺の場合杖なんだけど、レベルが上がるんだ。レベルが上がると、ソードポイントってのが手に入って、それを使って剣技を覚えられるんだ」


 分からない語句が出てきたので慌てて俺は聞く。


「待て待て、ソードポイントってなんなんだ?」


「あぁ、それも知らないのか。ソードポイントってのはな、自分のレベルでいうスキルポイントみたいなもんだよ」


「なるほど、それで剣技とやらを習得すると」


「そゆこと。ちなみに俺は、メイスレベルが4で、自分のレベルが5だぜ。杖技もみっつよっつ覚えてるぞ」


「マジで!?いいなぁ、俺まだ両方レベル1だよ」


「じゃあさ、俺がサポートするから一緒にレベル上げしない?」


「ホントに!?いいの?俺なんかについてくれて」


「いいさ、俺も優香ゆうかを救いたいしな」


「え、魔王にさらわれたのって、優香なの?あの、二年生いっぱいで転校するっていう2組の?」


「ホントに何も知らないんだなぁ。じいさんの話、ちゃんと聞いてたのか?」


「嫌々聞いてたのは確かだけど、しっかり聞いてたよ。でも、本当に優香の話はしてなかったよ。晴男は2組だし、2組の特権なんじゃないの?」


「あぁ、そうなのかも。姫が在籍してたクラスだから特別に、って事なのかもな」


 そこで俺は、暗い話を切り上げる為に違う話を出した。


「ところで、晴男が持ってるスキルで一番強いのはなんなんだ?」


 いきなりの話題切り替えに戸惑った様子を見せた晴男だったが、しっかりと俺の話に乗ってくれた。こういう所が、有名人たる所以だろう。


「サニーサイドアップっていう、大火力魔法だ。ここら辺のモンスターなら、一撃で消し炭に出来るぜ」


「目玉焼きの焼き方で、そんなのなかったっけ?」


「あぁ、あったなぁ。あんまりどんなのか覚えてないけど」


「俺も、言っておいてどんなのか覚えてないけどな」


 クスッと笑う。2人の間に緩んだ空気が流れた。すると晴男が気づいたように言う。


「ここでずっと話してても進まないし、いこうぜ」


「了解!」


            ▪︎▪︎▪︎


 「のわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 俺は、変な匂いを撒き散らすスライムみたいなモンスターと戦っていた。コイツがもう、臭いのなんの。近付くと地獄を見る。


「おーい。逃げ回ってばっかりだと倒せないぞー」


「そんな事いったってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 そんな事をしていると、スライムが毒ガス攻撃の予備動作を見せたので、毒づきながら斬りかかる。


「くそっ...!」


 すると、いつものバチャッ!という音と違うザクッ!という心地よい音がして、たった一撃でスライムのバーを削り切った。


「おぉ! 一撃でスライムの核を破壊するなんてやるなぁ!」


「いや、もう、無我夢中で。偶然だよ」


 すると、シャラン、という音がして、目の前に経験値の加算を知らせる画面が現れる。


    《ソードレベルが2になりました。》


 ということらしい。さっき自分のレベルが3になっていたので、このレベルアップは妥当なものだろう。


「せっかくソードポイントが入ったんだし、何か剣技を習得してみなよ。」


と晴男がいうので、画面を開いて何を習得するか選ぶ事にした。


 俺の剣は《ノーマルソード》というのだが、ノーマルなだけあって、習得できる技は木の枝のように広がっており、無数にあった。


 俺はそこの中から、なんとなく気に入った《片手直剣流 初段スキル 霧雨》というスキルを習得した。


 特に効果も見ていなかったが、語感が好きだと思って選んだ。次はこの技を使ってモンスターを倒そう。俺は自らの胸が高鳴るのを感じた。

最後まで読んでくださりありがとうございます!次回も乞うご期待!

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